2011年5月11日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
10日の米株式市場は、米マイクロソフトがインターネット電話のスカイプを買収すると発表したことを受けて、企業のM&Aの動きが活発化するとの思惑が広がったことや、中国の4月貿易収支で輸出が過去最高を更新し、世界的な景気回復に対する期待感が広がったことを背景に、終始底堅く推移した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比75.68ドル高の12,760.36ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が堅調に推移したことや、為替市場の円高基調も一服したことなどが、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,905円となっており、市場の予想レンジとしては9,850円−10,000円となっている。

為替:ユーロの買い戻し
10日の外国為替市場では、商品市場や株式市場が上昇するなど、リスク資産への投資が進む中で、資源国通貨やユーロがドルや円などに対して買われる展開となった。ただ、ギリシャの信用問題がくすぶる中で、ユーロの上げ幅は限定的となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.44ドル近辺となっている。
本日は、中国で一連の経済指標の発表が予定されており、注目が集まっている。欧米時間に入ると、BOE四半期インフレレポートの公表や米3月貿易収支(予想:-470.0億ドル)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.20−81.50円となっている。

商品:NY原油続伸
10日のNY原油先物取引は、シカゴ・マーカンタイル取引所が原油先物の証拠金を25%引き上げると発表したことが嫌気され、一時100.12ドルまで下落した。ただ、その後は、ミシシッピ川の洪水が製油所の操業に影響が出る恐れが生じたことや、中国の4月貿易統計で原油の輸入が高水準だったことなどを背景に、続伸して引けた。中心限月の6月限の終値は、前営業日比1.33ドル高の1バレル103.88ドルで引けた。
NY金先物取引では、前日発表されたギリシャの信用格付けの引き下げなど、欧州の信用不安が拡大していることや、原油や穀物相場が反発していることなどを背景に、金に対する買いが広がり、中心限月の6月限の終値は、前営業日比13.70ドル高の1オンス1,516.90ドルで引けた。