株:NYダウ続落
14日の米株式市場は、日本で発生した大地震の被害状況が徐々に明らかとなる中、自動車などの企業で操業を停止する動きが広がったことや、原発事故がもたらす影響に対する懸念などから、日本や世界経済の先行き停滞への懸念が高まり、リスク資産である株を手放す動きが強まった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比51.24ドル安の11,993.16ドルで引けた。
本日の東京市場では、前日に引き続き、日本の大震災による景気の悪化が懸念されること、福島原発事故の深刻化などが懸念され、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,375円となっており、市場の予想レンジとしては9,550円−9,300円となっている。
為替:円が買われる
14日の外国為替市場では、保険会社など日本企業の間で、大地震発生による保険金支払いや復興コストなどを目的としたレパトリが広がり、ドルなどに対して円が上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は81円台半ば、ユーロドルは1.39ドル台後半となっている。
本日は、RBA理事会議事録の公表とFOMCの動向に注目が集まっている。経済指標の発表では、3月ZEW景況感指数(予想:15.7)、3月NY州製造業景況指数(予想:16.75)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては81.00−82.50円となっている。
商品:NY金続伸
14日のNY原油先物取引は、日本で発生した大地震の影響で、鉄鋼所や自動車などの工場が相次いで生産を中止したことを受けて、エネルギー需要が減退するとの懸念から、一時98.47ドルを付けた。しかし、内戦状態に陥っているリビアの紛争が激化していること、サウジアラビアを主体とした部隊が反政府デモ鎮圧のためバーレーン入りしたと伝えられたことなどを背景に、値を戻す展開となり、中心限月の4月限の終値は、前日比0.03ドル高の1バレル101.19ドルで引けた。
NY金先物取引では、中途情勢の混迷や日本を襲った大地震や原発事故などを背景に、リスク回避の買いが強まり、続伸して引けた。中心限月の4月限の終値は、前営業日比3.10ドル安の1オンス1,424.90ドルで引けた。