2011年6月29日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
28日の米株式市場は、ギリシャの債務問題について、フランスに引き続き、ドイツの金融機関でも保有するギリシャ国債を長期債に借り換える案で合意したことや、29日に予定されているギリシャ政府の緊縮財政案が議会で可決されるとの見方が体勢となったことなどを背景に、投資家のリスク回避志向が後退し、終始買いが優勢となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比145.13ドル高の12,188.69ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が上昇し、為替市場でも円安基調となっており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,785円となっており、市場の予想レンジとしては9,650円−9,800円となっている。
 
為替:ユーロが上昇
28日の外国為替市場では、ギリシャの債務問題をめぐる懸念が後退したことや、トリシェECB総裁が、インフレについて非常に強い警戒をもっていると述べたことなどを受けて、ユーロが上昇する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は81円近辺、ユーロドルは1.43ドル台半ばとなっている。
本日は、ギリシャで緊縮財政法案の可決が予定されており、その動向には注意する必要がある。経済指標の発表では、米5月中古住宅販売保留(予想:前月比+3.8%)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.50−81.50円となっている。

商品:NY原油急反発
28日のNY原油先物取引は、ギリシャの債務問題に対する懸念が後退したことや、米株式市場の上昇などを背景に、リスク回避志向が後退し、急反発する展開となった。中心限月の8月限の終値は、前営業日比2.28ドル高の1バレル92.89ドルで引けた。
NY金先物取引では、ギリシャの債務問題に対する懸念が後退し、安全資産としての金買いが後退したことが嫌気され、下落する場面もあったものの、原油高やドル安を手掛かりに買いが入り、反発して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比3.80ドル高の1オンス1,500.20ドルで引けた。