株:NYダウ急反落
4日の米株式市場は、ECBトリシェ総裁が記者会見で景気の下振れリスクが高まっていると発言したことなどを背景に、欧州株式市場が全面安の展開となる中で、米株式市場も急落して始まった。その後も、米国が再び景気後退入りする恐れがあるとの懸念や、欧州債務危機がスペインやイタリアに波及するとの懸念などから、一段と値を下げ、昨年12月以来の低水準で引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比512.76ドル安の11,383.68ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が急落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,280円となっており、市場の予想レンジとしては9,150円−9,350円となっている。
為替:日本政府・日銀による円売り介入
4日の外国為替市場では、東京時間に政府・日銀が円売り介入を行ったことを受けて、ドル円が一時80円を付けるなど、円が大幅に下落した。しかし、欧米時間に入ると、ECB理事会で政策金利は据え置いたものの、資金供給オペを追加で実施する方針を示したことや、トリシェ総裁が景気の下振れリスクが高まっていると発言したことなどを受けて、景気先行きに対する不安が強まり、円は下げ幅を縮小する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は79円台近辺、ユーロドルは1.41ドル近辺となっている。
本日は、注目の米雇用統計(予想:失業率9.2%、非農業部門雇用者数+8.5万人)が発表される。本日のドル円の市場の予想レンジとしては78.50−79.80円となっている。
商品:NY原油急落
4日のNY原油先物取引は、欧米を中心に景気先行きに対する懸念が広がり、投資家のリスク回避の動きが広がったことや、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが嫌気され、90ドルの大台を割り込んで引けた。中心限月の9月限の終値は、前営業日比5.30ドル安の1バレル86.63ドルで引けた。
NY金先物取引では、欧米経済の景気先行きに対する不安などから、前日に引き続き安全資産としての金買いが継続し、一時1684.90ドルの高値を付けた。しかし、その後は、欧米株式市場や原油相場が急落する中で、その下落を補填するための手仕舞い売りが膨らみ、結局反落して引けた。中心限月の12月限の終値は、前営業日比7.30ドル安の1オンス1,659.00ドルで引けた。