タイガーマスクと震災が、寄付文化の転換点となるか?(社会を映し出すコトバたち)

 今年は日本の寄付文化にとって、大きな転換点になるかもしれません。  始まりは、あの「タイガーマスク運動」でした。2010年12月25日、群馬県中央児童相談所に漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗る匿名人物がランドセルを寄付。これを端緒に、架空の人物名を名乗る多くの人が、児童相談所や児童養護施設へ寄付を行いました。この出来事を通じて「日本の寄付文化の在り方」について議論が巻き起こりました。  そして2011年3月11日には東日本大震災が発生しました。地震と津波と原発事故という三重苦の災害です。この震災では、当初、被害が軽い地域の市民の間で「自分たちに手助けできることがあまりに限られている」という事実が、自責にも似た「もどかしい感情」を引き起こしました。