2012年7月10日のマーケット予想

株:NYダウ続落
9日の米株式市場は、スペインの10年債利回りが危険水準とされる7%を再び超えるなど、欧州圏の債務問題に対する懸念が強まったことや、4-6月期米企業決算を控えて、警戒感が強まり、終始軟調に推移した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比36.18ドル安の12,736.29ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場は小幅下落したものの、シカゴ先物市場の日経平均先物が8,920円と、前日の日経平均株価の水準を上回っており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。株式市場の予想レンジは、8,850円−9,000円となっている。

為替:ユーロの買い戻し
9日の外国為替市場では、ECBドラギ総裁が、今後の措置については経済統計に基づいて決定すると述べ、追加金融緩和の可能性に含みを残したことを好感し、ユーロが上昇した。ただ、この日から始まったユーロ圏財務相会合の動向を見極めたいとの動きもあり、上値は限定的となった。NY終値ベースで、ドル円は79円台半ば、ユーロドルは1.23ドル台前半となっている。
本日は、取引材料に乏しい一日となっており、動きづらいとの声がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.20−79.80円となっている。

商品:NY原油反発
9日のNY原油先物取引は、ノルウェーで、賃金と年金をめぐる石油労働者と経営側の交渉が妥結に至らず、ノルウェーの石油や天然ガスの生産が全面停止となる可能性が高まったことなどを背景に買いが優勢となり、反発して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比1.54ドル高の1バレル85.99ドルで引けた。
NY金先物取引では、米中西部の乾燥天候が続き、大豆やトウモロコシが急騰する中で、インフレヘッジとしての金に買いが入ったことや、為替市場でユーロが買い戻されたことが支援材料となり、反発して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比10.20ドル高の1オンス1,589.10ドルで引けた。