日本は中国をライバル視し過ぎ(「頭脳大国」中国の真実)

 清華大学の鄭泉水教授は同大学が昨年夏に設立した戦略研究機関であるナノテク研究センターの責任者であり、機械工学部の学部長である。現在は世界が注目する物理学者として炭素素材分野などで精力的に論文などを発表している。  鄭教授は、「夢の素材」である「カーボンナノチューブ」の量産技術を確立した信州大学の遠藤守信教授とも深い親交がある。日本と中国で世界をリードする先端分野の研究者がいかに協力すべきかなどについて聞いた。 (聞き手は佐藤紀泰=日本経済新聞産業部次長) —— 信州大学の遠藤教授と共同で執筆された論文が最近、注目されています。 物理学者として世界的に注目されている清華大学の鄭泉水教授(写真:町川秀人、以下同)  鄭 非常に軽くて強度の強い素材である「カーボンナノチューブ」は製造技術や様々な製品への応用できます。