辛い物好きなので、以前から気になっていた話題の「蒙古タンメン中本」に行ってみました。今回は「池袋編」と銘打っていますが、蒙古タンメン中本は上板橋が本店で、新宿、目黒、吉祥寺、亀戸、御徒町、渋谷、高円寺と都内各所に支店があります。
この中で池袋店を取り上げたのは、特別な意味があるわけではなく、たまたま池袋に用事があったためです。池袋で取り上げるべきなのは、やはり「大勝軒」でしょうけど、それはまた後日。池袋は有数のターミナルなので、ラーメン店も多いのですが、有名店はあまりありません。「食べログ」などで検索すると、豚骨系の店が多いようで、学生が多いという土地柄を反映しているのでしょう。
昨日は3連休の中日ということで、とても混んでいました。昼食時を外し、午後2時過ぎに店を訪れたのですが、すでに店の前には14、15人ほどの列ができており、店内にも順番待ちの客が10人ほどいました。
辛さとボリュームが売りの店なので、圧倒的に男性客が多いのですが、家族連れが2組、カップルもちらほらいました。
少子化のご時世ですから、ラーメン店にもっと子供を連れた人が気軽に入れるようになればいいと思います。かつて、青梅街道沿いにあった荻窪・丸福(白色看板)は、子供を連れた客が入ろうとすると、表情をゆがめて入店をお断りしていましたが、ラーメンなんてそんな敷居の高い食べ物でもないし、大人や通ぶった客だけを相手に、事務的に客さばきをして、何が楽しいんだろう? と疑問を持たざるを得ませんでした。
ただ、客の方も店側の事情を斟酌するべき部分はあるでしょうね。1組は、一家4人だったのですが、15席しかない店内で、しかも混雑時に4人を近くに座らせろとか、離れた席同士で小皿を持ってうろうろするのはどうかと思いました。そもそも、この店は子供向けのラーメンではないので、いくら人気店とはいえ、子連れで入るのが適切か考えるべきでしょう。
私が列の最後尾にいたときに、30人ほどの列があり、店内は15席なので、ちょうど2回転ですかね。30分ほど待って着席できました。
食券方式で、店内で並んでいるときに、店員さんに券を渡すので、席に着いてすぐに、注文の品が出てきました。定番の「蒙古タンメン」(770円)とライス(160円)を頼みました。
在京のテレビ局は少なくとも1回は、蒙古タンメン中本を取り上げていて、私も何度か見ているので、予想した通りの見た目でした。味噌タンメンに赤みがかった麻婆豆腐がトッピングされているスタイルです。匂いもごま油の香りがほんのりとただよい、「中華」という雰囲気が感じられ、食欲が湧きます。
待望のラーメンスープを一口。やはり「辛い」ですね。唐辛子の辛みがストレートに主張する辛さでした。スープや具材と絡み合った辛さを出してくる担々麺とはタイプが違いますね。これも予想通りの味でした。
辛いものにはご飯が合います。麻婆豆腐のトッピングとスープをライスにかけて食すと、辛さとお米の甘みが絶妙のマッチング。以前にも書きましたが、私は、トムヤムクンでもキムチチゲでも担々麺でも必ずライスを注文します。やみつきになる味です。
神田の唐辛子の辛さと山椒を組み合わせた辛くてしびれる「鬼金棒」(きかんぼう)の味噌ラーメンもそうですが、味噌と唐辛子の組み合わせはいいですね。昨日は残暑厳しい夏日でしたが、暑い日こそ辛い物を食べたくなりますし、冬の寒い日に激辛を食べるのもいいものです。
やや残念だったのは、蒙古タンメン中本の場合、辛さがやや平板で、食べているうちにやや飽きてしまうことですかね。見ていると周りの人もそんな感じで、大体、麺を半分くらい食べると、箸が止まってしまい、後半は食べるペースがかなり落ちてしまいます。
麻婆豆腐と味噌タンメンの間に、“つなぎ”が欲しい気がします。甘めの素材とか、味噌スープが薄めなのでもう少しコクを打ち出してもいいと思います。そうすれば、辛いけど箸が止まらないという味になるのではないでしょうか。
テレビでも同じような感想が出ていたと思います。テレビ朝日の「お願い!ランキング」では新宿編の3位でしたね。ちなみに1位は麺屋武蔵、2位は味噌屋八郎商店で、私はこの順位は妥当だと思います。
店内の説明によると、蒙古タンメンは辛さのレベルが5で、激辛好きの人にはレベル9の「北極ラーメン」(800円)があります。さすがにちょっときついかも。
蒙古タンメン中本は、激辛ラーメンの一ジャンルを確立しましたね。新興勢力ですが、都内各地にあっという間に支店を広げたのも分かります。時々、ガツンとくる辛いラーメンを食べたくなると思います。若い世代を中心に支持層は厚いと思います。
担担麺は担々麺独特の深みのある辛さがあるし、この蒙古タンメンもそれとは違う唐辛子がストレートに刺激する特有の辛さがあります。こういうのはとても面白いですね。
蒙古タンメン中本池袋店は、池袋西口公園の近くにあります。池袋は西口に「東武」があり、東口に「西武」があるという面白い街です。東口はロフトやビックカメラの本店、最近はヤマダ電機も進出し、さらにはサンシャインシティや東急ハンズもあり、私は東口の方が詳しいのですが、丸井や芸術劇場がある西口も結構、人の往来が多いですね。
蒙古タンメン中本池袋店の隣には「キッチンABC」という洋食店があり、私が訪れた時間に、そこにもちょっとした行列ができていました。私は知らなかったですが、人気店なのですね。池袋西口は、飲食店が多く、探索すればいい店を見つけられそうですね。
友人がかつて東池袋のサンシャイン60の真裏の木造アパートに住んでいて、10年ほど前までは、都電荒川線の東池袋四丁目の電停からサンシャインにかけての一帯はこじんまりした洋食店や居酒屋、銭湯なんかがあって、いい雰囲気を出していて、頻繁に遊びに行ったのですが、再開発が進み、古き良き街並みは一掃されてしまいました。
西口は、かつての東池袋とは、また違ったユニークな空気を持った街で、時間を見つけて街歩きしてみたいと思います。