中小企業を襲う「デリバティブ倒産」の悪夢(超円高 16年ぶり記録更新)
東日本大震災後、1ドル=76円25銭の最高値まで進んだ超円高が波紋を広げている。震災と計画停電の打撃に加え、中小企業を直撃したのが、「為替デリバティブ(金融派生商品)」の損失だ。
「こんなに損失が膨らむとは思ってもいなかった」
横浜市にある自動車関連の中小企業の社長は乾いた声でこう語った。地震による直接の被害は免れたが、取引先には死傷者も出ており、業績への悪影響は避けられない。そんな矢先、追い討ちをかけたのが過去に契約した為替デリバティブの損失拡大だった。
この会社の年間売上高は約16億円、純利益は約1億5000万円だが、為替デリバティブによる損失が5000万円規模の減益要因になっている。