2011年5月12日のマーケット予想

株:NYダウ反落
11日の米株式市場は、中国の4月鉱工業生産が+13.4%と市場予想を下回る内容となり、同国の景気拡大が鈍化しているとの懸念が広がったことに加えて、原油など商品市場が急落したことを背景に、エネルギーや素材関連株などを中心に売りが膨らみ、4日ぶりに反落して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比130.33ドル安の12,630.03ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場や商品市場が下落しており、商品関連株などを中心に株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,775円となっており、市場の予想レンジとしては9,700円−9,850円となっている。

為替:ユーロが下落
11日の外国為替市場では、ギリシャの債務問題を巡って不透明感が強まっていることや、商品市場が急落したことなどを受けて、ユーロや資源国通貨が下落し、ドルが買われる展開となった。NY終値ベースで、ドル円は81円近辺、ユーロドルは1.42ドル近辺となっている。
本日は、豪4月雇用統計(予想:失業率4.9%、就業者数+1.8万人)、米週間新規失業保険申請件数(予想:43.0万件)、米4月小売売上高(予想:前月比+0.6%)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.50−81.50円となっている。

商品:NY原油反落
11日のNY原油先物取引は、EIAが発表した週間在庫統計において、原油在庫が前週比380万バレル増と市場予想を上回る積み増しとなり、さらに、ガソリン在庫が市場予想に反して130万バレルの積み増しとなったことなどが嫌気され、急反落した。中心限月の6月限の終値は、前営業日比5.67ドル安の1バレル98.21ドルで引けた。
NY金先物取引では、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことや、原油や銀などの商品価格が急落したことなどを背景に、急落する展開となった。中心限月の6月限の終値は、前営業日比15.50ドル安の1オンス1,501.40ドルで引けた。      

                                                                                          

日経平均始値9912.48円

外国人売買動向
買い 20100000株
売り 15800000株
差引き 4300000株買い越し

日経平均先物前日比プラス100円の9920円で取引スタート。
前日のニューヨークダウ平均は続伸。

デイトレード値動き注目銘柄
4819 デジタルガレージ
6269 鉱研工業
3161 アゼアス
6662 ユビテック
6890 フェローテック
7725 インターアクション
7606 ユナイテッドアローズ
8136 サンリオ
6665 エルピーダメモリ
6140 旭ダイヤモンド
9697 カプコン
6460 セガサミーホールディングス
8871 ゴールドクレスト
6723 ルネサスエレクトロニクス
1712 ダイセキ環境ソリューション
4185 JSR

2011年5月11日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
10日の米株式市場は、米マイクロソフトがインターネット電話のスカイプを買収すると発表したことを受けて、企業のM&Aの動きが活発化するとの思惑が広がったことや、中国の4月貿易収支で輸出が過去最高を更新し、世界的な景気回復に対する期待感が広がったことを背景に、終始底堅く推移した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比75.68ドル高の12,760.36ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が堅調に推移したことや、為替市場の円高基調も一服したことなどが、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,905円となっており、市場の予想レンジとしては9,850円−10,000円となっている。

為替:ユーロの買い戻し
10日の外国為替市場では、商品市場や株式市場が上昇するなど、リスク資産への投資が進む中で、資源国通貨やユーロがドルや円などに対して買われる展開となった。ただ、ギリシャの信用問題がくすぶる中で、ユーロの上げ幅は限定的となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.44ドル近辺となっている。
本日は、中国で一連の経済指標の発表が予定されており、注目が集まっている。欧米時間に入ると、BOE四半期インフレレポートの公表や米3月貿易収支(予想:-470.0億ドル)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.20−81.50円となっている。

商品:NY原油続伸
10日のNY原油先物取引は、シカゴ・マーカンタイル取引所が原油先物の証拠金を25%引き上げると発表したことが嫌気され、一時100.12ドルまで下落した。ただ、その後は、ミシシッピ川の洪水が製油所の操業に影響が出る恐れが生じたことや、中国の4月貿易統計で原油の輸入が高水準だったことなどを背景に、続伸して引けた。中心限月の6月限の終値は、前営業日比1.33ドル高の1バレル103.88ドルで引けた。
NY金先物取引では、前日発表されたギリシャの信用格付けの引き下げなど、欧州の信用不安が拡大していることや、原油や穀物相場が反発していることなどを背景に、金に対する買いが広がり、中心限月の6月限の終値は、前営業日比13.70ドル高の1オンス1,516.90ドルで引けた。      

                                                                                          

「ひどいスタートを切った」復興への第一歩(小峰隆夫のワンクラス上の日本経済論)

 大震災への対応は、緊急事態への対応を図る「フェーズ1」から、復興への歩みである「フェーズ2」へと向かいつつある。その第1弾とも言うべきものが、5月2日に成立した2011年度第1次補正予算である。ではこの補正予算に象徴されるフェーズ2への歩みはどう評価されるか。「ひどいスタートを切ったものだ」というのが私の評価である。 フェーズ1からフェーズ2へ  私はかねてから、フェーズ1とフェーズ2を分けて考えた方が良いと考えてきた。それは、緊急事態であるフェーズ1と復興への道を辿るべきフェーズ2では、基本的な経済パフォーマンス、政策スタンスが大きく異なるからだ。この違いを整理したのが表1である。 表1 フェーズ1からフェーズ2へ   フェーズ1 フェーズ2 成長率 大幅に低下 むしろ高めに 政策目的 極めて明確(人命救助、被災者生活支援、原発安定化など) 多様な議論が出る(経済の復興、地域の再生、エネルギー政策の見直しなど) 政策手段と効果 コストを意識せず政策手段を投入、効果も明瞭、トレードオフ関係はない 財源問題、土地利用、災害補償などコスト負担の問題が出る。

「ひどいスタートを切った」復興への第一歩(小峰隆夫のワンクラス上の日本経済論)

 大震災への対応は、緊急事態への対応を図る「フェーズ1」から、復興への歩みである「フェーズ2」へと向かいつつある。その第1弾とも言うべきものが、5月2日に成立した2011年度第1次補正予算である。ではこの補正予算に象徴されるフェーズ2への歩みはどう評価されるか。「ひどいスタートを切ったものだ」というのが私の評価である。 フェーズ1からフェーズ2へ  私はかねてから、フェーズ1とフェーズ2を分けて考えた方が良いと考えてきた。それは、緊急事態であるフェーズ1と復興への道を辿るべきフェーズ2では、基本的な経済パフォーマンス、政策スタンスが大きく異なるからだ。この違いを整理したのが表1である。 表1 フェーズ1からフェーズ2へ   フェーズ1 フェーズ2 成長率 大幅に低下 むしろ高めに 政策目的 極めて明確(人命救助、被災者生活支援、原発安定化など) 多様な議論が出る(経済の復興、地域の再生、エネルギー政策の見直しなど) 政策手段と効果 コストを意識せず政策手段を投入、効果も明瞭、トレードオフ関係はない 財源問題、土地利用、災害補償などコスト負担の問題が出る。

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