2011年7月7日のマーケット予想

株:NYダウ反発
6日の米株式市場は、6月ISM非政情業景況指数が53.3と市場予想を下回ったことや、中国人民銀行が預金金利と貸出基準金利を0.25%引き上げると発表したことを受けて、今後の世界経済の減速懸念が強まり、朝方は軟調に推移した。しかし、午後に入り、トラック輸送大手コン・ウェイが景気回復を受けて、従業員手当てを再開する方針を明らかにしたことや、週間チェーンストア売上高が前週比+1.5%と堅調だったことから、輸送株や小売株などを中心に買いが膨らみ、反発して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比56.15ドル高の12,626.02ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場は上昇したものの、シカゴ先物市場の日経平均先物が10,050円と前日の日経平均株価を下回っていることや、前日までの上昇を受けた反動から利食い売りが出やすいのではないかとの声がある。市場の予想レンジとしては10,000円−10,150円となっている。

為替:ユーロが下落
6日の外国為替市場では、中国人民銀行が今年3回目の利上げに踏み切り、世界経済に対する懸念が強まったことや、根強い欧州圏の債務問題を背景に、ユーロが下落し、ドルやスイスフランが上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.43ドル台前半となっている。
本日は、豪6月雇用統計(予想:就業者数+1.5万人)、英5月鉱工業生産(予想:前月比+1.1%)、6月ADP全米雇用報告(予想:+6.8万人)などの経済指標の発表に加えて、ECB理事会、英中銀金融政策決定会合が開催され、市場の注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.50−81.50円となっている。

商品:NY原油反落
6日のNY原油先物取引は、中国が今年3回目となる利上げを行ったことを受けて、中国の景気先行きに対する懸念が強まったことや、為替市場のドル高・ユーロ安などが嫌気され、反落して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比0.24ドル安の1バレル96.65ドルで引けた。
NY金先物取引では、前日格付け会社がポルトガル国債を投資不適格級に格下げするなど、欧州の財政不安が高まっていることや、米国でも政府の債務上限引き上げを巡る議論がまとまらず、不安視されていることなどを背景に、安全資産としての金買いが膨らみ、続伸した。中心限月の8月限の終値は、前営業日比16.50ドル高の1オンス1,529.20ドルで引けた。