オバマ大統領は本当に企業寄りか?(Money Globe- from NY(安井 明彦))

 「今日はご近所づきあいを深めようと思ってやってきた。最初に引っ越してきた時にフルーツケーキでも持ってきておけばよかったのかもしれないが…」  2月7日、公園を挟んでホワイトハウスに隣接する米商工会議所で、バラク・オバマ大統領が切り出した。過去には医療改革などを巡って激しくやり合った米商工会議所での講演は、オバマ政権が演出する「企業シフト」を象徴する出来事である。  民主党が大敗を喫した昨年の議会中間選挙以来、オバマ政権は企業寄りの姿勢を盛んにアピールしている。  政権人事では、ビジネス界の評判が高いウィリアム・デイリー元商務長官を首席補佐官に起用。ブッシュ減税の延長問題でも、自らの選挙公約を翻して、富裕層向けを含めた全面延長で共和党と妥協した。