害虫

  相場は欧州崩れから、再び暴落の危機に瀕していますが、念のため上昇相場についても考えておきたいと思います。春になると、生命の活動が活発化するように、金融市場が(見せ掛けだけ)好転し、ちょっとでも相場のマインドが緩むと、プロから個人投資家、年金生活の傍ら株をころがしているような人まで、いろんな人がうごめきだします。
  2月14日以降、ここまでのあや戻しは、一瞬だけ回復局面がみられ、リーマン・ショック後の相場低迷のトラウマが吹き飛んだかのように錯覚されました。もしあのまま、強気筋が台頭し、さらに提灯をつける人たちが出てくれば、どんよりしていた相場の様相が一変するかとも思われましたが、結局、元の定位置に戻ってしまいました。
  かなり長い間、相場が底ばいだったので、疑心暗鬼の状態が続いていますが、上昇相場というのは暴落とはまた一味違って、祭りと同じで、有象無象を引き付ける魅力があるので、政策介入でインチキであったとしても、上昇する際のパワーは決して、侮れないと思います。
  一般に上昇相場は、日々の値幅はそれほどではないのですが、時間をかけて上昇するので、なかなか、相場が反転するまでに時間がかかります。しかも先物は限月があるので、長期的には大恐慌の可能性を考慮しますが、ショートで踏まれた場合のリスク管理、資金管理は厳重にしておいた方がいいと思います。
  私自身、どちらかというとロングの方が得意なので、上昇相場の方が乗りやすく、2月中旬以降、8000円台で出遅れたとはいえ、そこそこ利益は上がったので、うれしかったのですが、上昇が続くと、増長する人たち(1ドル=200円説を唱えるような人たち)が出てくるので、それを考えると憂鬱な部分もあります。
  一番うざいのは、“自信を取り戻した”欧米人ですね。政策介入のタマが切れない限り、しばらくは偽りの景気回復局面が続くでしょうから、ちょっとでも相場が上昇すると、サブプライム問題やらソブリン問題やら重しになっていた物が一切合財、取れたような錯覚を起こして、いろいろと世界にちょっかいをかける機運が高まるでしょう。さらに増長して日本に対してもいろいろと、インチキを仕掛ける機会も増えることが予想されます。
  金融ばくちや不動産ころがしなど、やくざ体質が染みついた人たちが、またぞろ横行するのは、本当にうっとおしいものです。害虫駆除の方法を考えておくべきでしょう。
  円高傾向が緩む場合は、相対的に欧米だけでなく、アジア通貨なんかも高くなるでしょうから、勘違いした韓国人なんかが、日本のあちこちで跋扈することでしょう。韓国人は長年他国に支配され性格が歪んでいるし、米国に事大し、言いなりになっていろいろと仕掛けてくるので最悪です。日本のメーカーが競争力を取り戻すことは、いい側面だとは思いますが、円安が全面的にいいことだとは思えませんね。
  国内でもまたいろんな投資ブームが湧きおこることでしょう。しょうもないデイトレーダーや、スワップ金利がどうのこうの言う主婦とか、頭の悪い奴らが好き勝手なことを言い、派手なパフォーマンスをし、自覚もなく無責任に相場を荒らしていく。
  まあ、こちらはそれらも織り込んだうえで、マーケットに臨むわけですが、春から夏にかけて、益虫、害虫を問わず、いろんな虫がわいてでるように、いろんな人たちが跳梁跋扈することでしょう。
  もうしそうなれば、それもまた現実ですね。ショートにやたらとこだわった人たちがほぼ殲滅されてしまったように、いずれ秋、冬が訪れるでしょうから、そこで益虫は活動を停止し、害虫の皆さんもかなり駆除されることでしょう。自然のバイオリズムみたいなものもあるでしょうね。
  私たち自身、益虫なのか害虫なのか分かりませんが、それらの枠を一歩踏み越えて、夏にも冬にも対応できる準備をしておく必要があります。
  上昇相場を続けるのであれば、害虫の皆さんにお付き合いし、ロング主体で臨むだけの話だし、突然、暴落するなら手のひらを反して、売り向かうのみです。周りの騒音を気にせず、自分たちは自分たちなりに生き残る方策を徹底的に追求するべきでしょうね。