トレードをやっていて一番難しいのは、勝ちを積み重ねることです。私は昔からスキャルピング派だったので、特に1勝にこだわりを持つようにしてきました。
最近は、相場が変質しているので、先物もFXもスキャルピングあるいは短期間で小さめの値幅を稼ぐのは難しくなっているので、先物もFXもオーバーナイトあるいは、数日間かけて勝負することが多くなりました。6月下旬だったか、7月上旬だったか忘れましたが、先物が3、4年前までのようにラインを挟んで分かりやすい動きをした日が1日だけありましたが、その日はロングでもショートでも獲り放題で、非常に気持ちよくトレードできましたが、最近はそういう日は皆無といっていいでしょう。なので、日中、パソコンに張り付いて値動きをウォッチすることも少なくなりました。
その分、じっくり待てば週に1、2回確実にものにできるチャンスが見えやすくなりました。政策介入などもあるので、さすがにショートは難しいですが、押し目買いがしやすい地合が増えましたね。
どのような状況にあっても、勝ちを積み重ねなければトレードをやっている意味はありません。どうすれば勝ち癖をつけることができるかということが重要になります。
まず一番大切なのは、現在の価格帯は高いのか安いのか、価格感を持っておく必要があります。最近の相場が難しいのはここです。1ドル=76円台、日経平均8000円台というのは、これまでの金融市場の歴史から考えると、破格の安さなのですが、安易に買えません。というよりは、欧米の金融市場を取り巻く状況を考えると、むしろショートで追随することを考えてしまいます。
こういうところは、相対的に高いか安いかを考えるしかないですね。その時点では、「さすがにここから先は売りにくいだろう」とか「ここから買い上げるのは難しいだろうとか」、それまでの値動きのデータや感覚的なものに頼ることになります。RSIみたいなテクニカル指標は、本来、そういうのを人間の勘に頼らずに、機械的に判断するための指数なんでしょうけれども、これだけ値動きがダイナミックさを欠くようになると、さっぱり役に立ちませんね。
先物なんかは最近繰り返し指摘している通り、売買動向からして、売りたがっているとか、買いたがっているというのをある程度把握できるので、板の食われ方は参考になるでしょう。「安く買って高く売る」ためにどうするか、という意識をしっかり刻み付けたいものです。
それと合わせて、重要なのは「負けない」ということですね。当たり前のことですが、どういうことかと言うと、勝ちが見込めない無駄なトレードをしないということです。
私の場合、中途半端な価格帯でうろうろされるのが一番、ストレスがたまりますね。上げるのか下げるのかはっきりさせてほしい。そういう時は、トレードは絶対にしません。上下どちらに動くかわからないからです。
そして、往々にして、ひと呼吸置くと展望が開ける時が多いので、そこで乗るようにしています。相場というのは面白いもので、上下どちらかに必ず動きます。負けないためには確実に「勝ち組に乗る」。これしかありません。値幅は小さくても旗色が鮮明になった時に、たとえおこぼれでもそれにあずかればいいのです。
そして何より大切なのは、勝ちパターンをしっかり刻みつけることですね。勝ちトレードの時の精神状態、感覚を忘れないことです。何となく違和感があるときや、勝ちパターン化から外れる時は、すぐに軌道修正する。負けても早めに誤りに気付けば、取り返しはつきます。
勝った時の精神状態を常に忘れないようにすれば、勝てそうなエントリーポイントというのが、見えやすくなります。ただ、難しいのは、欲が強すぎると、すぐに良い精神状態が崩れてしまいます。そうなると無駄なトレードに走りやすくなるので要注意です。欲を捨てることも勝ち癖をつけるためには必要になります。