資源国通貨の上昇が止まらない(宿輪先生の通貨のすべて)
リーマンショック以降、豪ドルやブラジルレアルなど「資源国通貨」の為替レートが大きく上昇している。最も上昇した豪ドルは最安値から、実に約70%も上昇した。
タイバーツや人民元などアジアを中心とする「新興国通貨」も上昇しているが、上昇率に大きな差が開いている。資源国も新興国も、成長率やインフレ率が高いのは同じだ。しかし、1)資源国通貨のそもそもの特徴、2)新興国の輸出重視戦略、そして3)通貨政策——インフレ抑制の重視度合いによって差が開いたものと考えられる。
資源価格の高騰が資源国通貨の為替レートを押し上げる
まず、資源国通貨そのものの特徴について見る。資源国とは、鉱物資源や農産物などの市況商品を産出し、それを主要な輸出品としている国のこと。