2012年3月期決算企業の4~12月期決算発表はほぼ一巡しましたが、日本の主力とされる輸出企業のトップの口から出てくる言葉は、「円高我慢できない」「日本で生産できない」。そしてさらには、「グローバルで競争するためにTPP・・・」。もうとにかく辟易とさせられます。
円高なんて今に始まった話ではないし、グローバルに活躍する企業のトップや幹部ならば、欧米が財政破綻、金融危機をきっかけに崩壊することくらいは察知すべきだし、情報収集が甘すぎます。漫然と事態の推移を見過ごし、何ら手を打たなかったならば、刑法でいえば「背任」という犯罪に当たるくらいの行為だし、民法上ならば「善管注意義務違反」として、株主代表訴訟や損害賠償請求の対象になるでしょう。
日本の企業経営者なんてそんなレベルなのです。欧米が大不況に陥ることを予見できず、新興国の経済成長の波には乗れず、無能な連中の集まりと言っていいでしょう。そんな連中が、政府に対してあれこれ注文をつけたり、就活中の若者に対しては「最近の若者は・・・」とか偉そうな口をたたくわけです。
世界情勢、経済情勢を的確に把握し、一足先に行動をとるのが本来、経営者のあるべき姿だし、これこそ、まさに世界基準でしょう。ですが、残念ながら、日本企業のトップや幹部はそういう、いわば“当たり前”の資質を持ち合わせないまま、役人と同じで年功序列で出世していくのです。
私たちは日本企業を信じて、世界で躍進することを疑わず、多少の横暴は許してきたわけです。しかし、もうそろそろ我慢の限界ではないでしょうか。
いくら国内経済が低迷しているからといって、エコポイントやら補助金をつけないと売れないというのはもはや終わっていますよね。資本主義でもなんでもない。マイルドな社会主義じゃないですか。
しかも、電機業界なんて、エコポイントが切れた瞬間、元の価格では売れなくなってしまい、エコポイントの分だけ、製品を値下げせざるを得なくなりました。それならば、最初からエコポイントなんて導入しなければよかったのではないか、とさえ思います。あれだってかなりの財政負担になるのですから。本当に馬鹿ですよね。
エコカー補助金にしたって、自動車は日本の主力産業なんですよ。まあ、国内生産をつなぎとめるためにやむを得ないとはいえ、こんなこといつまでも続けられませんよ。自然な経済原理に反する行為を行えば、いずれはしっぺ返しを食らいます。
円高なんて、簡単に予想できたことでしょう。出張して「世界経済入門」「為替分析」の講座でもしてやりたいぐらいですね。まずは米国と日本の関係をしっかり認識すべきでしょうね。その上でどのように貢がされているか、搾取されているか、企業トップの方が一般の私たちよりも情報が入る立場にあるはずなんですけどね。基本的には要領はいいし与えられた仕事はこなせるんでしょうけど、応用が利かないというか、単にバカなんでしょうね。勘も鈍いし。
確かに1ドル=100円はおろか、90円よりも下にもぐってしまい、急速に円高が進んだのは、この1、2年ですが、ずっと円安傾向は続いていたし、米国の財政、経済状況から考えると、いずれはこうなるだろうと予測できなければ企業を経営する資格はないと言っていいでしょう。
以前から、日本のメーカーは東南アジアなんかを中心に、生産の海外シフトを増やしていたわけだし、要は、為替リスクをヘッジするために、通貨が安くなりそうな国に工場を建てればいいわけです。もちろん質の良い労働力や政治の安定、インフラの整備されているという条件が必要なのですが、この時代に、各国は企業誘致に力を入れているわけで、探せばそれなりにあるでしょう。
1ドル=70円程度で何をうろたえているんでしょうかね。それなりに対策を打てば、やっていけると思うのですが、いまさら泣き言をいっている連中は、何をやってものろまで、後手後手に回るのでしょう。日本国内では威張っていられましたが、海外に出たら通用しないようなレベルなのです。円高うんぬんよりも、無能さをもっと反省したほうがいい。
企業トップなんて、黒塗りの車に乗り、仕立ての良いスーツを着て、立派なように見えますが、賢い人はまずいないし、ただ単に運が良かったとか、人柄が良いというだけでその立場にいるわけです。だれか、一人でも反省する人はいないんですかね。
もう一度、はっきり言っておきます。円高で泣き言をいうような奴は企業を経営する資格はないし、さっさと役職を退き、有能な人にポストを譲るべきです。