警戒すべき点

  自分の国は自分たちで守る。自分たちの国の将来は自分たちで考える。私は当たり前のことだと思っていたのですが、どうも世間の認識は違うようです。というか、感覚がボケているとしか言いようがありません。
  この間、テレビをつけていたら、たまたま、日米安保だか日米関係だかについての解説みたいなことをやっていて、「米国は日本の利益を必ずしも守ってくれるわけではない」とのこと。「そんなこと当たり前だろ」と思わず突っ込んでしまいました。
  ただ、一般の人は「日米同盟」を結んでいるから、米国も日本の(最大限に)国益を考えてくれていると、考える人が多いんでしょうね。「トモダチ」作戦で、ころっとだまされるのもうなずける気がします。内閣府の世論調査では8割の人が米国に好感を持っているわけですから。
  身近な例で考えるとわかりやすいと思うのですが、他人がどんなに自分のことを親身になって思いやってくれているにしても、ありがた迷惑や的外れで役に立たないことの方が多いです。それがたとえ親兄弟のように親密な間柄であっても。だから、自分のことは可能な限り、自分で考える、自分でどうにかしないといけないのです。
  日経先物をはじめ、個人の立場でトレードに携わっている人は大体、このブログで“米国バッシング”(基本的には私はアンチ・アメリカの立場です)をしても、理解していただけますが、会社に飼われている(雇われている)、金融筋の皆さんは、米国に留学して洗脳された方も多いので、米国礼賛か、少なくとも盲従、米国に対してなんら疑いも持たない人の方が多いようです。
  個人だと防衛本能が強く働くので、自分で考えて行動する人が多いですが、組織で行動するとダメですね。すっかり、のみこまれてしまいます。金融市場に関わっていると、米国に支配されていて、それがいかにおかしなことであるか分かりそうなものですけどね。
  私なんかはトレードをしていて価格がコントロールされているのを如実に感じるので、個人的な恨み(笑)もありますし、学べば学ぶほど、知れば知るほど、米国がいかにいい加減で、尊大で、自分ではまじめに働かずに他人から搾取することしか考えていないか、よく分かります。若い頃、米国で過ごした経験則からも身をもって感じますしね。米国で生活したこと自体は本当に楽しかったし、貴重な経験でしたけど。
  日本人は必要以上に人をあてにしたり、信頼しすぎます。基本的にはみんな他人に対して、うそをつかないし誠実だからです。でも、日本を離れると必ずしもそうではありません。「人を見たら泥棒と思え」はまさに金言でしょうね。日本国内でもそうですが、自分が思ったとおりに他人が行動してくれるわけではありません。むしろ疑ってかかるくらいの方がいいでしょう。
  日本人のお人よしの性格が災いして、せっかく汗水たらして稼いだカネを米国に上納させられているシステムが厳然と存在するわけです。しかも購入した米国債は、円高で目減りさせられ、デフレ圧力になるわ、実質的に踏み倒されるわで、踏んだり蹴ったりです。
  米国は日本を支配することで大きな利益を上げた一方で、あまりにも従順すぎるので、勘違いしてしまいましたよね。イラク戦争では、太平洋戦争後の日本のように、占領政策がスムーズに行くと勝手に踏んでいたわけですが、泥沼化してしまいましたし、中国のしたたかさは大誤算だったでしょう。欧州も痛い目に遭い、一昨年のノーベル平和賞で嫌がらせをしました。
  個人と個人の関係で、信用してだまされたというのは、ドラマや映画のテーマになるくらいだから、仕方のない部分は思いますけど、国と国との関係はドライに割り切った方がいいでしょう。
  いずれ米国から中国に世界の中心が移ることが予想されますけど、当たり前のことですが、中国に対しても決して警戒を怠るべきではないですね。私自身、米国をさっさと崩壊させるのが先決だし、今の日本にとって諸悪の根源は米国で、中国が仕掛けてくる嫌がらせなどは、それと比べると取るに足らないので、安易な中国批判には与しませんが、油断してはならない相手だとの認識は持っています。
  何より、米国人は頭が悪いので、自分たちの欲望を隠しきれないまま、あれこれとヤクザのように要求してくるため、意図がわかりやすいですが、中国は老かいさを持っています。表面上何も起きないので安心してしまい、気付いたらいつの間にか中国の術中にはまり、逃れられなくなっていたということはあり得ると思います。
  それでも、今の日本の政治家や官僚、経済界は、そろいもそろって頭が悪そうなので、中国にのみ込まれてしまうんだろうな、とあきらめの感情はありますし、多くの国民もだまされてしまうのでしょうが、大きな真実に気付いている人は、個人の立場で、あらゆる状況から身を守り、困難なときも利益を確保する努力が必要です。