久々のラーメン店紹介。北海道旅行に行ったり、日光で紅葉見物をしたり、風邪をひいたりとなにげに忙しく、しかも、最近は新宿や荻窪の行きつけの店でしかラーメンを食べていなかったのですが、心機一転、リスタートします。
そうそう、ちなみに先週土曜日(3日)にテレビ東京「出没!アド街ック天国」で、8月18日に担々麺を取り上げた東日本橋の「虎穴(フーシュエ)」が紹介されていましたね。経済、マーケット分析、旅、グルメ、街歩きと、テレ東路線をひた進むこのブログですが、ちょっとだけテレ東に先んじることができて、何となくうれしいです。
さて、今回は、厳密にはラーメンというカテゴリーに入るかどうか分かりませんが(それを言うなら、担々麺やつけ麺なんかもそうですけどね)、油そばを攻めてみることにしました。15年ぐらい前に東京で「汁なしラーメン」なるものがブレイクしましたが、あれの進化形もしくは変種みたいなものですかねぇ。店を出している関係者はそいうした認識はないのかもしれませんが。
油そばと出合ったのは、5、6年くらい前ですかね。飲み会の〆で、場所や店名は忘れましたが、後輩に勧められて入った店で食べたのが結構、印象に残っていました。
「油そば」というネーミングからして、高カロリーを嫌う人からは敬遠されそうで、地味な存在でしたが、最近はちょこちょこ、油そばの店もあちこちで目につくようになりました。それでもつけ麺と比べると、まだまだですけどね。
ネットや情報誌なんかで結構取り上げられている、上野の「油そば 椿」を訪れてみました。食べログでは「新御徒町」となっていましたが、丸井上野店の真横にあり、ガチで上野にあります。
丸井の真横ということは、当然、上野駅から至近の距離にあるのですが、そばの雑居ビルは「人妻~」みたいな風俗系のお店が入居しており、いかがわしさ満点。これぞ上野クオリティーという感じですね。
「まさかこんな場所にはないだろう」と考えすぎたのがあだになり、店を探すのに周辺をうろうろしてしまい、近くにいた人から変な目で見られてしまいました。
そんなに込み入った場所にはないのですが、何とか無事店を発見して入店。店内は入り口に券売機があり、9席ほどのカウンターが設けられ、照明をやや落とした居酒屋風の内装で、今風の店のつくりになっています。若い20代後半から30代前半くらいの男性2人が切り盛りしていました。
オーソドックスに「油そば」(250グラム、750円)を注文しました。昼すぎの店内には若い女性もいましたが、油そばは見た目からしてガッツリ系ですね。
半分に切られた味付け卵がドンドンと二つ、刻んだチャーシュー、この店のオリジナル魚粉、ゆずペーストがのせられ、さらに定番の水菜、メンマもきちんと存在感をアピールしています。
それと忘れてはならないのは、鶏ガラベース(と思われる)スープが付いてくること。私が知っているほかの油そばの店ではスープが付く店が多いです。スープはそのまま飲んでもいいし、油そばに加えると味に変化が出てきます。
「よくかきまぜてくださいね」という店員さんの言いつけ通り、しっかりかきまぜてから食します。汁なし担々麺なんかもそうなんですが、汁なしの麺料理を食べると、いつもパスタを思い起こされるんですよね。
味付けは中華や和の要素なのですが、麺と言うよりは、小麦粉を打って作り上げたパスタを食べているという感じが私はします。
ごま油とガーリックパウダーが効いたたれが、全体を統一感のある味に整え、食欲をそそります。また、魚粉とゆずペーストがうまくからんで、脂っこさを抑えるとともに、味に独特の深みを加えます。いつも油そばを食べるたびに思いますが、水菜とのマッチングもいいですね。
圧巻はなんといってもタピオカ粉を練り込んだ太めの麺ですね。つやつやしていて弾力があり、たれや具材との相性が抜群。ボリュームもあって、食べ応えがあります。個性的な麺だと思いますが、油そばだからこそ、真価が発揮できる。そういう麺です。
テーブルにはラー油と酢が置かれていて、お好みで味に変化を加えることができ、また、スープを入れると、おじやみたいな感覚になります。
私自身、そんなに多くの店で食べ比べたわけではないので、評価しづらい部分はあるのですが、こってり系が好きな人、ガッツリと麺を食べたい人には満足のいくものだと思いますし、油そばに興味がなかった人や初めて食べる人も、受け入れやすい味なのではないかと思います。
上野の街はこぢんまりしていますが、密集度は高く、魅力的な飲食店も多数あります。上野公園を散策したり、パンダを見物に動物園を訪れたり、美術館、博物館巡りをした後に、昼食をと考えるなら、「油そば 椿」は、魅力的な選択肢の一つかもしれませんね。