2011年2月23日のマーケット予想

株:NYダウ反落
22日の米株式市場は、リビアで反政府デモ隊と軍・治安部隊などとの衝突が拡大、バーレーンでも大規模な反政府デモが発生するなど、中東・エジプトでの地政学的リスクの高まりから、リスク回避の動きが広がり、NYダウが一時200ドル超の下落となるなど、終日軟調に推移した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比178.46ドル安の12,212.79ドルで引けた。
本日の東京市場では、中東や北アフリカの政情不安を受けて、リスク回避の流れが強まっており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は10,530円となっており、市場の予想レンジとしては10,400円−10,600円となっている。
 
為替:円とスイスフランが上昇
22日の外国為替市場では、リビアやバーレーンなどの中東・北アフリカの政情不安を受けて、リスク回避の動きが広がり、安全資産といわれる円とスイスフランが上昇した。また、クライストチャーチで発生した大地震による経済的被害を背景に、ニュージーランドの利下げ観測が広がったことから、NZドルと強い連動性がある豪ドルが急落する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は82円台後半、ユーロドルは1.36ドル台半ばとなっている。
市場では、リビアなどの中東・北アフリカ情勢の行方に引き続き注目が集まっており、その動向には注意する必要がある。経済指標の発表では、ユーロ圏12月製造業受注(予想:前月比-0.8%)、米1月中古住宅販売件数(予想:522万件)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては82.00−83.20円となっている。

商品:NY金続伸
22日のNY原油先物取引は、産油国であるリビアの情勢が悪化したことを受けて、供給ひっ迫懸念が広がったことなどを受けて、大幅続伸した。中心限月の3月限の終値は、前日比7.37ドル高の1バレル93.57ドルで引けた。
NY金先物取引では、リビア、バーレーンの情勢が悪化したことに加えて、イラン軍艦が地中海入りしたことでイラン・イスラエルの関係が悪化するのではないかとの懸念から、アフリカ・中東地域の地政学的リスクが高まり、約1ヶ月半ぶりに1,400ドル台を回復して引けた。中心限月の4月限の終値は、前営業日比12.50ドル高の1オンス1,401.10ドルで引けた。