ラーメン道 地元じゃ負け知らず! 江東区編1
味がはっきりした方が好きなので、これまで、タンメンにはあまり関心がなく、あまりいろいろとお話しする知識もないのですが、つけ麺の横綱「六厘舎」の姉妹店だということで興味が湧き、東陽町(と木場のちょうど中間地点の)「トナリ」を訪れてみました。
タンメンといっても、生活保護問題の渦中の芸人さんに触発されたわけではなく(笑)、以前から超有名で行列のできるお店ということは知っていて、「いつか行かなきゃな」とは思っていました。ただ、ラーメンほどの情熱はなく、ほったらかしにしていました。最近なぜかテレビでやたらとこのお店のことが取り上げられ、しかも食べログによると、六厘舎の姉妹店ということを知り、俄然やる気が起き、チャレンジしてみようということになりました。
結論から言うと、東京ではこのタンメンのジャンルはまだよく追究、開拓されていない分野であり、ジャンルの一つとして確立すれば、つけ麺ほどじゃなくても、野菜それなりにブレークするポテンシャルがあるのではないかということを感じました。
一口にタンメンといっても、店によって全然違います。2月に西荻窪の「はつね」を紹介しましたが、はつねのタンメンは塩ラーメンをさらにあっさりさせた味付けで、肉類は入っておらず、トッピングは野菜のみで、純粋に鶏ガラベースのスープが味わえる、とても上品に仕上げてあるのですが、精進料理の領域で、こってり感とか筋のしっかりしたラーメンが好きな人には物足りないかもしれません。
テレビやラーメンに関する雑誌の記事と写真を見て、トナリのタンメンは、長崎チャンポンに近い味なのかなと予想していました。実際に食べてみると、ほぼ想定通りの味でしたね。野菜たっぷりなのは、はつねのタンメンと共通なのですが、スープが鶏ガラ、豚骨ベースのコクがあるもので、トッピングにも豚肉やイカげそといった動物、魚介系のものがふんだんに盛り込まれています。
私は初めて長崎に行った時、本場のあまりのおいしさに感動して、1日にちゃんぽん→皿うどん→ちゃんぽん→皿うどんと4軒はしごしたことがありますが、長崎ちゃんぽん系の味は好きですね。時々、リンガーハットに行ったりもします。
あまりタンメンを食べたことがないので、細かいことは分かりませんが、東京でタンメンというと、はつねのようなごくあっさりしたものを出すお店と、中華料理店のメニューの一部で、中華丼にかかっているあんに近い中華テイストのものを出すお店、そしてトナリのように長崎チャンポン系のものを出すお店の主に3パターンあると思います。
醤油ラーメンとか味噌ラーメンとかのように“色”がはっきりしているわけではないので、定義がややあいまいで、ジャンルとしてははっきりしていないですね。どこかのお店が有名になり、タンメンのスタンダードになればわかりやすいと思いますが、トナリはその可能性を秘めているかもしれません。
トナリは地下鉄東西線の木場と東陽町のちょうどど真ん中にあります。平日の午後1時半ごろ、トナリに到着。店の前には十数人が列をつくっていました。テレビにたびたび登場するお店なので仕方がないかな、ということで列に並びました。
よく見ると、店内も行列もほとんどはサラリーマン風の人でしたね。東陽町や木場周辺はいろいろなオフィスがあるので、ランチの定番になっているのでしょう。
カップルとかいると、女性の方が食べるのが遅く、大概の男はバカだから、さっさと食べ終わったら店から出ればいい物を、女性が食べるのを待つので、どうしても回転が悪くなるのですが、時間勝負のサラリーマンが多いので、こういう行列は楽ですね。並んでいる人から事前に店員さんが注文を取るという手際の良さもあって、予想通り早く店内に入ることができました。
お店の看板に「タンギョウ」とあるように、タンメンとギョウザのセットのタンギョウ(880円)が一押しメニュー。タンメン(720円)とギョウザ(400円)を単品で頼むより240円安いというお得なセットなのです。タンメンと唐揚げの「タンカラ」(880円)もあります。サラリーマンが多いという客層を意識したということでしょうか。がっつり食べたいという人にはうれしいですね。
ということで、私もタンギョウの大盛(+100円)を注文しました。厨房では大量の野菜を炒めるため中華鍋を忙しそうに振っている様子がうかがえ、期待が高まります。
先にギョウザが出来上がったので、まずはこちらから。880円のセットで付いてくるギョウザなので2、3個程度かなと思っていたら、6個もついていて、焼き加減もちょうど良く、具も野菜を売りにした店だけあって、しっかりした作りでした。
ギョウザを2つほど食べた頃合いでタンメンが登場。提供直前にショウガを入れるかどうか聞かれます。全体のボリュームにやや押され気味なのですが、ショウガがあると味のアクセントになって最後までペースを落とさずに食べることができますね。ふんだんに盛られた野菜にテンションが上がりますね。はやる気持ちを抑えつつ、スープを一口。豚骨、鶏がらベースに、炒めた野菜のスープが融合して、奥行きを出していて、好きな味でした。予想通りのちゃんぽんに近い味でした。
麺は六厘舎同様、浅草・開花楼製。やや平打ちの太麺でした。これもちゃんぽんを彷彿とさせるものがあるのですが(ちゃんぽんの麺は太くてやや丸型のものが多いですけどね)、弾力やかん水の配合具合などは、ラーメンですね。
先述の通り、もやし、キャベツ、ニンジン、白菜、たまねぎ、青菜(小松菜?)、コーンなど野菜ふんだんな上に、豚肉、イカげそにかまぼこと、質、量ともにトッピングに力強さがあります。
これで880円(と大盛で+100円)ですよ。「良心的」以外に形容する言葉が見つかりません。サラリーマンの人が多く集まるのがよくわかります。野菜が多いので週末なんかには、女性客が多くなるというのもうなずけますね。
私が並んだ後、いったん行列は途切れたのですが、店を出た頃には、午後2時すぎにもかかわらず、再びサラリーマン風の人を中心に10人以上の列ができていました。
リンガーハットも好きなのですが、近くにあれば間違いなくトナリしか行かないと思います。質、コストパフォーマンスともに充実していますからね。
ただ、思ったのは、ちゃんぽんを食べなれている、長崎の人なんかからすると、「東京の人ってこの程度で満足しているの?」という感じかもしれません。
長崎に行けば、もっと野趣あふれる、力強いちゃんぽんがたくさんありますし、長崎に限らず、地方に行けば、野菜が安く仕入れられるでしょうから、これくらいの量の野菜をつかった麺料理は簡単に出てくると思います。
これまで東京にこういうお店があまりなかったから、長い行列ができているという事情はあるでしょうね。おいしいけれども、六厘舎のように他店と比べて、飛び抜けた味なのかどうかは、評価が分かれるということだと思います。
たまたま、この時聴いていたTBSラジオの「たまむすび」のMCが博多大吉さんで、カラオケでは相方の華丸さんとデュエットで、修二と彰の「青春アミーゴ」を十八番としているということを語っておられ、吉本興業の中でも有名なんだそうで、この曲がかかっていました。
サビを越えた部分の「地元じゃ負け知らず~♪」が妙に耳につくのですが、まさにトナリはそんな感じですよね。全国区のタンメン店になり得るのかどうかは分かりませんが、地元の人に熱烈的に支持され、愛されるお店であることは間違いないと思います。
トナリのような良心的な路線に徹すれば、東京ではまだまだタンメン市場開拓の余地は大きいでしょうね。逆にこういうお店が少なすぎます。「幸楽苑」とか「東秀」とか「餃子の王将」といった中華系のチェーン店や、牛丼店が幅を利かせていますが、チェーン展開しなくても、ちょっとやり方を工夫すれば、ブレイクする可能性は大きいと思います。
ちなみに、私は平日の午後1時から午後2時にラーメン店を訪れることが多く、大体はラジコでTBSラジオを聴いています。辛口の小島慶子さんのトークが大好きだったのですが、3月末で「キラ☆キラ」を電撃降板し、赤江珠緒さんの新番組を惰性で聞いています。
最近、小島さんはテレビに出まくっていますが、“ラジオの女王”の称号通り、ラジオ向けの人だと思います。あの毒舌っぷりは天才的です。逆に赤江さんは優等生キャラなので、朝の情報番組に適任で、テレビ向けでしょうね。日替わりのゲストMCが、ピエール瀧さんとか、玉袋筋太郎さんとか、トークが面白いので裏番組の大竹まことさんの文化放送には走らず、TBSラジオを聴き続けています。
テレビは全くダメですが、ラジオはまだTBSは存在感があると思います。小島さんを逃したのは最大の失策だと思いますけど・・・。ラジオって好きな番組があればそのまま選局を変えないですからね。以前は、スワローズナイターをやっていたので、ずっとニッポン放送だったのですが、最近は巨人戦しか中継せず、オールナイトニッポンも以前ほど魅力を感じなくなりました。
まあ、TBSラジオも古臭いんですけどね。「ゆうゆうワイド」の毒蝮三太夫師匠の「ばばぁ、まだ生きていやがったんだ」の毒舌商店街中継とか、「あんたこそまだ生きてたの?」って感じだし、小沢昭一さんとかもそうですよね。結局は、昔ながらのやり方が安心できるということでしょうか。