株:NYダウ続落
23日の米株式市場は、リビアの情勢が一段と悪化したことを受けて、前日に引き続きリスク回避の動きが強まったことに加えて、原油価格の上昇により企業収益や個人消費の回復に水を差すとの懸念から、宅配大手UPSなどの運輸関係銘柄を中心に売りが膨らみ、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比107.01ドル安の12,105.78ドルで引けた。
本日の東京市場では、中東や北アフリカの政情不安が続き、リスク回避の流れが強まっていることから、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は10,545円となっており、市場の予想レンジとしては10,400円−10,600円となっている。
為替:ドルが下落
23日の外国為替市場では、リビアやバーレーンなどの中東・北アフリカの政情不安が続く中で、安全資産といわれる円とスイスフランが引き続き買われる展開となった。また、今月に入って、ECB理事会の複数のメンバーが、インフレ懸念に言及していることから、ECBの利上げ期待が高まり、ユーロも堅調に推移した。その結果、ドルは幅広い通貨に対して下落する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は82円台半ば、ユーロドルは1.37ドル台半ばとなっている。
本日についても、リビアなどの中東・北アフリカ情勢の行方に引き続き注目が集まっており、その動向には注意する必要がある。経済指標の発表では、米1月耐久財受注(予想:前月比+2.7%)、米1月新築住宅販売件数(予想:31.0万戸)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては82.00−83.20円となっている。
商品:NY金続伸
23日のNY原油先物取引は、産油国であるリビアの情勢が一段と緊迫し、スペインやイタリアの石油会社が操業を停止したことを受けて、買いが殺到し、約2年5ヶ月ぶりに1バレル100ドルの大台に達した。その後は、やや弱含んだものの、中心限月の4月限の終値は、前日比2.68ドル高の1バレル98.10ドルで引けた。
NY金先物取引でも、中東・アフリカ情勢の地政学的リスクが高まる中で、安全資産としての金を買う動きが広がり、7日続伸して引けた。中心限月の4月限の終値は、前営業日比12.90ドル高の1オンス1,414.00ドルで引けた。