原油価格高騰の見えざる危機(時事深層)
高騰する原油価格。本誌試算では今後、一部業種の株価を大きく押し下げる。きっかけは北アフリカ、中東の政情不安だが、裏で演出したのは投機資金。本当の危機は、原油価格高騰ではなく、急激な乱高下。業績を直撃しかねない。
北アフリカ、中東に広がる政情不安で2月から急騰してきた原油価格が、回復の兆しを見せ始めた日本経済の先行きに暗い影を落とし始めている。
日本が需要の約90%を依存する中東のドバイ原油先物価格は3月4日に1バレル=110ドル23セントと、2011年初から約17%、前年同月比では約50%の大幅上昇となっている。
既に個人向けのガソリン価格や産業用のA重油、ガソリンなどが上昇を始め、連動して電気・ガス料金も4月から7カ月ぶりに大手14社が一斉値上げ。