2011年6月8日のマーケット予想

株:NYダウ続落
7日の米株式市場は、最近の下落を受けた割安感から買い戻しが入り、堅調に推移していた。しかし、引け間際に、バーナンキFRB議長が講演で、景気が減速していることを認める一方、FRBが追加の金融緩和策の検討を示唆しなかったことから、米景気の先行きに対する不透明感が強まり、相場は急速に値を落とし、マイナス圏に沈んだ。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比19.15ドル安の12,070.81ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が引き続き下落しており、株式市場にとってマイナス材料となる一方、日本株に割安感が出ていることから、下支えされるとの声もある。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,415円となっており、市場の予想レンジとしては9,350円−9,500円となっている。
 
為替:ドルが下落
7日の外国為替市場では、バーナンキFRB議長が講演で、米国の経済成長が予想を下回っているとの認識を示したことや、米財政問題をめぐり、大幅な歳出削減を実施すれば、景気回復が妨げられ逆効果になる恐れがあると警告したことなどを背景に、米国の先行きに不透明感が強まり、ドルが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台前半、ユーロドルは1.46ドル台後半となっている。
本日は、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が予定されており、市場の注目が集まっている。経済指標の発表では、ユーロ圏第1四半期GDP改定値(予想:前期比+0.8%)、独4月鉱工業生産(予想:前月比+0.0%)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.70−80.50円となっている。
 
商品:NY金反落
7日のNY原油先物取引は、OPECが8日に開かれる総会で最大で日量150万バレルの増産を検討しているとの見方を受けて、一時97ドル台後半まで下落した。しかし、OPECの増産に対してイランやベネズエラが増産に反対する姿勢をみせており、先行きに対して不透明感が広がっていることや、為替市場のドル安・ユーロ高の進行などを背景に、大きく値を回復する展開となり、プラス圏を回復して引けた。中心限月の7月限の終値は、前営業日比0.08ドル高の1バレル99.09ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、このところの上昇を受けた利食い売りの動きが活発化したことなどから、終始軟調に推移した。中心限月の8月限の終値は、前営業日比3.20ドル安の1オンス1,544.00ドルで引けた。