7月19日のポイント

  週末のシカゴ日経先物終値は10005円。日経平均は中途半端に強いんですよね。復興需要期待とかあるから欧米株と比べて底堅いし、円が強いので、「日本買い」の動きは強い。でも、欧米が国家破綻すれば、一蓮托生であることはいうまでもありません。
  この一両日中に米国の債務上限をめぐっていろいろと動きがありそうです。昨日日中は、時事通信が、米政府が為替介入資金を財政赤字に使うみたいな記事を配信していましたね。てことは、ドルを買い支える協調介入に、米国は乗らないということでしょうか? やはりドルは暴落の種が尽きないですね。
  サブプライム問題で、諸悪の元凶である住宅2公社はもうすでに破たんしているわけですが、債券は米国政府が債務保証することで確か半年ほど前に決着がついたはずですが、ここへ来て格下げみたいな話が出ていて、もう何が何だか訳が分からなくなっています。
  今週は、波乱の展開が予想されそうですね。先物は、火曜日スタートというのはいいですね。月曜日ははっきり言って無駄です。米国の動きを見てしか動けないわけですから、火曜日から金曜日まででいい。月曜日に取引するよりもむしろ、土曜日にマーケットを開けた方が、まともな動きをするような気がします。
  とりあえずは、月曜日のシカゴ終値を見ないことには始まらないですね。あと、為替がどう動くか。金曜日の米国経済指標はどれも悲惨なものでした。すんなり暴落してくれればいいのですがね。

10890
10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10190
10160
10110
10090
10040 震災後戻り高値・全値戻し
10000~10010
9980
9930
9910
9880
9850
9810
9800
9790 フィボナッチ61.8%戻し
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670 フィボナッチ50%戻し
9660
9650
9630 
9600
9580 フィボナッチ38.2%戻し
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370 
9310 直近安値

来週の予定

【18日(月)】
23:00 米7月NAHB住宅市場指数
米企業決算 IBM、ハリバートン、チャールズシュワブ
※日本市場休場

【19日(火)】
10:30 豪中銀議事録公表(7月分)
18:00 独7月ZEW景況感指数
21:30 米6月住宅着工件数
22:00 カナダ中銀、政策金利
米企業決算 バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ウェルス・ファーゴ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コカ・コーラ、ヤフー、アップル

【20日(水)】
10:30 山口日銀副総裁、金融経済懇談会で講演(長野県松本市)
14:30 山口日銀副総裁、記者会見
17:30 英中銀、金融政策委員会議事録公表(7月6、7日開催分)
23:00 米6月中古住宅販売件数
23:30 EIA週間石油在庫統計
米企業決算 インテル、ユナイテッド・テクノロジーズ、アメリカン・エキスプレス

【21日(木)】
08:50 日6月貿易収支
10:30 豪4-6月期NAB企業景況感指数
16:30 独7月製造業PMI・非製造業PMI(暫定値)
17:00 ユーロ圏7月製造業PMI・非製造業PMI・総合PM([暫定値)
17:30 英6月小売売上高
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 米7月フィラデルフィア連銀景況指数
時間未定 ブラジル中銀、政策金利、南ア中銀、政策金利
米企業決算 モルガン・スタンレー、マイクロソフト、AT&T、USエアウェイズ

【22日(金)】
17:00 独7月Ifo景気動向指数
20:00 加6月消費者物価指数
21:30 加5月小売売上高
米企業決算 ゼネラル・エレクトリック、キャタピラー、ゼロックス、フォード・モーター、ベライゾン

日本の生きる道 その2 強い内需と多様性

  東日本大震災でサプライ・チェーンが寸断し、世界中のメーカーが影響を受け、日本のモノづくりの底力を世界が思い知る結果になりました。
  でも、日本は製造業が強い国で、輸出が大きなウェートを占めているようなイメージを持たれがちなのですが、実は違うんですよね。日本のGDPに占める輸出入の比率は10%強。米国も同じくらい。ドイツはEU全体では日米と変わらないのですが単独では30%弱、韓国は30%強、中国、インドも20~30%です。
  日本は圧倒的に内需が強い国なのです。だからこそ、地場産業として製造業が強くなったのでしょうね。内需が強いということは、その土地に根差した、独立心を持った企業が育ちやすい企業が生まれやすい状況が生まれます。
  余談になりますが、韓流スターを見ていて、私はあわれに思うことがあります。一方で韓国文化の偉大さや、竹島はわが領土みたいに、尊大さを強調しますが、彼らは日本語を学び、日本の消費者に媚を売らねばならないわけです。しかも売っているものは欧米や日本の二番煎じなんですよね。本当の意味で韓国らしさを出せていない。その意味で内需が小さいというのは悲惨なことなのです。
  日本では、内需が強い上に、消費者の目線が厳しく、多様性を尊ぶメンタリティーが強いので、欧米や韓国などでは競争でほとんどの分野で大手2社寡占体制が進んでいるにもかかわらず、多くの企業が並立し、「ガラパゴス」といわれる状況が続いています。
  自動車ではトヨタ自動車を筆頭にホンダ、日産自動車、マツダ、三菱自動車工業、スズキ、ダイハツなどなど、ビッグ・スリーどころの騒ぎではありません。電機も東芝、日立製作所、パナソニック、シャープ、富士通といった面々、鉄鋼は新日本製鉄、住友金属工業(新日鉄と経営統合予定)、JFEスチール、神戸製鋼所などなど、枚挙にいとまがありません。
  一応、トヨタの自動車が国内シェア半分を占めるのですが、私たちはそれでは納得しない。ほかの選択肢がほしいのです。
  単純な自由競争が進めば、少数独占になるのは、競争理論や経験則上明らかです。資本主義の論理ともクロスして、コカ・コーラかペプシ・コーラ、ボーイングかエアバス、マイクロ・ソフトかアップル(あるいはグーグル)、インテルかAMD・・・みたいなことになってしまうのです。
  それを考えると、日本がいかに多様性に満ち、世界から見ると特殊なのかということを実感させられます。経済界の中には、海外企業と競争する上で、業界再編を進め、スケール・メリットを生かして“オール・ジャパン”で戦う態勢を整えるべきだという意見もあります。
  もちろんそれが必要な分野があると思います。でも、すべてにそれを適用することが本当にいいことなのでしょうか。多様性があるからこそ、生き残るために新たな戦略構築に迫られ、ブレーク・スルーするということや、小さいからこそ小回りが利きやすいというメリットも多いのではないでしょうか。
  トヨタやホンダがハイブリッド車を開発し、マーケットを席巻すれば、マツダがアイドリング・ストップや超低燃費エンジンを開発し、違う選択肢を提供するという、まさに好例ではないでしょうか。
  製造業で、究極のところで韓国が日本に追いつけないのは、中小企業の層の厚さです。権威やメンツを重んじる気風のある韓国では、中小企業が育ちにくい土壌がある。層の厚さが、逆に先の震災によるサプライ・チェーン・ショックにつながったとも言えるでしょう。でも、一人一人がそれぞれの使命感を持っているから、大震災のような非常時でも大きな混乱は起きないし、トップ・ダウンよりも、ボトム・アップの強みがある。
  欧米の金融資本主義が破綻に追い込まれたのは、実はこういうところにもあるんですよね。規模のメリットばかり追求し、上から目線でしか考えられなくなってしまったことで、本当に大切なものは何か見えなくなってしまった。マクドナルドのハンバーガーのようにボリューム・ゾーンを攻略して、それなりに収益を上げられても、消費者の多様なニーズにこたえられず、結局少数の勝ち組以外は、悲惨な結果になってしまう。
  だから、人々の生き方が非常に偏屈ですよね。ベンチャー企業と言いながら、ある程度の規模になると、誰かに売っ払ってしまったり、個人主義とかいって自分を犠牲にして誰かのために利他的な行動をすることもあまりない。
  ビジネス・スクールの教科書通りにやればそれなりにうまく、そつなくこなせるのでしょうけれど、それだけでは何かが足りませんよね。そう感じるのは日本人だけでしょうか?個性や一味違った強みを打ち出すのは、それぞれの人々の努力だと思います。
  もちろん、個々人がてんでばらばらの行動、主張をし、統一的な戦略を取りにくいという、私たちにとっては、重大な弱点もあり、政治の世界をみると、それが如実に表れている。でも、その弱点は永遠に克服できないと思います。日本人のメンタリティーに合ったやり方で対処する以外にないでしょうね。(続く)

今週の結果 16戦13勝3敗 +150円

  ドル・円の動きからして、暴落モードに入るのかと思いきや、レンジ相場になってしまった。上下の値幅はあまりないが、ポイントを押さえていれば、トレード・チャンスはそれなりにあるが、昨日のようにラインが9930と9920に分かれてしまうなど、ポイントがばらけているので今後要注意だ。
  最近はかなり余裕をもって取り組めるようになった。火曜日(12日)など、レンジ相場ながら、それなりにわかりやすい動きをしてくれれば、かつてのようにアクティブなトレードも可能だ。
  反面、水曜日(13日)のように下向きかと思いきや、突然息を吹き返すと虚をつかれ、やられてしまう。オーバー・ナイトのロスカットも痛かった。
  ラインは読めているので、よしとしよう。先物復帰直後の病み上がりから、平常に戻りつつある。

7月11日 10070L→10080 +10
       10060S→10050 +10
       10025S→10015 +10
7月12日  9945L→ 9960 +15
        9940L→ 9950 +10
        9925L→ 9930 + 5
        9910L→ 9915 + 5
        9910L→ 9930 +20
        9860S→ 9840 +20
7月13日  9895S→ 9910 -15
        9920L→ 9915 - 5
        9945L→ 9945 +10
7月14日  9950L→ 9925 -25
        9905L→ 9945 +40
7月15日  9940L→ 9970 +30
        9955L→ 9965 +10

9955L→9965 +10

  日中はレンジ相場になってしまい、取りつく島もないので、ラーメンを食べに行っていました。とりあえず、夕方ちょこっと参加。
  引き続き1ドル=79.25を超えるかどうかがポイントだと思います。何か材料が出れば上に行けると思いますが、よほどの材料でないと難しいと思います。

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