表1 G20参加国と監視の対象国(塗りつぶし)
G7
G7以外の国
国際機関
日本
中国
IMF
米国
インド
世界銀行
英国
ブラジル
など
ドイツ
ロシア
フランス
南アフリカ
イタリア
韓国
カナダ
オーストラリア
メキシコ
インドネシア
サウジアラビア
トルコ
アルゼンチン
EU
※太線内はBRICS
(出所)G20プレスリリースに基づき筆者作成
4月14〜15日に米国ワシントンでG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催された。
激震と津波に加えて、人災とも言える原発危機の発生は、出口が見えない未曾有の複合危機の様相を呈している。原発危機は、経済、社会の前提となる生命、安全を脅かす。さらに、原発危機がもたらす様々な不確実性の拡大が、経済の損失と落ち込みを助長する。その影響の規模を現段階で試算しても意味はない。
今、求められるのは、以下の二つだ。第1に、影響の最小化をどう図り、経済復興をどう進めるべきか。第2に、原発危機が明らかにしたエネルギー政策や組織ガバナンスの欠陥など経済・社会システム上の改革をどう進め、社会の再生と新たな持続的成長パスへの移行をどう図っていくか。ここでは、復興の政策課題に絞って考えてみたい
被害額の多寡よりも「不確実性」の波及が問題
まず被害の状況について見る。
政府が矢継ぎ早の金融支援に動く一方、被災地の地域金融機関の存在感が霞んでいる。被災企業に対する過去の不良債権が重く、追加融資には慎重にならざるを得ない。公的資金投入で、被災地の金融界全体が一時的に政府管理下となる可能性さえある。
「何とか復興資金にメドが立ちました」。東北地方のあるトヨタ自動車系ディーラー幹部は胸をなで下ろす。
このディーラーでは、東日本大震災で複数の販売店が被災。店舗復旧や販売車両の仕入れに多額の資金が必要だったが、いち早く手を差し伸べたのは取引先の地方銀行ではなく、トヨタ本体だった。震災を受け、ディーラーに資金を無利子ないし低利で融資する仕組みを緊急整備したのだ。
米国で財政運営を巡る議論がいつになく騒がしくなっている。
4月5日には、下院予算委員会のポール・ライアン委員長が、共和党としての財政再建案を発表。10年間で4兆ドル(約330兆円)を超える赤字削減をぶち上げた。
4月8日には、難航していた2011年度の予算審議が深夜にようやく決着。予算不成立による政府機関の一時閉鎖はぎりぎりで回避された。
さらに4月13日には、オバマ大統領がジョージ・ワシントン大学で演説し、向こう12年間で4兆ドル(約330兆円)の赤字削減を目指す計画を明らかにした。
「政府閉鎖」の直前までもつれた予算審議
「あと1時間で政府閉鎖」という瀬戸際までもつれた2011年度予算審議に象徴されるように、財政運営は2大政党の党派対立が厳しくなりやすい論点だ。
2011年3月11日、記録破りのマグニチュード9.0の大地震が東北地方を襲い、その後の大津波を伴って、死者と行方不明者を合わせ約3万人という第二次大戦後で最大の災害が起きた。亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げ、その悲しみと苦しみに心を馳せるものである。
この地震の影響は実に広範囲の地域で感じられた。首都圏ではほとんどすべての交通機関が止まり、自宅に戻れない帰宅難民が出た。ターミナル駅では2万人を超える人々が足止めにあったようだ。大規模な停電や石油精製所の火災も起き、電力が我々の生活のあらゆる局面でいかに重要な働きをしているかという事を実感した。