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行動を

  これから激動の時代を迎えるにあたって、生き残るために、ピンチをチャンスに変えるためには行動力が必要になります。これまで経験したことがない大混乱が起きることが予想されるので基本的にはディフェンスモードなのですが、行動を起こすべき時は速やかに行動し、ぐずぐずするなということです。
  先日も触れましたが、私たちのアドバンテージは、世間の人が気づいていないことに気づいているということです。おそらく、多くの人が信じていたもの(米国その他)に裏切られ、右往左往することになると予想されます。だから他人よりは落ち着いて行動できるだろうし、チャンスが訪れた場合、それを生かせる確率も高まるのではないでしょうか。
  一番、悔しいのは、アドバンテージを持ちながらそれを生かせないことです。陰謀論者がバカなのは、「世界が終末に向かう」と信仰し、それがおそらく実現する形になるんでしょうけども、そこで悦に入るだけで、この先自分たちがどう生きていくのかということについては考えないことですね。おそらく、普段から何の努力もしない人たちだから、結局は世間の人たちと一緒になってパニックになるだけのことでしょう。
  だいたい、陰謀論者を信奉している人たちは、引きこもり傾向にあり、何の努力もしないので、著しく世渡りが下手で、世間一般の人と競争になったら、あっさり負けてしまうだろうし、乞食になるぐらいしか道はないでしょう。
  実際に事が起きてみないとわからないことが多く、不確実要素もあり、何をすれば確実に道が開けるという、答えはありません。それぞれが、自分で解答を探し出すしかないのです。
  それぞれの得意分野とかあるでしょうから、私なんかがぐだぐだ言うよりも、それぞれの才能、力量でものすごい能力を発揮される方もいるでしょう。
  一つやっておいた方がいいと思うのは、身辺整理ですね。つまり大掃除です。年末年始にも風水とからめて書きましたし、半年くらい前にも金融恐慌が迫っていると感じた時があり、触れましたが、とにかく過去の遺物を捨て、身軽にしておくことです。
  過去からだらだらと持ち続けている大きな荷物を背負ったままだと、物理的にも精神的にも身軽に動けません。人生をリセットする意気込みでやらないと、集中力がそがれ、チャンスを見逃してしまうことにもなりかねません。
  過去の遺物を捨てるということは、今までの自分を見つめ直すことにほかなりません。決別すべきものとはきっぱりと決別し、使えるものは残して、さらにそれを生かせるように準備するべきでしょうね。
  私は昨年末に部屋じゅうを整理し、本とか服とかを中心に、トータルで段ボール箱20個分くらい捨てました。中には捨てづらいものもありますが、社会人になった当初に買ったスーツとかコートなんて着ないのにいつまでも持ち続けていてもしょうがないでしょう。アナログ放送にしか対応していないVTR付きのDVDレコーダーなんて、昨年の地デジ移行以来、これまでも、この先もフル活用することはありえません。映画のビデオテープも捨てました。
  「本当に持つべきか」「いつまで持ち続けるのか」「活用される見通しはあるのか」と問いかけることで、明確に答えが出せないものは、ばっさり捨てました。案外、本当に必要なものって限られていて、捨ててしまうとすっきりするので、プラスの効果の方が大きいですね。
  大掃除は年末だけで終わらせずに、年が明けた今も、リストラ作業は続けています。最近は捨てるものもなくなってきたので、無料ツール目当てで開設した証券口座、FX口座、CX口座の選別を進め、資金を一元化することに取り組んでいます。塩漬けになっている資金がいかに多いことか。
  身軽になると次に何をしようか、インスピレーションが湧きますね。部屋の掃除をすれば運気が上がるというのは当たっていると思います。
  今は、情報収集をしつつ、何をどうすべきか構想している段階です。トレード、本業の仕事がどうなるかということを考えつつ、何かビジネスを始めてみようかとか、何をすれば世の中のニーズに応えられるかとか、考えています。
  考えているだけでは、自分だけの世界で悦に入っている陰謀論者と同じなので、徐々にどうすれば形になるのか、具体的に行動に移していきたいと思っています。
  陰謀論者の教祖様みたいな人たちだって、生き延びるために「自給自足」みたいなことを実践しているではないですか。あれと同じですよね。生きていくには行動を起こし、具体的な形にしていかなければなりません。
  世の中、簡単にうまくいくことはめったにないでしょうけど、試行錯誤すれば、何か道は開けるはずです。また、節約して行動を起こすための原資にしようという発想も出てくるはずです。
  とにかく、小さなことでいいから、何かを始めてみることが大事ですよね。部屋を掃除するだけでも考え方は変わると思います。

どうなるのか

  まだ2012年は始まったばかりですが、これから激動が起きるのは間違いなく、具体的に対策を立てておく必要があります。以前から指摘しているとおり、可能性としては①このまま金融恐慌に突入する②イランと戦争を起こし、一時的に景気を浮揚させる、の大きく二つが考えられると思います。何がどう動くかは、直前にならないと分からない部分が大きいですが、ある程度は心構えはできるし、利益は出ないにしてもせめてダメージだけは極力減らしたいものです。
  日経平均8500円割れ、1ドル=80円割れ、1ユーロ=100円割れ、ということで、すでに金融恐慌が始まっていると言ってもいい状況だと思いますが、ギリシャの国家破綻など、「負けを認めない」ので、なかなか本格的な恐慌にはなりません。
  本来なら、リーマン・ショック直後のように3000円下げて、1000円上げるみたいな派手なラリーがあってもおかしくはないのですが、問題を先送りすることで、時間稼ぎをしているようです。当初は2009年のドバイ・ショック以降、ユーロに攻撃を仕掛けることで、米国債、ドルの価格を維持をもくろんでいたようですが、どうやら、欧州の金融危機が米国の金融機関のバランスシートにも飛び火しかねない、ということで、ここへ来て、ユーロ救済の方法を模索するような動きがあります。
  今さら悪あがきであることは明白です。事ここに及んで欧州問題が米国自身が抱える金融問題にも影響する恐れがあるということに気付いたというのは、非常に滑稽で、連中がいかにバカで、行き当たりばったりの対策に終始しているかということがうかがえます。
  ①のケースだと基本的には、この半年間の動きのように、しばらくだらだらと後退することになるんでしょうね。日経先物にしても、ドル・円にしても月足のチャートを見る限りは、トレンドラインに沿って下落しているので、「トレンドラインからかい離して下げた時は押し目買い、トレンドラインに接近したら吹き値売り」というスタンスが有効なのでしょうね。
  もちろん、一昨年5月のギリシャ・ショックの時のようにずどんと落ちることもあるでしょうけど、あの時も下げてまた戻すという展開でしたが、似たような動きになる可能性が高そうです。とにかく、もう遅いのですが、最後の生存本能を振り絞って無駄な抵抗を続けるのでしょう。
  ただ、ズドンと落ちた後、パニック売りの連鎖が続けば、完全に相場は崩壊してしまうので、そこは気を付けなければなりません。その場合、一時的に国際協調でドルの買い支え(日本による為替介入)、株式市場の価格維持が行われば、市場は持ち直す可能性もありますが、取引が制限されるほど、壊滅状態になる可能性も考慮しておくべきでしょうね。
  トレーダーとして、個人的に最近、面白いかなと思うのは、②のパターンですかね。欧米がしばらくのさばることになるのですが、ちょっとしたチャンスになるかもしれません。
  どういう形でイランが攻められるのかは、分かりませんが、例えば9・11テロのようなことが起きて、ズドンと下に落ちた後に、宣戦布告してしばらく低迷した後に徐々に上昇基調に転じるというパターンが想定されます。あとはイラン攻撃がいつまで続くかですよね。
  米国としても長期戦になると、戦費の問題になるので、劣化ウラン弾やバンカーバスターなど戦術核兵器を使って、短期決戦に終わることでしょう。半年ぐらいは戦争景気で盛り上がるでしょうかね。
  ただその場合、落ちた後にどこまで戻すのかということも考えておく必要があります。NYダウだけ上昇して、日経平均にはほとんど恩恵がないという昨今と似たような状況になる可能性もあります。ドルも大して上昇しないかもしれません。
  また、落ちた後の上昇が単なる、リバウンド程度に終わってしまう可能性もありますし、中国やロシアなんかの動向も注視しなければいけません。
  まあ、昨年来ずっとそうでしたが、現実はそんな甘いもんではありません。ただ、いざ「ビビッ」とインスピレーションが湧く瞬間はあると思います。ロングにせよショートにせよ、その瞬間を逃さないために、心構えと準備をしておくことは意義があるのではないでしょうか。

1月17日のポイント

  一応、格下げは素直に織り込んでくれましたね。本来なら暴落希望ですが、米国のアホどもを救済するために、逃げ場をつくるのでしょうか?
  今の値を維持するのは苦しいと思いますがね。

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値

戦争経済

  イランをめぐる情勢とか、朝鮮半島の動向とか、日本のメディアの報道を見ていると、緊迫感がまったく感じられませんが(ワイドショーのゴシップ感覚の北朝鮮報道は多いですが)、かなりヤバい状況であるということはきちんと認識しておいた方がいいでしょう。
  そして、何が起きるか、あるいは起きそうであるか、ということは欧米の歴史から読み解いていく必要があります。欧米というのは、戦争経済で成り立ってきた歴史があるということをあらためて肝に銘じておきましょう。
  欧州は文化がどうのこうの言って偉そうにいばりくさっていますが、つい最近まで、いや現在に至ってもなお、野蛮人の集まりであることに変わりありません。
  昨年何が起きたかをよく考えましょう。「アラブの春」という、市民の民主化要求デモに乗じて、それをあおって、資源を奪取したのはどこの国でしょうか? リビアのカダフィ政権を倒す動きに乗じて、米、英、仏が結託して反カダフィ派に軍事支援を送り、ちゃっかり油田をのっとったのは誰でしょうか? 産油国のスーダンを南北に分割したのは、石油利権が目的ではないと言えるのでしょうか?
  欧州は第2次世界大戦の惨禍を経験し、もう戦争はしないと決意して、共同体を結成、さらに経済統合を進めて現在に至るわけですが、要は欧州人同士では争わないということだけであって、欧州以外の世界では、米国ほど露骨ではないにしても、混乱に乗じて利権をむさぼってきたのです。
  福島原発をめぐる悪意に満ちた欧州メディアの報道なんかを見るにつけても、私は欧州に本当に失望しました。そして、彼らほど危険な人たちもいないということです。
  戦争のない世界が実現することは、人類の理想ですが、なかなかそうはいきません。欧州では第2次世界大戦以前は、10年あるいは20年おきぐらいに戦争があり、それが技術革新や経済活性化につながっていました。第2次大戦後は米国がその役割を担っていますね。
  残念ながら、戦乱がない状態で、安定的で持続的な経済状況を維持するすべや知恵を人類は持ち合わせていません。普通に農作物や食品をつくり、衣料品をつくり、日用品をつくり、家電製品をつくり、自動車をつくるだけでは、多くの人を食べさせていくだけの需要はつくり出せません。
  だから、定期的に戦争を発生させ、兵員を食べさせ、衣服を与え、兵器、燃料を無駄遣いさせ、街を破壊することで、新たな需要を生み出すことで、経済を維持するわけです。
  当然、この状況を冷静に見つめ、ビジネスチャンスをつかもうとする人たちもいますね。欧米の金融機関や軍事産業がまさにそれです。連中を“死の商人”と言わずして、何と呼びますかね。国家に寄生し、戦争を煽って、ぼろ儲けをもくろむ、人間のクズです。
  一応、「平和国家」である日本も、まったく無縁とはいえませんね。朝鮮戦争、ベトナム戦争で日本経済はどれほど潤ったか。ただ、戦争経済への依存度は欧米ほどではなく、国民を食べさせるための手段としては主に公共事業(土木工事)に頼っています。
  だから、公共事業=悪とは単純にはいえないんですよね。海外で街を破壊し、人殺しをするよりどれだけましか。しかも、日本は貿易黒字国であり、所得再分配をする上でも、必要悪といえるでしょう。もちろん、無駄な公共事業については見直すべきですが、安易なばらまき批判には警戒すべきでしょう。公共事業をカットして浮いたお金は米国に貢がされるだけのことです。
  中国脅威論がいわれますが、中国は今までの歴史で、戦争経済を志向したことはありません。むしろ、日本型の公共事業主導の経済構造です。中国に対するバブル懸念や批判も、一部は当たっている部分があることは認めますが、あまり真に受けとめるべきではないでしょうね。
  何より、中国は欧米の歴史をよく分析しています。特に国家的屈辱を受けた「アヘン戦争」は忘れないでしょうね。貿易赤字を解消するためにアヘンを売りつけるという、欧米が行った蛮行でも1、2を争うものでしょう。中国が麻薬犯罪に厳しいのはこういう背景があるからです。時々、日本人やフィリピン人なんかが死刑を言い渡されるケースがありますが、中国側のメッセージとして受け止めるべきでしょう。
  一国が他国を長期間侵略するほどの軍事力を持つのは、もはや難しい時代だし、イランを攻めたところで、一時しのぎにすぎず、いずれ財政、金融上の問題に直面するでしょう。欧米の世界支配が終わったところで、持続可能な経済システムをつくるのは難しいと思いますが、自分が生き延びるために他国を犠牲にするこれまでのやり方は改める必要があります。

  今年も親しくしている人から年賀状を交換しましたが、東日本大震災があり、まだ自粛ムードが強いのか、みなさんからいただいた年賀状は地味で簡素な内容が多かったですね。こちらから出した年賀状も、東急ハンズで買ったのですが、ごあいさつ程度で、デザイン、内容ともに例年と比べるとそっけないものとなりました。
  ただ、せっかく年賀状をもらっておいてなんなのですが、「震災で人との絆の大切さを実感しました」とか、「なでしこジャパンから勇気をもらいました」とかいう内容のものは、どんなに親しい人からであっても、背筋に悪寒が走るような感じでなんか嫌な感じがしました。
  逆に宮城や岩手からの年賀状で、「励ましてもらって本当に力づけられました」とか「温かい目で見守ってください」という内容のものは、字面だけをみると、野暮ったいのですが、大きな災害を経験し、身内にも被害が出たという背景もあるので、何か伝わってくるものを感じました。
  やはり、他人ごとか、そうでないかでは、大きな違いがありますよね。本当に苦しい状況にある人や、困難に直面した人の話は実感として伝わってきます。
  逆に震災も原発事故も関係のない、安全地帯にいて、テレビとか活字でしか、震災のことを知らない人から「絆」とか「日本人の団結、底力」とか言われても、歯が浮いているようで、全く心に響きません。むしろ偽善的な感じがします。関西や九州から来た年賀状はそんな感じでした。
  3年前の正月の年賀状から、私は、金融恐慌、経済パニックについて注意喚起してきました。特に昨年は金融危機が目前に迫っているという感じがあったので、「金融恐慌が起きると、何があるかわからないので、災害対策も兼ねて現金や食料、医薬品、日用品の備蓄をすることをお勧めします」と書いたのですが、3カ月後に震災が起き、結構、「あなたの予言が当たりましたね」とか「信じておけばよかった」とか感謝されました。
  正月早々、嫌なニュースなど知りたくないし、「米国が国家破綻する」といっても、普通の人はにわかに信じないでしょうけど、他人に嫌われようと、気が狂っていると思われようとも、現実を直視しなければいけないと思うので、差し支えのない限り、多くの人に警鐘を鳴らすようにしています。
  今年の年賀状でも、「このまま金融恐慌に突入するか、戦争を起こして景気浮揚を図るのか、いずれにしても大変なじだいです」と書いておきました。さすがに今年は好意的な反応も少なくなかったですね。その一方で、ものすごく親しい人から来た年賀状は、本当にそっけなく、「かなり嫌われているんだろうな」と思われる内容のものもちらほらありました。まあ、世の中そんなものでしょう。
  とにかく、今年2012年はどういう形で事が起きるか分かりませんが、激動の年になりそうです。イランに戦争を仕掛けて一時的に景気は浮揚するのかもしれませんが、早晩、金融恐慌は不可避でしょう。そうなると、震災の時は東北地方と関東の一部で被害はとどまりましたが、北海道から沖縄まで、もちろん世界規模で、一人一人に災難が降りかかることになります。
  そんな時になお、「絆」がどうのこうの、きれいごとを言っていられる余裕はあるのか? 安全地帯にいるのと、災厄にいるのとでは、立場が全然異なります。苦しい中にいてこそ、本当の人間性が試されるわけで、そういう時にこそ、前向きでありたいと思いますね。
  来年の正月の年賀状は果たしてどんな言葉が書かれているでしょうかね。