2月から3月にかけて上昇局面があり、それなりに相場の動きに乗れたので、「こういうのもありかな」と思ったものですが、日経先物、ドル・円ともに、ピークをつけた後の動きがすっきりせず、上がるのか下がるのかよく分からないままずるずると推移していまいました。
冷静に考えたら、政策介入という、カンフル剤(あるいは麻薬?モルヒネ?)を打って、一時的に元気になったにすぎないので、薬が切れたら、元の木阿弥ということなのですが、リーマン・ショック以降、一貫して下落トレンドを続けていたことや、景気循環というファンダメンタルや、テクニカル的なものもあって、上昇局面がすぐに終わってしまうのか、それとも半年、1年のレンジで続くのか、見極めがつきませんでした。
まだ、相場を支える手が残っているのか、そろそろ手詰まりになりつつあるのか、判断がつきかね、何が飛び出してくるのかさっぱり見当がつかないのですが、基本的には、今後、上昇局面が過度な期待はしない方がいいでしょう。
タイムスケジュール的なことは見通せませんけど、欧米の国家群が連鎖破綻あるいは危機的状況に陥り、次の大きな金融恐慌が起きるということだけは、あらためて覚悟しておいた方がよさそうです。
相場に関わっていると、しかも上昇相場に出くわすと、どうしても、気分が浮き立ってしまい、2月、3月には「こういう相場状況が続くのなら、しばらく今のままでもいいな」とさえ思いましたが、世の中そんなには甘くありませんね。すぐに現実に引き戻されてしまいます。
不自然な状態というのは長く続くべきではなく、やはり、どこかの状態で自然な状態に戻るべきなのです。だから、一日も早く、金融恐慌が来て、現在の世界経済の矛盾を噴出させた方が良い。そして、新しい枠組みで経済を建て直すべきでしょう。
今の日本を取り巻く状況を考えても、早いうちに恐慌が来て、目を覚ました方がいいでしょうね。米国は中途半端に期待を持たせますが、いよいよ切羽詰まって、あれやこれや無理難題を突きつけ、自分たちが延命するために日本から搾り取れるものは搾り取ってしまおうという腹づもりのようです。
日本の政治は、米国にだまされていることに気付かず、唯々諾々と米国の言うがままに従うだけになってしまったので、次の金融恐慌に至るまでの時間が長引けば長引くほど、搾取される規模が大きくなり、日本のダメージは大きくなります。
消費税増税やTPP参加問題が前に進まず、米国はいらだちを強めているようですが、そんなものは、どんどん先延ばしにすればいい。どちらも米国が財務官僚を操って、米国債を買う金を捻出させたり、粗暴な米国企業を日本でのさばらさせるための仕組みづくりをしようというだけの話です。
だらだらとやっているうちに、米国が国家破綻し、消費税増税どころではなくなった、TPPそのものをやる理由がなくなった、ということになればそれでいいのではないでしょうか。
どちらも、国民は望んでいないにもかかわらず、大きな反対運動にはつながりませんし、理路整然と何が間違っているかを指摘する政治家、指揮者もいませんが、多くの人はうすうす「何かがおかしい」と思っているのです。それが現在の政治不信につながっているわけだし、さすがに米国も財務官僚も民意を無視してまで、強行するわけにはいかないでしょう。(とはいえ、米国はかなり切羽詰まっているので、今までにない勢いでごり押しし、財務官僚も政治家も抵抗できないような状況ですが)
どうせならとにかく、早い目に恐慌が訪れ、苦難に見舞われた方が、結果としては、搾取されるものが少なくなる分、日本にとって“得”だといえるし、本当に危機に陥ったときの日本人の団結力や底力が試されるし、意外な実力が発揮されるのではないでしょうか。日本はこれまでいろんな困難を経験しましたが、それなりに克服しているのです。諸外国だったら、どう対処していたか、腐ってしまったであろう事も乗り越えています。
実際に危機になってみないと、なかなか行動できないでしょうけど、今のうちに想像力を働かせて、やれることだけやっておいた方が良いと思います。体を動かしているうちに、あれこれと何をすべきか思い浮かぶことも多いだろうし、たとえ、無駄足に終わっても、ウオーミングアップしておけば、いざというときの初動がスムーズに運ぶことでしょう。
ただ、恐慌に備えていろいろと準備するにしても、苦難が待ち構えているわけですから、気が進まないことも少なからずあるでしょうね。それでも、次の時代のために未来を切り開いておくという気構えでいれば、将来のための先行投資ととらえることはできるのではないでしょうか。苦労は買ってでもしろということです。