2011年3月4日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
3日の米株式市場は、同日発表された週間新規失業保険申請件数が36.8万件、2月ISM非製造業景況指数が59.7と市場予想を上回る良好な内容となり、米国の景気回復期待が高まり、幅広い銘柄に対して買いが優勢となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比191.40ドル高の12,258.20ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が大幅上昇していること、為替市場でも円安が進行しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は10,720円となっており、市場の予想レンジとしては10,600円−10,800円となっている。

為替:ユーロが上昇
3日の外国為替市場では、ECB理事会で、政策金利を1.0%に据え置いたものの、その後のトリシェ総裁の記者会見で、インフレ率上昇に強い警戒を持っているとの認識を示し、4月にも利上げの可能性を示唆したことから、ユーロが主要通貨に対して上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は82円台半ば、ユーロドルは1.39ドル台半ばとなっている。
本日は、経済指標の発表では、米2月雇用統計(予想:失業率9.1%、非農業部門雇用者数+18.5万人)が予定されている。また、トリシェ総裁の講演も予定されており、その動向に注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては81.50−82.80円となっている。
 
商品:NY金急落
3日のNY原油先物取引は、リビアのガダフィ大佐がベネズエラのチャベス大統領と和平交渉案を協議したと報じられたことを受けて、利益確定の売りが優勢となり、一時100.15ドルを付けた。ただ、リビア政府軍は空爆を続行しており、和平協議案に懐疑的な見方が広がったこと、為替市場でドルが対ユーロなどで下落したことなどから、値を戻す展開となり、中心限月の4月限の終値は、前日比0.32ドル安の1バレル101.91ドルで引けた。
NY金先物取引でも、ベネズエラがリビア問題の解決に向けた提案をしたことでリスク回避の動きが後退したことに加えて、ECBが4月にも利上げに踏み切る可能性があると述べたことから、インフレヘッジとしての金の魅力が減少し、急落する展開となった。中心限月の4月限の終値は、前営業日比21.30ドル安の1オンス1,416.40ドルで引けた。