カテゴリー別アーカイブ: 日経225ニュース

日経225先物に特化したニュース・情報です。

10月12日のポイント

  目先はスロバキア議会がどうなるか? 何とかなるんでしょうね。おそらく。値動きからして、しばらくは大きな動きはなさそうな感じではあります。ただ、一瞬にして大暴落という危険性はつねに意識する必要があります。
  ユーロ問題は解決に向けて何も進んでいないし、この先もそうでしょう。いつ破裂するかです。年末に何かあるか? あるいは来年にならないと何も動かないかもしれない。神のみぞ知るですが、欧州も米国も事態は何一つ改善していません。目先上がることはあっても、基本はショート目線でいいのではないでしょうか。
  8760はこの1、2カ月、意識されてきたポイントでしたね。あと8660もそう。

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値

ベストミックス

  東日本大震災後の東京電力福島第1原発事故を機に電力会社に対する厳しい目が向けられています。原子力発電所が大地震や津波に遭えば、深刻な事態を招くのではないかと、かねて指摘されてきましたが、実際にそれがおきたわけで、電力会社が適切な対策を怠り、最悪の状況に陥ってもなお、安易な原子力依存から脱却できないでいるので、批判は当然でしょう。
  また、東電は加害企業であるにもかかわらず、今なお、組織防衛を優先させようとする意向が垣間見え、計画停電に対する恐怖をあおって原発存続をもくろもうとしたり、損害賠償に対して誠意ある対応をとろうとせず、そういう姿勢に対しても、今後も厳しい追及が行われるべきだし、きちんとけじめをつけるためにも一度、破綻処理して、ゼロベースからやり直すべきだと思います。
  「やらせ問題」にかかわった、東電以外の電力会社や、監督官庁の経済産業省や、安全を監視すべき立場である、原子力・安全保安院の責任も重大ですね。
  ただ、評価すべき点もあります。どのメディアも取り上げないですけれど、各地の原発が相次いで運転停止になる中、深刻な停電や、電力供給の停止を回避できているのは、「ベストミックス」と呼ばれる、電力供給政策によるところが大きいのです。これは、原子力発電と火力発電(天然ガス、石炭、石油)、水力発電をバランスよく組み合わせることで、一つの発電方法に過度に依存せず、万一、一次エネルギー供給に支障が出た際のリスクを回避する策です。


  上のグラフは、電気事業連合会の資料です。発電電力量ベースで2009年時点で、原子力と天然ガスが約3割、石炭25%、水力9%、石油6%、地熱や風力など自然エネルギーが1%という構成になっています。
  福島事故後、中部電力浜岡原発が菅直人前首相の政治決断で停止され、さらに他電力の原発もストレステストをやるということで、相次いで13カ月ごとの定期点検に合わせて止められました。電力供給的には、かなりの痛手を被ったわけですが、何とかこの夏の猛暑を乗り切りました。それは、原子力の発電比率が「約3割しか」なかったからです。原子力が減った分は、火力発電で補うとともに、製鉄会社や化学会社なんかが保有する自家発電設備など「埋蔵電力」を発掘することで、何とか対応できました。
  原発の発電比率が7割ともいわれる、フランスあたりで、こういう事態が起きたらパニック状態ですね。おそらく、暴動なんかも起きて、治安が保てないのではないでしょうか。
  ベストミックスというのは優れた政策だったのです。これは戦後の高度成長期に産業にどうやって電力を安定供給するかが長年の懸案だったことや、2度のオイル・ショックでエネルギー不足の恐怖に陥れられた、「資源小国」日本ならではのサバイバルのための知恵と考えることができます。
  ただ、電事連のグラフをもう一度見ていただきたいのですが、2019年の予測で原子力発電の発電比率は40%強になるとされています。これはもちろん福島事故前にまとめられたものですが、「原子力は安全で安定的なエネルギー源だ」という神話や、「温室効果ガス問題に役立つ」といった誤った考え方に基づいて、原発推進政策がとられようとしていたためです。
  従来のベストミックスの考え方を逸脱し、原子力への依存を高めようとしていた矢先に、重大な事故が起きてしまったわけですが、事故は悲惨な結果をもたらしましたが、ある意味これは、私たちに対する警告だったわけで、おかしな方向に進む前に原発増設を防げたという意味では、不幸中の幸いと言えるかもしれません。
  ベストミックスは私たちの先人が築き上げた優れた知恵だったのです。もっともっと評価されてもいいと思います。電力会社自体が原発にこだわり、それを捨てようとするのはまったく理解できませんね。
  これもあまり知られていませんが、日本の天然ガス発電の効率は世界一です。そして、有害な煙を出すと思われがちな石炭火力でも、石炭を細かく粉砕し燃やすことで、非常にクリーンで効率良く発電する技術を確立しています。
  石炭火力発電が公害問題の大きな原因の一つになっている中国に輸出すれば、かなり大気汚染が軽減され、黄砂に乗って日本に飛来する汚染物質を少なくなるし、ビジネスにもなるはずです。これについては、新幹線同様、技術を盗ませてもいいのではないでしょうか? 中国でクリーンな発電が導入されれば、日本にとってもメリットは大きいはずです。
  日本人は、長い歴史から一つの方向に流れたり、依存するよりも、八方美人で風見鶏的ではありますが、多様性を重んじ、中庸であることを無意識に美徳としてきました。これからもベストミックスでいいんじゃないでしょうかね。
  政治の大きな目的は、「国民を寒さや飢えから守ること」にあります。東日本大震災で、多くの人たちが一時的に寒い状態や食料が足りない状態に陥りましたが、日本の経済基盤がしっかりしていることと、日本人がお互いに助け合う心を忘れなかったことで、政治が駄目でも、乗り切ることができました。政治、経済、社会(日本人の気質、道徳心)がうまくバランスが取れているからではないでしょうか。これもある意味ベストミックスではないでしょうかね。
  外交なんかも、米国だけに依存するからおかしなことになるわけで、中国やインド、ロシア、欧州なんかと、それぞれ牽制させ合いながら、うまく付き合えばいい。国の金融資産もそうですね。紙切れになる前に米国債、ドルだけでなく、金や資源、海外の農地、新興国通貨など多様性を持たせるべきでしょう。
  個人レベルでも、現金、中国株、金あたりをうまく組み合わせて、来たるべき金融恐慌に備えるべきでしょうね。何事もバランスが肝心、常にベストミックスを意識するといいですね。

ファッション

  1カ月ほど前に自由が丘を歩いていたら、台湾人の女の子3人組に道を尋ねられました。旅行ガイドを見せられ、どこかのショップに行きたいようでした。昔、バイトで近辺で働いていたことがあるので、土地勘はあるつもりだったのですが、路地裏のような場所にある感じだったので、要領のいい答えができず、こちらが困惑してしまい、必死に応えようとしているこちらの思いを察してくれたのか、「ダイジョウブ、ありがとう!」と笑顔で返してくれました。
  東京はファッションの街でもあるので、アジアをはじめ海外の若者を引き付けるものがあるのでしょう。外国人が集まるといったら、秋葉原とか浅草、六本木がまず頭に浮かびますが、渋谷、原宿なんかも結構、いろんな国の人が来ていますし、下北沢でも見かけました。もちろん銀座も定番ですね。
  今は、情報化社会なので、結構、みんないろいろ知っていて、少し前なら外国人は絶対にいないだろうという場所でも、ちらほらと見かけるようになりました。
  衣替えの季節だし、ダイエットの思わぬ副作用で、これまで着ていた服が合わなくなってしまい、見苦しくないよういろいろと衣料品を物色しているのですが、新しいスタイルの服が次々と出ているので、定期的にチェックしないと、すぐに時代遅れになりますね。
  若い頃米国で過ごしたので、ご多分に漏れず、アメリカン・カジュアルの影響を受けているのですが、最近の日本の若い世代が着ている服と比べると、米国のスタイルって、一時代遅れているし、非常にがさつで、繊細さがないですね。東京で見かける外国人は、総じてセンスが悪い、というか日本人が先を進み過ぎているという感じがします。
  ちょっと前まで普段着も、ビジネスも、米国か英国系のブランドを好んで着ていたんですけど、特にリーマン・ショック後、バブルがはじけて、これらのブランドは勢いがなくなったし、ちょっとダサく見えるんですよね。日本のバブル崩壊後、ダブルのスーツや、ボディコンがあっという間にすたれたように。今、これらのブランドショップに行っても、欲しいものあまりないですからね。
  イタリアやフランスなど、一般的にファッションの先進性が高いとされる国から来ている方は、ちょっと、フォーマルでもカジュアルでもそこそこしゃれているし、びしっと決まっているんですけど、つぶさに観察すると、どこか野暮ったいんですよね。
  最近、“クール・ジャパン”として、海外に日本を売り出そうとしているようですが、日本のセンスってかなり、超越していて、ファッションにこだわるというよりは、どこか冷やかに見下ろしているというか、達観しているような感じで、服のデザインも細かいし、デリケートです。何より、日本人の体形に合っているというのも大きいでしょうけどね。逆に日本のファッションがそのまま欧米人に適用できるかというとそのままでは難しい面もあるでしょう。
  でも、日本にいると、服選びはいろんな選択肢があって楽しいですね。ニューヨークは、おそらく米国で一番進んでいるんだろうと思うんですが、有名なデパートとされるサックスにせよ、ブルーミング・デールにせよ、バーニーズ・ニューヨークにせよ、三越・伊勢丹や丸井には勝てないですよ。というか、地方の県庁所在地にある地元の老舗でも余裕で勝てると思います。ロンドンでハロッズに行った時も同じ感想を持ちました。
  まあ、あらためていうこともないとは思いますが、日本はファッションでも十分競争力あると思います。無理に躍起になって力を入れなくても、天性の才能というか、日本人のセンスの良さは自然に出てくる感じなので、力ずくでブランド戦略を打ち出さなくても、受け入れやすいと思いますけどね。
  少なくともアジアは日本のファッションに関心を持っているし、体型や肌色も近いこともあるので、売りやすいでしょうね。マーケットは猛烈な勢いで成長しているし、規模も大きいので、ポテンシャルは計り知れないですね。
  毎度繰り返しますが、先進的なもの、勢いがあるもの、強いものに触れるのは、非常に刺激になるし、運気アップにもつながります。ファッションについて学んだり、感覚を磨くというのも面白いと思いますよ。10月から始まったNHKの朝の連続ドラマも、そちら方面なので、私は結構、期待して見ています。
  実は昔から、女性のファッション誌をみたりするのも好きなんですよね。男性用のファッション誌を見るよりもむしろインスピレーションが湧くし、微妙な流行感のようなものを感じられます。服選びに意外と参考になります。
  東京ガールズ・コレクションなんかも見に行ってみたいんですけど、さすがに恥ずかしいし、変態扱いされそうなので、無理でしょうね、こればっかりは(笑)。香里奈さんとか、西山茉希さんとか、山田優さんとか、土屋アンナさんとか、ある意味“男前”なモデルさんが結構、好きです。佐々木希さんとか、トリンドル玲奈さんとかもいいなぁ。
  とりとめのない話で失礼しました。

天才

  米アップルの創業者で前最高経営責任者のスティーブ・ジョブズ氏が5日に逝去し、世界中に衝撃と悲しみが広がりました。iPhoneは新しいモデルが出るたびに、世界中で購入希望者が殺到。世界に先駆けて発売したタブレット型のiPadも、ライバルから猛追撃を受けながらも、業界のリーディング・スタンダードであり、目が離せない存在です
  アップルのすごいところは、芸術性と遊び心でしょうかね。これはジョブズ氏の人柄に負うところが多い。“天才”の称号にふさわしいと思います。
  私もiPodユーザーで、ソニーのウォークマンが音質で優れていて、猛烈な勢いで巻き返していると聞き、昨年、ウォークマンを買いましたが、音質は期待したほどではないにしても、まずまずなのですが、それ以外は、ダウンロードのしやすさ、使い勝手、ネットとの接続、拡張性など付加する様々な機能などを考えると、iPodの方がいいなと思いました。
  アップルが売っているのは、すべて大型、中型、小型の「パソコン」にすぎないんですよね。同じものは、ソニーも東芝もNECもパナソニックも売っています。アップルの対抗勢力としては、韓国・サムスン電子がいますが、ジョブズ氏の死後もユーザーの期待を裏切らない商品を出し続けるならば、固定ファン層を固め、若者や女性を魅了する、アップルの優位は変わらないでしょう。
  サムスンは今は勢いがあっても、細かいものづくりとこだわり、好感度では、東芝、ソニーあたりがそこそこ伸びる可能性もあるし、価格競争ではデルやレノボあたりが忍び寄り、台湾勢も無視できない。そう考えると、孤高の存在のアップルの強みは目を引きます。
  何より、アップルは工場を持たないファブレスであるところが強いですね。高品質でそこそこ低価格の台湾の半導体や日本の電子部品、シャープの液晶パネルを買ってきて、組み合わせればいいわけですよ。自前で工場を持ち、日本、台湾勢と半導体、液晶で消耗戦を繰り広げるサムスンはその点、部品の調達面では自前の強みはあるものの、巨額な投資が必要なわけで、経営的には分が悪い。
  アップルは別に大したものをつくっているわけではないのですが、ちょっとした工夫やユーザーの心をつかむ機能で、オンリーワンの存在になっています。これは、これからの「モノづくり」を考える上で重要なポイントですね。
  日本メーカーは、品質や独自のデザイン性、小型化の技術で、他の追随を許さないですが、製品を出してもほとんど世界に広まりません。日本国内でさえ、アップルやサムスンに圧倒される始末です。ある程度、「いいモノ」を作ることは大切ですが、それだけでは、売れないのです。
  多くの人が憧れ、欲しいなと思うモノに仕上げなければならない。ジョブズ氏が創り上げた、アップルのイメージ、芸術性やストーリー性は、日本メーカーの非常に弱いところです。
  ソニーあたりは、かなりいい線を行っていたのですが、金融屋が経営に入り込んだ結果、単なる業績至上主義になり、遊び心やブランドイメージといったソニーの良さをことごとくつぶしてしまった。それでも、今でもソニーは世界的に認知されているので、巻き返せるポテンシャルは持っています。
  電機業界は新規参入が比較的容易で、勢力図が目まぐるしく変わるので、3年後、5年後、10年後、どういう展開になるかは全く想像がつきません。ただ、アップルがアップルらしさを失わなければ、強いと思います。日本メーカーも見習わなければなりません。
  真剣に受け止めるべきなのは、自動車メーカーですかね。自動車は一見、激しい競争をしているように見えますが、研究開発や大きな工場を持てるのは、ごく一部に限られます。何だかんだ言って、少数のメーカーによる寡占状態で、極めて保守的な体質を持っているのです。これは日本だろうが米国だろうが欧州だろうが韓国だろうが変わりません。
  ただ、いつまでその状況が続くかは疑問ですね。電気自動車(EV)が世間がもてはやすほど普及するとは思いませんが、それなりに広がる可能性はあります。そうなると、エンジン車やハイブリッド車(HV)と比べて、構造が単純なので、いろんな業種から参入する可能性はあります。もちろん、安全基準などクリアすべき課題はありますが。
  そうなると、自動車だって家電を買うような感覚になる可能性は大いにあります。そうなると、自動車界の「アップル」が生まれたっておかしくはない。プラットホームやモーターなど基幹部品はほかのメーカーから調達して、完成品も組み立てを依頼して、イメージとブランドで売る時代が来るかもしれません。
  EVだけでなく、エンジン車でも同様ですね。今後、中国の内陸部とか、ユーラシア大陸中央、アフリカ大陸で自動車の需要がますます高まれば、エンジンとか主要部品だけよそで調達して、組み立ては自分たちでやるという、ローカルメーカーがどんどん増える可能性があります。昔は日本だって小メーカーが乱立していたんですよね。関東自動車とかセントラル自動車とかその名残ですよね。プリンス自動車なんかもそう。
  今のようにトヨタ自動車がどうとか、日産自動車がこうとかいう、自動車の供給体制は、ひっくり返る可能性があります。
  まだ、自動車業界では日本の優位が続いていますが、車づくりを見る限り、全然つまらないですよね。個性がなさすぎです。特にホンダの衰退が激しい。今のホンダ車にはワクワクする感じが全くありません。
  だから、ファッション性や楽しさを打ち出す、新興のメーカーが出てくると面白いですよね。ただのパソコンを大きな付加価値をつけて売るアップルと同じような感覚で、車が売り出されたら、若い人ももう少し、車に関心を持つのではないでしょうか。
  マツダあたりは、面白い存在なのですが、「RX-8」の生産をやめちゃうんですよね。確かに今はあまり売れていない車ですが、どう考えても時代に逆行しています。別にロータリー・エンジンにこだわる必要もないと思います。走りを楽しむというコンセプトは正しいと思うし、ほかにはないスポーツカーを出したのも評価できます。どうしたら人をひきつける車を造れるか、低燃費競争にこだわりすぎて、忘れられた視点ではないでしょうか。
  ジョブズ氏が教えてくれたのは、単なる高品質、大量生産だけではなく、消費者マインドをくすぐる、ちょっとしたこだわりを加えることで、商品の魅力を高める、新しいモノづくりの形ではないでしょうか。