2011年7月8日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
7日の米株式市場は、6月ADP全米雇用報告が前月比+15.7万人、米新規失業保険申請件数が41.8万件となり、市場予想より良好な内容だったことに加えて、米有力チェーン店の既存店舗売上高が前年同月比+6.9%となり、個人消費に対する期待感が高まったことなどを背景に、小売株などを中心に買いが優勢となり、続伸した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比93.47ドル高の12,719.49ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が上昇しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が10,195円となっており、市場の予想レンジとしては10,050円−10,250円となっている。

為替:ユーロが上昇
7日の外国為替市場では、ECB理事会で、予定通り政策金利を0.25%引き上げたことや、ECB理事会後のトリシェ総裁の記者会見で、物価安定への上振れリスクに関するすべての動向を引き続き「非常に注意深く監視する」と述べ、数ヶ月以内に追加利上げがある可能性を示唆したことや、ポルトガル国債について、最低信用格付け基準の適用を停止する方針を示したことなどを好感し、ユーロが上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は81円台前半、ユーロドルは1.43ドル台半ばとなっている。
本日は、6月米雇用統計(予想:失業率9.1%、非農業部門雇用者数+8.0万人)の発表が予定されており、市場の注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.50−81.70円となっている。

商品:NY原油反発
7日のNY原油先物取引は、米雇用関連の経済指標が堅調な内容だったことなどから、買いが膨らみ、一時99.42ドルの高値を付けた。その後は、EIAの週間在庫統計で原油在庫が前週比90万バレル減と減少幅が市場予想より小さかったことが嫌気され、やや上値を削る展開となった。中心限月の8月限の終値は、前営業日比2.02ドル高の1バレル98.67ドルで引けた。
NY金先物取引では、為替市場でのドル安・ユーロ高を材料に買われる一方、米国の経済指標の改善や堅調な株式市場を受けて、リスク回避の動きが後退し、安全資産としての金を処分する動きが広がるなど、強弱材料が交錯する中で、ほぼ横ばいで引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比1.40ドル高の1オンス1,530.60ドルで引けた。