テレビってすごいの?

  フジテレビの最近の韓流への傾倒ぶりが目に余るということで、週刊誌で批判的な記事が出たり、近々デモが予定されているようです。
  確かに、フジに限らず、どの局も多かれ少なかれ、韓流ソフトに頼っている部分もあり、「ちょっとうざったいな」と感じることもあります。竹島問題をめぐって、日韓がやや緊迫している時期でもあり、だからこそ、敏感になっている部分もあるのでしょう。
  韓国が国を挙げてソフト戦略を打ち出しているのに対し、日本はアジアをはじめ世界を魅了してやまないソフトが膨大にあるのに、それをうまく生かせていないことに対する、やっかみ、いら立ちみたいなものもあるかもしれません。
  ただ、日本が経済面でも、米国に対して弱い立場にあるのと同様、他国のマーケットに依存すると、逆にリスクを抱えることにもなります。韓国が対日ビジネスにずっぽりはまって、抜けられなくなったときに、例えば、「竹島を韓国領とする韓国人アーチストの活動を禁止する」みたいな政策を打ち出したらどうなるか? はしごを外されることになるでしょう。
  以前に別の記事で触れましたが、内需が弱く、外需頼みの経済というのは、あらゆる面でハンディキャップを負うのです。日本は自動車産業が米国市場に依存しているので、昨年、米国でクローズアップされた、プリウスの不具合問題では、ほとんどヤクザの因縁に近い、理不尽な要求に屈してしまったのです。
  だから、韓流については、こちらの方が立場が強いわけであって、むしろ「いざとなれば、肉を切らせて骨を断つよ」くらいの姿勢をちらつかせる程度でいいのではないでしょうか? 向こうはビビると思いますよ。
  まあ、それより何より、たかだかテレビのことじゃないですか。見たくなければテレビを消せばいいんですよ。そこまでして、テレビをつけっぱなしにしておかなければならない理由ってありますか? テレビ局はそれが一番怖いはずです。
  それにある試算によると、節電で一番効果があるのが、「テレビを消すこと」なのだそうです。テレビを消して、ほかに有意義な時間の使い方を見つければ、そちらの方がめっけもんなわけで。
  逆に言うと、これだけテレビのことで大騒ぎになるのは、私たちの生活が、テレビに相当食いこまれているということでもあるわけですよね。テレビに振り回される生活、人生なんて、さびしいし、情けないではないですか。
  テレビは一つの手段であって、目的ではないわけで、テレビのためにわざわざ、この暑い中、デモをやるなんて、それこそテレビが何よりも大切だと思っている証左でテレビ局の思うつぼではないでしょうか。
  テレビに限らず、何事も適当な距離感を持つことが大切ですよね。テレビというのは、情報を得たり、気軽にエンタテインメントを楽しんだりする、一つのツールであって、すべてではないわけです。
  北朝鮮みたいにメディアの選択の幅がなかったり、一種の洗脳の手段であったりするならば、それは問題ですけれど、テレビのスイッチを切っても、ほかにもたくさんの選択肢があります。テレビ局自体が、それを痛感しているはずです。
  最近は手っ取り早く結果を求める風潮にあるので、ニュース番組でも、バラエティーでも、ドラマでも雑なつくりの番組が多いのは事実で、テレビを見ていてつまらないなと思うことは多いです。韓流ブームも手軽かつ安全に視聴率をそこそこ稼げるからやっているのでしょう。
  でも、結局飽きられたり、つまらないとそっぽを向かれたりしたら、それで終わりなわけで、テレビ局が自分で自分の首を絞めているようなものです。
  たかだかテレビごときでたいそうに騒ぐのはどうかと思います。と言いつつ、長々と文章をかいてしまった。テレビに毒されてますね。完全に。