2011年6月3日のマーケット予想

株:NYダウ続落
2日の米株式市場は、週間新規失業保険申請件数が42.2万件、4月製造業新規受注が-1.2%といずれも市場予想より悪い内容だったことや、ゴールドマン・サックスが金融危機との関連で、同社の業務について情報提供を求める召喚状を検察当局から受け取ったと報じられたことが嫌気され、金融株などを中心に下落する展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比41.59ドル安の12,248.55ドルで引けた。
本日の東京市場では、米国時間に注目の雇用統計の発表が控えていることや、シカゴ先物市場の日経平均先物は9,560円と前日日経平均株価とほぼ同水準なことから、方向感に乏しいとの声がある。市場の予想レンジとしては9,500円−9,650円となっている。

為替:ユーロが買われる
2日の外国為替市場では、ギリシャ政府が2011年の財政赤字削減に向けて、追加財政措置を講じることでEUとIMFと合意した明らかにしたことを受けて、欧州圏の債務問題をめぐる懸念が後退したことに加えて、格付け会社ムーディーズが、米国の短期のデフォルトの可能性がわずかながらも高まっているとし、米国の格付けを引き下げ方向で見直す可能性があると報告したことから、ドルが下落し、ユーロが上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.44ドル台後半となっている。
本日は、米5月雇用統計(予想:失業率8.9%、非農業部門雇用者数+15.0万人)、5月ISM非製造業景気指数(予想:54.0)などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.50−81.50円となっている。

商品:NY原油反発
2日のNY原油先物取引は、EIAの週間在庫統計で、原油在庫が前週比290万バレル増加したことや、OPECが生産目標の引き上げを検討しているとの報道が嫌気され、一時98ドル台半ばまで下落した。ただ、その後は、為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことを背景に、原油相場も急速に値を戻し、反発して引けた。中心限月の7月限の終値は、前営業日比0.11ドル高の1バレル100.40ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、前日までの上昇を受けた利益確定の売りや原油相場の下落に連れて、急落して始まった。その後は、為替市場のドル安を背景に買い戻されたものの、プラス圏を回復するには至らず、中心限月の8月限の終値は、前営業日比10.50ドル安の1オンス1,532.70ドルで引けた。