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ここ重要

  8660が節目です。あまりここでは書きたくないのですが、一応、昨日、上昇する際に落とし穴をつくっています。
  考え方としては8560を固めてさらに8660を抜けてくるのか、それとも、落とし穴に誘引されるか、というところです。
  状況としては、2月と似ているともいえますが、外部環境は、全然異なるので慎重さを要します。午後に動かしてくるかどうかですね。SQにらみです。

6月7日のポイント

  まずはテクニカルの確認8560-8660-8760-8880が節目であり、抵抗帯です。これはこの1年間変わっていません。
  普通に解釈するなら、緊急首脳会合などで欧州情勢に対して対処する方針を打ち出したというリスク回避よりは、日経先物の場合は、自律反発の要素が強いと思われます。
  それにしても、腑に落ちませんけどね。先週末の雇用統計やら、様々な米国の経済指標、そして、延焼を食い止められない欧州の金融、財政状況など。「買う」理由がないです。それどころか、手におえなくなりつつあるというのが率直な印象です。
  それでも、午前10時台に500枚とか、1000枚とかの降ってくる売り玉をこなして上昇したのだから、インチキでも、相場を守るということなのでしょうね。
  これも相場です。現実は現実として直視しないといけませんが、不可解極まりない状況が展開しています。

逆さにして考える

  たまにチャートを逆さにして見ると、インスピレーションをもらえることがあります。株価や株価指数は、大口の参加者がロング主体のため、「ショートで踏まれるリスクが大きい」と以前、触れたように、下げたところで無理やり買いが入るため、いびつな形状になり、あてにならない面もありますが、為替なんかは、ドル買いの反対は、ドル売りであると同時に円買いということであり、「ロング」という視点で見ると、それなりに材料は提供してくれます。
  ドル・円チャートを見ると、1ドル=360円の時代から一貫して、下落基調をたどっています。このトレンドを打破できるかどうかが、まさに「ドル復権」の鍵になるかと思われますが、すでにご案内の通り、米国が国力を回復することなど現状ではまず考えられないですね。
  イランを攻撃したり、北朝鮮を使って何か突拍子もないことを考えたり、あるいは中東でやらせの核テロでもやって世界を恐怖に陥れるとか、感染症、食中毒といった、いつもながらの手で、世界を混乱させ、一時的にふかすことは可能でしょうけど、せめて1ドル=150円くらいまで上げないと、下落トレンドに内包されてしまいますよね。
  そんなことはテクニカルでは説明はついたとしても、まずファンダメンタル的に不可能でしょう。もしあるとすれば、日本に対して、「地震兵器」で攻撃し尽くすぐらいしか考えられませんが(笑)、さすがにそうなると、米国債を売るでしょうから、帳簿上、帳簿外を含めた、米国債が売り浴びせられ、結局、ドルも道連れになるという・・・。
  ちょっと頭の悪い奴が「有事のドル買いだー」とか興奮して、北朝鮮のミサイル発射で、ドルを買ったみたいですが(笑)、それでいくら儲けたのでしょうかね。東日本大震災直後に円が急伸しましたが、そういうものなのです。ドルはすでに破綻国通貨であり、経済実態以上に過大評価されているので、何か有事が起きたからといって、簡単に買われるような通貨ではないのです。
  むしろ、世界情勢が混迷すればするほど、米国の指導力の低下が明らかになり、しかも米国財政への打撃が明確になってくるでしょうから、ドルを売りたい誘惑に駆られます。
  そういう意味ではドル・円チャートは、割と素直に実態を反映していると思います。面倒くさいのは、下がると為替介入やら、日銀の金融緩和が入るので、下落トレンド内で、戻して、トレンドが緩やかになってしまうことです。これこそまさにテクニカル的な動きですね。ファンダメンタルでは実力のない通貨が、テクニカルで上昇できる範囲まで戻してしまうという、困った状態です。
  いずれにせよ、ドル・円に関しては、チャートを逆さにしてみれば、下落トレンドに沿ってゆるやかにドルが下落しているということは分かります。
  ただ、本当は2010年秋までは、エリオット波動を形成しながら、ドルが下落していたのが、為替介入によって断ち切られ、緩やかな下落トレンドの範囲内でしか下げられなくなりました。その辺もチャートを逆さにすると見えてきますね。
  いずれまた、ファンダメンタルと実際の為替レートは懸け離れているので、修正すべく、暴落する局面があるでしょう。そうなったら、緩やかなトレンドに回帰できるのか? それとも下がりっぱなしになるのか? あるいはドル時代が消滅し、チャート自体が無用になってしまうのか? そこはこれからのお楽しみですね。
  まだ詳しく分析していませんが、ダウだって訳のわからない上昇を演じているものの、ドルの価値を反映したチャートにすれば、もっと明確に下落トレンドが見えてくるでしょうし、逆さにすれば、米国の経済崩壊が浮き彫りになってくることでしょう。たとえ個別企業では生き残れる企業があったとしてもです。
  世間一般の人たちは、さすがに「米国が国家破綻に向かっている」とまでは考えないでしょうが、「米国が衰退(没落)しつつある」ということまでは理解できるでしょう。これをドル・円チャートのように逆さにして考えると、「新興国がますますプレゼンスを増す」ということにつながるでしょう。
  さすがに表だってかつての英国や米国のような粗暴な手段で、世界帝国にのし上がるようなことはないでしょうから、新興国が急速に膨張するということはないでしょうが、それでも、しばらくの間は右肩上がりが続くでしょうから、一時的に上下することはあっても、中長期の視点で、これらの国や企業に投資することは、有効だと考えられます。
  金融市場以外でも、何事も、逆さにして考えると、新たな視座が開け、考えるヒントを与えてくれるかもしれないですね。常識と考えられていることにひそんでいる真実とか、死角とかが見えてくると思います。

行き着いた先

  5月の連休中に“格安”ツアーバスが関越道で事故を起こし、多数の死傷者が出たニュースは、繰り返し報じられ、日本中に衝撃を与えるとともに、事故の原因とされる運転手の過重な勤務実態を改善すべく、国会でも取り上げられ、夜行バスで1人のバス運転手が勤務できる距離を短くするなどの基準の改定が検討されるなど、行政を動かしました。
  多くの人が、あのニュースを見て、「やっぱりな」という感想を持ったのではないでしょうか。価格競争が行き着くところまで行ってしまうと、結局は人命にかかわる部分にまで影響してしまうということです。
  今回は運転手が過労状態だった(とされる)ことが、事故の引き金となったようですが、コストカットのために車両の整備がおろそかになっていて、場合のよっては重大な事故を招きかねないケースなんかも指摘されていますよね。
  報道によると、価格競争、過当競争を生み、事故を招く遠因となったのは、2000年の規制緩和で、①バスを5台以上保有②運転手の休憩所を設ける-などの条件を満たせば、貸し切りバス事業に参入できるようになったことから、多くの業者が参入。価格競争が起きた結果、実際に安定して利益が出ている業者はほとんどないような状況だったたそうです。
  価格競争が過ぎると、究極的には“安かろう悪かろう”になっていまうのです。安いものにはそれなりの理由があるのです。安易に低価格のモノやサービスに飛びつくのはいいですが、この事故のように取り返しのつかない事態になってしまう危険性をあらためて認識しておくべきでしょうね。
  一番の責任はバスの運行会社や、委託したツアー会社にあるとは思いますが、利用者だってもっと慎重になるべきだったでしょうね。金沢-東京ディズニーランド間が3500円ですよ。事故を起こしたのはツアーバスですが、定期運航のバスなんかだと4800~6000円が相場だそうで、連休中はさらに料金が上がるそうで、なぜそんな低価格で提供できるのか、疑ってかかるのが普通の感覚だと思います。
  安いには理由があるはずで、座席が狭いとかならまだいいでしょうけど、1台のバスを酷使するような形でいろいろと使いまわしているだとか、この事故のように、法や基準で定められていなくても、2人体制で運行してもおかしくないような距離を運転手1人で回していたみたいなことになると、やはり危ないと思わざるを得ません。価格はうそをつかないし、ごまかしが利かないのです。
  格安航空会社のスカイマークでも気味の悪いニュースが出ました。機内に備え付けられている案内書きに「サービスコンセプト」として、「従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません」とか「客室乗務員のメイクやネイルアート等に関しては『自由』にしております」とか「客室乗務員の私語等について苦情を頂くことがありますが、客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており接客は補助的なものと位置付けております」とか、これも常識を疑ってしまいます。
  格安バスにしろ、LCCにしろ、客はもはや貨物なんですよね。そして、それはそれでいい、価格が安ければ仕方ないんだという人もいるんですよね。ニーズもあるんですよ。
  しかし、働いている人も、利用する人もそれで幸せなんでしょうかね。それでも生きていく上には仕方がないし、だからこそ成り立っているんでしょうけど、この状況に甘んじていたり、このサービスを当然のようにありがたがっているのであれば(受け入れているのであれば)、一生、負のスパイラルから抜け出せないことでしょう。
  これも現実だから、粛々と受け入れなければならないし、簡単に覆るわけでもないんですけど、「価格破壊」が起きる前の日本は余裕がありました。今から考えると、不当と思われるくらい高い値段をモノやサービスに支払っていたわけですが、もちろん楽して暴利をむさぼるという面がなかったわけではないし、今でも電力会社や携帯電話事業者なんかは、もっと価格を下げる努力をした方がいいと思わざるをえない面はありますが、ある程度お金を支払うことで、お互いに支え合っていた部分はあるんですよね。それがセーフティー・ネットだったわけです。
  正社員は恵まれていたし、パートやバイトにもそれなりの報酬が支払われていたので、フリーターのような自由な生き方を選択できました。専業主婦だって、ライフスタイルを選べ、時間的にゆとりがあるという点では、ある意味自由といえるかもしれません。
  今は、恵まれた地位や立場にいる一部の人と、どんなに頑張ってもフリーター、契約社員に甘んじなければならない、あるいは下手をすれば面接でバイトにすら雇ってもらえない人がいるような状況です。グローバル化の進展で、直接、間接に中国とか途上国の労働者と競争しなければならないわけですから、今後も厳しい状況が続くでしょうね。
  政治家は労働者の権利云々、耳障りのいい言葉を並べ立てる一方で、競争力向上みたいなことも言い出すわけですが、果たして、両立できるのか? いろいろと、やり方はあるし、まだまだ、開発されていない部分もありますが、適切な解を見つけるのは難しいでしょうね。
  ただ、人道的見地とか、わざわざきれい事を並べ立てなくても、瞬間的ではありますが、私たちの社会は「1億総中流」を実現したことがあるのです。少しでも多くの人が恩恵を受けられるようにすれば、何かが変わるはずです。
  格安航空会社、格安バスに乗って、貨物扱いされるのが当たり前になってしまうのがいいのでしょうか、得体のしれない産地の肉や米が使われる格安のファストフードしか選択肢しかなく、ビジネスライクなスマイルを受けるだけの状態がいいのでしょうか?
  行き届いたものでなくても、手の込んだものではなくても、ちょっとした心遣いとか、格安食堂であってもたまには、一品おかずがサービスされるとか、人間的な触れ合いがあれば、それだけで少しは救われるでしょうし、ささやかな喜びを感じることがあるかもしれません。
  格安ツアーバスもスカイマークも、人間的なものを排して、無駄なものを究極までそぎ落とした結果、こういうところまで行き着いてしまいました。悲しいですが、今後、あらゆる分野でこういう動きが進み、味気ないモノやサービスしか受けられない人と、多少でも余裕があって人間的なものが感じられるモノやサービスを受けられる人と、格差は広がることでしょうね。
  多くの人が日々、生きるのに必死で、それどころはないとは思いますが、果たしてこのままでいいのでしょうかね。余裕のない人に代わって、どうしたらいいのか、一生懸命考えるのが政治家の仕事ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

注意を

  10時すぎからおかしな売買がみられます。システム障害の疑いがありますが、もし本当の売買なら、突発的にギリシャユーロ離脱とか、スペインの預金封鎖みたいなことがある可能性があります。要注意を。