2011年4月6日のマーケット予想

株:NYダウ反落
5日の米株式市場は、深刻なインフレに悩まされる中国で、中国人民銀行が0.25%の利上げに踏み切ったことを受けて、同国の金融引き締めが世界的な景気減速につながるとの懸念や、3月ISM非製造業景気指数が57.3と前月を下回ったことなどが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、企業の合併・買収が活発化していることに対する期待感から、下値では買いも入り、下げ幅は限定的となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業6.13ドル安の12,393.90ドルで引けた。
本日の東京市場では、為替市場で円安基調となっていることから、輸出関連株を中心にプラス材料となりそうだ。また、原発事故の復旧作業が難航し、前日ストップ安を付けた東京電力の値動きにも注目が集まっている。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,650円となっており、市場の予想レンジとしては9,500円−9,700円となっている。

為替:円が下落
5日の外国為替市場では、7日のECB理事会で利上げを行うとの見方が強まっていること、また、米国でもFOMC議事録の公表の中で、一部の委員から年内に金融引き締めに移行すべきとの発言があるなど、米国や欧州で金利利上げ観測が高まる一方、日本では、大震災の影響から利上げが遅れるとの思惑が強まり、円がユーロやドルに対して下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は85円近辺、ユーロドルは1.42ドル台前半となっている。
本日は、英2月鉱工業生産(予想:前月比+0.4%)、英2月製造業生産(予想:前月比+0.6%)などの経済指標の発表が予想されているが、市場では、明日のECB理事会の動向に注目が集まっており、当局の発言などに注意する必要がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては84.50−85.80円となっている。

商品:NY金史上最高値更新
5日のNY原油先物取引は、中国人民銀行が0.25%の利上げを行い、同国の金融引き締めが世界的な景気減速につながるとの懸念から売りが優勢となった。ただ、FOMC議事録で、米景気回復が一段と堅調な足取りであるとの認識が示されたことで安心感が広がり、下げ幅を縮める展開となり、中心限月の5月限の終値は、前日比0.13ドル安の1バレル108.34ドルで引けた。
NY金先物取引では、リビアを中心とした中東・アフリカ情勢に対する不安に加えて、格付け会社ムーディーズがポルトガルの債務格付けを引き下げたことなどを背景に、安全資産としての金を買う動きが強まり、NY金は史上最高値を更新した。中心限月の6月限の終値は、前営業日比19.50ドル高の1オンス1,452.50ドルで引けた。