2011年4月4日のマーケット予想

株:NYダウ反発
1日の米株式市場は、同日発表された米3月雇用統計が、失業率が8.8%、非農業部門雇用者数+21.6万人と市場予想を上回る良好な内容となり、米国の雇用市場の回復が鮮明となったことから、買いが優勢となり、NYダウは一時12,400ドル台まで上昇した。ただ、その後は、利食い売りの動きが優勢となり、上値を削る展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業56.99ドル高の12,376.72ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が上昇したことに加えて、為替市場でも円安が進行しており、輸出関連株などにとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,805円となっており、市場の予想レンジとしては9,600円−9,900円となっている。
 
為替:ユーロが上昇
1日の外国為替市場では、米雇用統計が良好な内容だったことから、ドル買いが進行した。ただ、その後は、ダドリーNY連銀総裁が「雇用統計の結果は金融政策を変更する理由にならない」と述べ、早期の金利引き上げに慎重な見方を示したことに加えて、欧州圏では、来週の欧州中央銀行理事会で利上げに踏み切るとみられていることなどから、ユーロがドルなどに対して上昇する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は84円近辺、ユーロドルは1.42ドル台前半となっている。
本日は、主要な経済指標の発表は予定されていないものの、日本時間22時30分よりエバンスシカゴ連銀総裁が、バーナンキFRB議長が日本時間5日早朝に講演を行う予定となっており、当局者の発言に注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては83.50−84.50円となっている。

商品:NY原油続伸
1日のNY原油先物取引は、米雇用統計の改善を受けて米国の景気回復見通しが強まったこと、為替市場でドルがユーロに対して下落したことなどを背景に大幅続伸し、中心限月の5月限の終値は、前日比1.22ドル高の1バレル107.94ドルで引けた。
NY金先物取引では、米雇用統計の改善を受けて、安全資産としての金に対する投資意欲が後退し、一時1413.50ドルを付けた。ただ、為替市場でドル安・ユーロ高が進行したこと、中東・アフリカ情勢不安が長期化するとの懸念も根強く、下値では買いが入り、下げ幅は限定的となった。中心限月の6月限の終値は、前営業日比11.00ドル安の1オンス1,428.90ドルで引けた。