ご覧になった方も少なくないと思いますが、7月16日放送のテレビ朝日「お願い!ランキング GOLD 3時間SP」で、ファミレスナンバー1対決をやっていました。すかいらーくグループの「ガスト」「ジョナサン」「夢庵」「バーミヤン」がそれぞれの人気メニューを持ち寄り、辛口で食通の審査員に判定してもらうのですが、厳選した材料を使用し、製造工程の特別な工夫や、開発の際の苦労話を紹介するなど、なかなか、興味深いものでした。
その中で、私が最もおいしそうだなと思ったのは、ガストのチーズINハンバーグ(523円)です。普通は、ハンバーグにチーズをのっけるというのが多いと思うのですが、ハンバーグの中にチーズを入れるという、斬新なアイデアであることと、このハンバーグを口にした瞬間、4人の審査員全員から幸せそうな笑みがこぼれ、満点を獲得するシーンが印象的で、「どんなにおいしいハンバーグなんだろう」と好奇心が湧きました。
気になって仕方がないので、早速、昨日、新橋のガストに行ってきました。私の中で、ファミレスというと中途半端な価格の割に、味もボリュームもいまいちという印象があり、ファミレスなんて多分、10年以上行った記憶がありませんでした。久しぶりのファミレスで、ドキドキ体験でした。
新橋という土地柄に加え、ビジネスホテルの2階にあるので、それなりの年齢の人が多いのかと思ったら、そうではなく、結構、店内は若い人が多かったですね。「新橋のどこにこんな若者がいたんだろう」というくらい若者でにぎわっていました。
見ると、みんなドリンク・バーを利用するんですね。午後8時過ぎに入店したので、食事をとる人が多いのかと思いきや、半数以上が、ドリンク・バーやデザートを注文していた感じでした。
ファミレスって、腰の低い店員さんと丁寧な対応が売りだと思っていましたが、店が混んでいたせいか、呼び出しボタンを押しても店員が来ず、3回目を押して、2~3分たってから、ようやく店員の方が注文を取ってくれました。
しかも、チーズINハンバーグがやって来たのは注文から20分後と、正直、待たされて期待感がやや薄れてしまいました。
それでも待ちに待ったチーズINハンバーグ、ナイフを入れると、テレビの映像とは若干違いましたが、中からとろーりとろけるチーズが飛び出し、一口食してみると、肉汁にとけたチーズがからみ合い、なかなかの味わいでした。
事前の予備知識通り、普通のチーズのせハンバーグとは、全然違う、新たなハンバーグのスタイルだと思いました。ガストで売り上げトップというのも分かる気がします。
ただ、大きさがやや小さく、もうひと回り大きければ、満足感がさらに高まったような気がします。それと、ベースとなるハンバーグはそれなりにおいしいのですが、審査員があそこまで持ち上げるほどのものかなぁというのが率直な感想です。
私が今まで食べたハンバーグで一番おいしかったのは、店名などは忘れてしまいましたが、友人に連れて行ってもらった、広島の地元の和牛を使った手作りハンバーグです。和牛のおいしさがひき肉に凝縮され、しかもボリューム満点で、本当においしかった。
このハンバーグに同じようにチーズを入れたら、どんな味になるのだろうと想像すると、ガストのハンバーグはやや力不足な感じでした。
番組ではファミレス対決の最終戦で、ガストと夢庵が対決し、ガストはチーズの入っていない「ビーフ100%プレミアムハンバーグ」で勝負をかけるのですが、結果は惨敗でした。要は、ハンバーグとチーズのバランスがよかったから好評価につながったのであって、ハンバーグそのもので勝負すると、「どうかなぁ」と首をひねってしまうのではないでしょうか。
審査員の方は、値段とかも考慮して、点数を出しているのでしょうか? コスト・パフォーマンスはまずまずだし、おいしくしようと並々ならぬ企業努力をしているとは思いますが、やはり、「そこまで評価が高いものなのかなぁ」という感は否めませんでした。
この番組の新宿ラーメン店のランキングで、麺屋武蔵が一番になったのは、十分納得のいくものでしたが、大手チェーン店を評価するとなると、やはり遠慮があるのでしょうか?
ハンバーグといえば、「ぴっくりドンキー」ですよね。びっくりドンキーも十数年前に一度行ったきりです。ハンバーグは好きな食べ物なので、ちょっとチャレンジしてみたいですし、ファミレス以外でも、町の洋食屋さんでいい店があれば開拓したいと思います。
ちょっと辛口の感想になってしまいましたが、今回のファミレス対決を見て、大企業でも、一生懸命おいしいものを開発し、お客さんの笑顔を見たいという情熱があるんだなという感想を持ちました。こういうところも日本人ですよね。細部までこだわり、妥協を許さないという精神が垣間見られました。
余談ながら、すかいらーくって、何年か前に創業家一族と、投資ファンドと組んだ経営陣が対立して、創業家が追い出されるというお家騒動があり、どこかの週刊誌で創業家の一人が内情を激白し、金儲け路線に走る姿勢を批判した記事を見て、あまりいい印象を持っていませんでしたが、番組を見る限り、真摯な姿勢で、おいしいメニューを作ろうとしているんだなと思いました。
特に、和食ファミレスの夢庵はカレーうどんとか、新食感の鶏の竜田揚げとか、テレビの向こうから、おいしい香りがただよってくるようなメニューを繰り出していて、行ってみたいなと思いました。ジョナサンのビーフシチューオムライスやバーミヤンのギョーザも魅力的ですね。今まで全然関心がなかったファミレスの魅力が発見できればいいなと思います。