個人の株離れ、復興に壁(時事深層)

福島第1原発の事故で東京電力の株価は急落。多くの個人株主が含み損を抱えた。東電株は安全志向の資金の受け皿だっただけに、株式投資を止める動きも出かねない。復興関連銘柄に買いも入るが、事故の影響の大きさに投資家は疑心暗鬼になっている。  「株価急落にどう対応すればいいのか。保有株は損切りすべきなのか」  3月11日の東日本大震災によって福島第1原子力発電所が深刻な事態に直面して以降、東京都内のあるファイナンシャルプランナー(FP)には、高齢者を中心とした個人投資家からの問い合わせが相次いでいる。その多くが、東京電力株についてのものだ。  東電の株価は震災前日の10日終値で2153円だったが、わずか1週間で3分の1となり、28日には節目の700円も割り込んだ。