あまり金にこだわりすぎると、欧米のように一般の人間関係がとことんビジネスライクになってしまいますが、“金の切れ目が縁の切れ目”というように、人同士のつながりはお金で結びついている部分は、多分にあります。だから、ぼったくった、ぼったくられた、だました、だまされたという非常に極端な例は論外としても、適度にお金が回らないと、社会はうまく構築できません。
格差社会なっていうのも、そういう側面がありますよね。今までは地縁、血縁を中心とする、伝統的な社会とか、よほどの曲がり屋でない限りは誰でもその辺の会社に就職してそこそこの生活ができた社会では、能力の差はあまり問題にされず、誰もがそこそこハッピーに暮らしていけました。
バブル絶頂期前後は、「1億総中流」なんていわれた時代もあって、社会全体が金回りが良く、少子高齢化みたいな漠然とした不安はありつつも、「景気がいい時も悪い時もあるさ」みたいな、ある意味、達観できていて、前を向いて生きていけた時代でした。
日本が経済的に独り勝ちを許されなくなり、生産体制をはじめ世の中全体の効率化が進み、新興国の台頭で競争が激しくなると、日本人の所得はじりじりと下がり、徐々に金回りが悪くなり、限られた利益をめぐり、争奪戦が起こるようになりました。
そうなると、まずは地方にお金が回らなくなり、高齢化社会の進行とともに、過疎化が進んで活力を失い、さらに都市部でも「正社員」「終身雇用」で成り立ってきた、生産活動にも変化が現れ、正社員と契約社員あるいはパート、正社員の中でも能力主義が取り入れられ、持てる者、持たざる者の線引きがはっきりするようになりました。
世界的、歴史的にみると、以前の日本のように誰もがそこそこ豊かで、格差が小さいというのは珍しく、力のない者、才覚、才能のない者、努力しない者、要領が悪い者は淘汰されるか、隅に追いやられてしまうというのが当たり前で、それが自然の成り行きでもあります。
このまま、いわゆるグローバル・スタンダードに染まってしまっていいのか、それとも、かつての日本を意識しつつ、新しい時代に合せた所得分配のあり方を考えるべきなのか、永遠に議論が続くでしょうね。
トレードの世界は実力の世界なので、生き残るには誰かを蹴落とさなければなりません。だから、まさに他人の失敗は蜜の味。私も容赦なくダメ人間のことを嗤いますが、相場の動きに対応できなくなったり、相場自体がクラッシュしなくなってしまったら、明日は我が身かもしれません。その辺は厳然たるルール、自然法則に支配され、参加者は好むと好まざるにかかわらずそれを理解することを求められているので、誰もが粛々と受け入れなければなりません。
ただ、一般の社会では、必要以上に実力主義を追求しすぎると、いろんな面で歪みが生じます。衣食住あらゆる場面で、多くの人の力によって成り立っています。人は一人では生きることはできません。なかなか顔が見えませんが、お互いの労働によって支え合って、高度で複雑な社会が形成されているのです。
例が適切かどうか分かりませんが、2005年のJR尼崎線の脱線事故では、過密ダイヤで定時運行に対するプレッシャーを強く感じた運転士が、おそらく最後はやけっぱちになってしまったのでしょう。速度を出してはいけないところを猛スピードで突っ走ってしまい大惨事を起こしてしまいました。
仕事に過度に追われている人、希望を見いだせない人、奴隷状態に置かれていると感じて不満をためている人、自分だけが生き延びることに必死な人が増えたら、あらゆる場面で、JR事故のようなことが起きるのではないでしょうか。そこまでいかなくても働く人のモラルが低下したら、社会はどうなるでしょうか。
日本人はお金に必要以上に執着することに対して、今でも罪悪感、嫌悪感が強いですが(だから株、先物、FX取引はかなり普及しましたが、一般的には嫌われます)、裏を返せば、お金を意識しなくてもそれなりに暮らしてこれたからであり、お金が社会の潤滑油として、回っていたからにほかならないでしょう。
それが豊かさボケ、平和ボケを生み出してきた側面は否めないし、ゆとり教育、学力低下の背景なんかも、その辺の要因が大きいでしょうね。
ただ、全体としては、世界はどんどん豊かになっているのです。社会の隅々までその恩恵を行きわたらせようという発想があってもおかしくはないと思います。ある程度、努力をすれば、しっかりした商品、サービスを提供すれば、それなりの対価が支払われるというのは、あってしかるべきだと思います。
だから必要以上に、値切る、安く買いたたくという風潮は、是正されるべきでしょうね。一部の人が豊かになる分、割を食う人がいるわけで、社会全体の不安定化につながりかねません。
2、3年前に「フリー」なんて本が出て話題になりましたが、労働に対する対価がタダなんてことはありえないし、あってはならないのです。金持ちと奴隷だけの世界になってしまいます。そんな社会でいいのか?
欧米なんかはずっとそうだし、日本でもそうなりつつありますが、裕福な人とそうでない人の交流が少なくなり、人と人との間の「壁」が存在するようになっています。
以前にもこのブログで書きましたが、小学校(公立)の同窓会なんか開こうとしたら、私の通っていた学校は都市部だったので、所得や成功した人とそうでない人の格差が激しく、誰も集まりませんでした。だから能力の差はあってもそれぞれが生きる道を見いだせるという「金八先生」のような社会ではもうないのです。
ちょっと前までは、大工や土建屋さんの方が、公務員やサラリーマンより金回りが良かったみたいな時代がありましたが、現在では必ずしもそうではなりつつあり、さらに生きる世界、階層が固定化しつつあります。
そうなれば、貧しい人は自分の失敗を他人のせいにして、欧米のように「移民が悪い」「輸出でぼろ儲けする中国が悪い、日本が悪い」みたいな偏狭なナショナリズムに陥る危険性が高く、その一方で富裕層は、世界の富裕層同士でビジネスや留学先の同窓生で結びつくみたいに二極化し、国や地域としての一体感も薄れることになりますね。
それはそれでやむを得ない面もあるのでしょうが、どんな高級車に乗っていても、高級住宅に住んでいても、道路を走ったり、電気、ガス、水道を使ったり、ケータリングをしてくれたり、荷物を運んでくれたりするのは、地域の人の地道な労働があるわけで、そこにほころびが生じると、金持ちの人にとっても暮らしにくくなってしまいます。外で食事をして中国みたいに高級料理店でも、素材に化学物質や毒性のある物質、食中毒菌が混入している恐怖におびえなければならない、信用できない社会ってどうでしょうね。
だから、働く人、努力する人に対してはそれなりの対価を支払い、インフラ、サービスの質が維持される方がいいのではないでしょうか。国じゅうにスラムができ、立ち寄れない場所が増えるより、よほど安上がりだと思うのですが。
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忘れた頃に
昨年秋以降のギリシャ支援をめぐる動きを見ていると、「どう考えても無理筋だろう」「ユーロ崩壊か?(ギリシャのような小さな国が離脱したとしてもユーロ自体がなくなることはあり得ないですが)」と身構える局面でも、多少は崩れることはあっても、決定打とはならず、破滅的な暴落を回避してきました。
3月中旬に一応、当面のギリシャ支援の方向性が固まったことで、各国の金融緩和政策も後押しして、市場はリスク回避の動きから、リスクテイクへとかじを切りましたが、問題は先送りされたにすぎず、むしろ潜在的なリスクが高まったとすら言えるでしょう。
基本的には、衆人環視の状況下では、暴落というのは起きにくいもののようです。暴落の際には口火を切る人がいるわけですが、もし、その売りがきっかけになって投げ売りが始まったならば、世界中からとてつもない非難を浴びるわけで、さすがにいくらがめつく、卑しい連中といえどもそういう暴挙にはなかなか出られないということです。
ただ、例外もあって、リーマン・ショックの時は、金融市場全体が非常事態にあるということを織り込んでいなかったことで、リーマン・ブラザーズが破綻した瞬間、大暴落しました。
あの時は、暴落前にいろんな情報が錯綜して、ちょっとしたきっかけで値が上下しました。「韓国の金融機関がリーマン救済に資金を出す」みたいな怪しげなニュースがそれなりの報道機関から流れ、小反発しましたが、デマでした。この辺も誰がどういうソースから情報を入手して流したのか、誰が売買したのか(売り抜けたのか?)、きちんと検証すべきだと思うのですが、ほっかむりしたままですね。
本当に緊急事態の時には、目の前で暴落ショーが繰り広げられるし、金融機関も何でもありの汚い手を半ば公然に使ってくるということも、リーマンの教訓として頭に入れておいた方がいいでしょう。暴落前の値動きとしては、直近(昨年後半から今年2月中旬くらいまで)の日経平均先物やドル・円の底値付近での動きに似ていました。レンジで方向感なく推移した後、ちょっと上昇して、いきなりずどんと落ちました。2度同じ動きをするかは分かりませんが。
ここ4、5年の状況を見る限りは、誰もが「暴落するかもしれない」と身構えるような状況よりも、パターンとしては、誰もが予期しなかったようなところで、ある日突然、ずどんと暴落するケースが圧倒的に多いような気がします。
チャイナ・ショックだの、ドバイ・ショックだの、ギリシャショックだのと、かなりの値幅を伴った大暴落がいろいろとありましたが、大抵は、抜き打ち的に起きましたよね。日経平均先物の取引時間が今よりうんと短かったので、そう感じるだけかもしれませんが。
でも、全く予期できなかったかというと、必ずしもそうではなく、上昇が一段落した局面であることが多く、数日くらい前から何となくきな臭さがただようというのはあります。高値警戒感みたいなのはあって、いつ崩れるかなとびくびく(あるいはショートを仕込んでわくわく)するような状況です。
ただ、相場全体を揺るがすような大暴落に向かい、一瞬にして暗転するとまでは、誰もが予想できず、高値圏でだらだらとロングを引っ張ったり、それまでの上昇に乗り切れず、未練がましく買い持ちしていた人たちは地獄を見ることになります。
上昇局面が長らく続くと、どうしても市場全体のマインドが緩くなってしまいますからね。買えば上がるというおいしい状況に油断していると、リスク管理の甘さを見事に突かれてしまいます。
往々にして、そういう場面では、どんなに注意深く接していても、上目線が抜けきらないので、なかなか、ショートに転じにくいですしね。「そろそろショートだろう」と思っても、しつこく買われるので疑心暗鬼にもなってしまいます。
唯一の救いは、上昇途中とか下落途中の中途半端で達成感が感じられない局面では、暴落しないことです。これに関しては、いつまでも通用するかどうかは分からないので、あまり安易に信じることはおすすめできませんが。
そういう意味でも、予期しなかったようなところで、暴落はある日、突然やってくるということです。株価が上昇しようと、通貨が買われようと、欧米が衰退し、世界支配が終焉に向かいつつあることは間違いありません。金融緩和で市場をお金でジャブジャブにして、偽りの金融市場の活況を演出し、時間稼ぎをしているにすぎないのです。
トレーダーとして、常に怠ってはならないのは、微妙な値動きに敏感であるべきということと、警戒心を忘れないようにすること。要はそれに尽きます。
3月中旬に一応、当面のギリシャ支援の方向性が固まったことで、各国の金融緩和政策も後押しして、市場はリスク回避の動きから、リスクテイクへとかじを切りましたが、問題は先送りされたにすぎず、むしろ潜在的なリスクが高まったとすら言えるでしょう。
基本的には、衆人環視の状況下では、暴落というのは起きにくいもののようです。暴落の際には口火を切る人がいるわけですが、もし、その売りがきっかけになって投げ売りが始まったならば、世界中からとてつもない非難を浴びるわけで、さすがにいくらがめつく、卑しい連中といえどもそういう暴挙にはなかなか出られないということです。
ただ、例外もあって、リーマン・ショックの時は、金融市場全体が非常事態にあるということを織り込んでいなかったことで、リーマン・ブラザーズが破綻した瞬間、大暴落しました。
あの時は、暴落前にいろんな情報が錯綜して、ちょっとしたきっかけで値が上下しました。「韓国の金融機関がリーマン救済に資金を出す」みたいな怪しげなニュースがそれなりの報道機関から流れ、小反発しましたが、デマでした。この辺も誰がどういうソースから情報を入手して流したのか、誰が売買したのか(売り抜けたのか?)、きちんと検証すべきだと思うのですが、ほっかむりしたままですね。
本当に緊急事態の時には、目の前で暴落ショーが繰り広げられるし、金融機関も何でもありの汚い手を半ば公然に使ってくるということも、リーマンの教訓として頭に入れておいた方がいいでしょう。暴落前の値動きとしては、直近(昨年後半から今年2月中旬くらいまで)の日経平均先物やドル・円の底値付近での動きに似ていました。レンジで方向感なく推移した後、ちょっと上昇して、いきなりずどんと落ちました。2度同じ動きをするかは分かりませんが。
ここ4、5年の状況を見る限りは、誰もが「暴落するかもしれない」と身構えるような状況よりも、パターンとしては、誰もが予期しなかったようなところで、ある日突然、ずどんと暴落するケースが圧倒的に多いような気がします。
チャイナ・ショックだの、ドバイ・ショックだの、ギリシャショックだのと、かなりの値幅を伴った大暴落がいろいろとありましたが、大抵は、抜き打ち的に起きましたよね。日経平均先物の取引時間が今よりうんと短かったので、そう感じるだけかもしれませんが。
でも、全く予期できなかったかというと、必ずしもそうではなく、上昇が一段落した局面であることが多く、数日くらい前から何となくきな臭さがただようというのはあります。高値警戒感みたいなのはあって、いつ崩れるかなとびくびく(あるいはショートを仕込んでわくわく)するような状況です。
ただ、相場全体を揺るがすような大暴落に向かい、一瞬にして暗転するとまでは、誰もが予想できず、高値圏でだらだらとロングを引っ張ったり、それまでの上昇に乗り切れず、未練がましく買い持ちしていた人たちは地獄を見ることになります。
上昇局面が長らく続くと、どうしても市場全体のマインドが緩くなってしまいますからね。買えば上がるというおいしい状況に油断していると、リスク管理の甘さを見事に突かれてしまいます。
往々にして、そういう場面では、どんなに注意深く接していても、上目線が抜けきらないので、なかなか、ショートに転じにくいですしね。「そろそろショートだろう」と思っても、しつこく買われるので疑心暗鬼にもなってしまいます。
唯一の救いは、上昇途中とか下落途中の中途半端で達成感が感じられない局面では、暴落しないことです。これに関しては、いつまでも通用するかどうかは分からないので、あまり安易に信じることはおすすめできませんが。
そういう意味でも、予期しなかったようなところで、暴落はある日、突然やってくるということです。株価が上昇しようと、通貨が買われようと、欧米が衰退し、世界支配が終焉に向かいつつあることは間違いありません。金融緩和で市場をお金でジャブジャブにして、偽りの金融市場の活況を演出し、時間稼ぎをしているにすぎないのです。
トレーダーとして、常に怠ってはならないのは、微妙な値動きに敏感であるべきということと、警戒心を忘れないようにすること。要はそれに尽きます。
パチンコ感覚
ウソか本当かよく分かりませんけど、近年パチンコの売り上げが減っていて、その要因の一つとして、FXに流れているからだそうです。パチンコをやる層とFXにのめり込む層は明らかに違うと思うのですが、射幸心をあおられる点ではパチンコとFXは似ているので、もともとパチンコファンはギャンブル好きでしょうから、FXの面白さを知ってしまった一部ファンが転向するケースは、そこそこあるのかもしれません。
私も前から何度も言っているように、主戦場はFX(ドル・円)で、先物はFXの参考にするために細々とやっているにすぎません。このブログは所詮は「そば屋のカレー」なのです。元々は日経先物中心で、先物歴の方がFX歴よりも長いのですが、安全かつ確実に稼げる局面がFXの方が多いので、一昨年に本格シフトしました。
ただ、そのFXも、(ドル・円に関しては)2010年9月に為替介入が入って以来、テクニカル的に壊れてしまい、ご存じの通り、レンジで不規則な動きをしながら推移する時間が長くなってしまい、わざわざ日経先物から転向するほどのこともなくなったのですが、それでも値動きは先物よりはるかにいいし、市場規模が大きく資金が集まりやすいことや、一応ワールドクラスのプレーヤーはドル・円に集まることから、FXをメインにすえています。
さすがに、ドル・円は、動かないときは不規則な動きをするし、動くときはいちずに動くので、パチンコのように軽い気持ちで乗れるようなシロモノではありません。中には特殊な能力を持っていて、レンジをランダムにうろうろしている時でも、動く時を見極めて乗っかる人もいるのでしょうけど、おそらくレアケースではないでしょうか。
私も、正直よく分からないのですが、パチンコ感覚でやるなら、豪ドル・円とか南アランド・円でしょうかね。ひと昔前の新興株式市場並みに、有象無象の人たちが参加し、それに伴って資金も入ってそこそこボラティリティーもありそうなので、何も考えずに、フィーリングにまかせて、ちょい乗りするにはいいのかもしれません。
かつては東証マザーズや大証ヘラクレス、ジャスダックの新興株なんかは、テクニカルなど深く考えずに、感覚でトレードした方が稼げる時期がありました。株遊びをしていた人たちが、ランドや豪ドルに移ったということなんでしょうね。
私は根拠のないトレードはあまり得意ではないですが、適度にボラティリティーがある通貨ならば、スキャルピングでそこそこ稼げるのでしょう。今でもかつての新興株デイトレードブームでひと儲けして一世風靡した人が、デイトレ結果を開示していますけど、あれと一緒ですよね。
あのブームにのって、一獲千金を狙って追随した人が多数いましたが、ほとんどの人は戦死しましたね。今でも生き残っている人は奇跡的だし、才能があると誇って良いでしょう。ただし、トレードの才能というよりは、ギャンブルですけどね。
私の知っている人も、会社を辞めてデイトレードを始めたのですが、最初のうちはうまくいっていたのが、ある時、どつぼにはまってしまい、自己資金を失って撤退し、再就職する羽目になりました。幸い、リーマン・ショック前で、一応手に職を持っていた人なので、人生のやり直しがききましたが、そうでない人は道を踏み外してしまうでしょうね。
ギャンブルとトレードとは分けて考えた方が良いと思いますし、トレードと「投資」というのも、ひとくくりにされますけど微妙に違います。その辺は区別して臨まないと、痛い目に遭います。
ただ単にお金だけが目当てであまり勉強もしない人は、単にギャンブル好きな人でしょう。自分では違うと思っていても、はたからみるとお金をどぶに捨てるような行為ですから、それはすなわちギャンブルです。
トレードは時にはギャンブル的な性質を帯びつつ、さまざまな状況を考慮して、値動きに乗るという行為でしょうかね。テクニカルだけでなくファンダメンタルの知識もある程度必要なので投資に近いですが、機械的にテクニカル的に売買する要素も強いので、トレードはトレードと考えるべきでしょう。
投資はもう少し、大局的で、中長期的な視点に立つものです。ギャンブルやトレードと比べると、基本的には安全な資産に資金を投じるので堅実なのですが、小回りがききにくく、時代の変化に対応しにくいという弱点もあります。また、一見しっかりしている人が運用しているように見えて、実は大した能力がなかったりするので、実際には投資とは名ばかりでギャンブルと紙一重ではないかという側面もあります。年金運用なんかまさにそうですよね。本当に金をどぶに捨てています。米国にも貢がされていますし。
一つ言えるのは、世の中、そう簡単には楽して儲けられることなんてありません。よほどギャンブル運のある人、天性の勘があるのなら別ですが、普通の人が簡単に手出しして、儲けられるようなものでもないということだけは指摘しておきましょう。
私も前から何度も言っているように、主戦場はFX(ドル・円)で、先物はFXの参考にするために細々とやっているにすぎません。このブログは所詮は「そば屋のカレー」なのです。元々は日経先物中心で、先物歴の方がFX歴よりも長いのですが、安全かつ確実に稼げる局面がFXの方が多いので、一昨年に本格シフトしました。
ただ、そのFXも、(ドル・円に関しては)2010年9月に為替介入が入って以来、テクニカル的に壊れてしまい、ご存じの通り、レンジで不規則な動きをしながら推移する時間が長くなってしまい、わざわざ日経先物から転向するほどのこともなくなったのですが、それでも値動きは先物よりはるかにいいし、市場規模が大きく資金が集まりやすいことや、一応ワールドクラスのプレーヤーはドル・円に集まることから、FXをメインにすえています。
さすがに、ドル・円は、動かないときは不規則な動きをするし、動くときはいちずに動くので、パチンコのように軽い気持ちで乗れるようなシロモノではありません。中には特殊な能力を持っていて、レンジをランダムにうろうろしている時でも、動く時を見極めて乗っかる人もいるのでしょうけど、おそらくレアケースではないでしょうか。
私も、正直よく分からないのですが、パチンコ感覚でやるなら、豪ドル・円とか南アランド・円でしょうかね。ひと昔前の新興株式市場並みに、有象無象の人たちが参加し、それに伴って資金も入ってそこそこボラティリティーもありそうなので、何も考えずに、フィーリングにまかせて、ちょい乗りするにはいいのかもしれません。
かつては東証マザーズや大証ヘラクレス、ジャスダックの新興株なんかは、テクニカルなど深く考えずに、感覚でトレードした方が稼げる時期がありました。株遊びをしていた人たちが、ランドや豪ドルに移ったということなんでしょうね。
私は根拠のないトレードはあまり得意ではないですが、適度にボラティリティーがある通貨ならば、スキャルピングでそこそこ稼げるのでしょう。今でもかつての新興株デイトレードブームでひと儲けして一世風靡した人が、デイトレ結果を開示していますけど、あれと一緒ですよね。
あのブームにのって、一獲千金を狙って追随した人が多数いましたが、ほとんどの人は戦死しましたね。今でも生き残っている人は奇跡的だし、才能があると誇って良いでしょう。ただし、トレードの才能というよりは、ギャンブルですけどね。
私の知っている人も、会社を辞めてデイトレードを始めたのですが、最初のうちはうまくいっていたのが、ある時、どつぼにはまってしまい、自己資金を失って撤退し、再就職する羽目になりました。幸い、リーマン・ショック前で、一応手に職を持っていた人なので、人生のやり直しがききましたが、そうでない人は道を踏み外してしまうでしょうね。
ギャンブルとトレードとは分けて考えた方が良いと思いますし、トレードと「投資」というのも、ひとくくりにされますけど微妙に違います。その辺は区別して臨まないと、痛い目に遭います。
ただ単にお金だけが目当てであまり勉強もしない人は、単にギャンブル好きな人でしょう。自分では違うと思っていても、はたからみるとお金をどぶに捨てるような行為ですから、それはすなわちギャンブルです。
トレードは時にはギャンブル的な性質を帯びつつ、さまざまな状況を考慮して、値動きに乗るという行為でしょうかね。テクニカルだけでなくファンダメンタルの知識もある程度必要なので投資に近いですが、機械的にテクニカル的に売買する要素も強いので、トレードはトレードと考えるべきでしょう。
投資はもう少し、大局的で、中長期的な視点に立つものです。ギャンブルやトレードと比べると、基本的には安全な資産に資金を投じるので堅実なのですが、小回りがききにくく、時代の変化に対応しにくいという弱点もあります。また、一見しっかりしている人が運用しているように見えて、実は大した能力がなかったりするので、実際には投資とは名ばかりでギャンブルと紙一重ではないかという側面もあります。年金運用なんかまさにそうですよね。本当に金をどぶに捨てています。米国にも貢がされていますし。
一つ言えるのは、世の中、そう簡単には楽して儲けられることなんてありません。よほどギャンブル運のある人、天性の勘があるのなら別ですが、普通の人が簡単に手出しして、儲けられるようなものでもないということだけは指摘しておきましょう。
踏み上げ
相場格言に「上昇3日、下げ1日」(のようなもの)があります。基本的には自由(ご承知の通り、実際には政策介入で本当に自由化どうかは大いに疑問があるのですが)に値動きするマーケットでは、大体、前日終値なんかを基準に上昇する日と下落する日を分析すれば、上昇する日の方が多く、おそらくならせば格言通り3:1くらいの比率なのでしょう。
ドル・円や日経先物なんかをウォッチしていると、あまり実感が湧かないかもしれないし、特にこの1年間は迷走する時間帯が長く、当てはまらないかもしれませんが、昨年の東日本大震災直後のパニック的な暴落や、為替介入前後の動きを考えても、下げたのは一瞬で、むしろその後反転、上昇した時間の方が圧倒的に長く、ショートよりもロングで狙った方が安全に稼げたという思い出があります。
買って(ロングで)儲けるというのは、ごく単純で何となく人間の本能的に受け入れやすいものがあると思いますし、以前にも若干触れましたが、大手金融機関やファンドには空売り規制がかかっているので、ショートよりもロングで稼がなければならないという事情があり、それでさっと下げて、上昇させた方が得策という思惑も働くでしょう。
これはテクニカルがどうのこうのというよりは、相場の持つ根源的な性質ですね。ある意味、こうした性質をうまく利用すれば、システムトレードというのも理にかなっているのですが、往々にして、相場の動きをとらえきれません。システムつぶしみたいな動きが必ず出てきますし、先物はほぼ24時間取引になっているので、何を基準に取引すればいいのか分かりづらい部分もありますからね。
こうしたことを踏まえれば、ショートというのがいかに危険な取引か、ギャンブルに近いか理解できるでしょう。2006年から2007年ごろの、日経平均が16000~18000といった高値圏にあった頃は、さすがにいつバブルがはじけるかという時期だったので、ショートの方が稼ぎやすく、私の周囲でも「ショートでしか稼いだことがない」「ロングが怖い」という声をよく聞きました。
リーマン・ショックを挟んで、7000割れまで下げたわけですから、1万円超の下げ幅です。さすがにこういう局面では、思い切ってショートを振っていった方がいいでしょう。ただ、まさにリーマン・ショック真っただ中の11500から7000割れにかけては、1日の下げ幅が1000円超とか、その一方で上げ幅も1000円超を記録するという、パニック状態だったので、うまくショートを仕込んだとしても、安閑としていられなかったでしょう。下値めどもわかりにくかったのではないかと思います。
また、株も為替もそうですが、あまりにも下げすぎたら、必ず政策介入が入ります。本当に実効性があるかどうかは別にして、介入が入ったら、売りに対する牽制になるので、そこからさらに売り進もうとする動きは歯止めがかかり、そこが目先の底になります。一方、上昇しすぎた場合は、大したアクションはありません。せいぜい政策金利が引き上げられるくらいでしょうかね。それに不思議とドル高は牽制されませんし。
しかも、下げる場合は、短期間にそれなりの値幅を伴うのに大して、上昇局面では時間をかけてだらだらと上げます。だから、一回、踏み上げでつかまると、なかなか逃れられず、しかもロスカットのタイミングを逸してしまうことも多いのです。
だから、ショートというのは基本的にやりづらく、よほどうまくやらないと、失敗すれば命取りになりかねません。もちろんロングで失敗するケースもありますが、下げるときは勢いよく下げるケースが多いので、軌道修正がやりやすいですし、ショートに反転すれば挽回できるケースも少なくないです。
ちなみに、昨年の東日本大震災直後に福島原発事故をネタにしたパニック売り(仕掛けたのはおそらく米国勢でしょう)があり、一気に7800まで下げたときは、オプションを仕込んだ人たち(震災前までは11000をトライするかどうかが焦点でイケイケでした)が多額の借金を抱えて撤退し、口座開設先のネット証券会社から、証拠金を吹き飛ばし、さらに損失までこうむったトレーダーが、かなり強引に取り立てを受け、社会問題化しました。
このショックで、先物・オプションから撤退する証券会社も出て、ひまわり証券は、先物・オプションだけでなく、証券部門からも撤退し、FX会社になってしまいました。
東日本大震災の場合は、直後に逃げ場がありましたが、ロングでもショートでも心して臨まないと危ないということです。とはいえ、私が今まで見てきた中では、ロングで失敗するよりは、ショートで踏み上げられて、資金を失っ撤退というケースが極めて多いです。
ショートはリスクがあるということを踏まえつつ、当面(今後1~3年)の大目標は、欧州が連鎖して国家経営に行き詰まり、最終的に米国が国家破綻というところにあります。だから、それをうまく利用してショートでボロ儲けすることを照準としなければなりません。そこへ至る道は曲折、多難が予想されますが、総合力を結集して、臨まなければなりません。
ドル・円や日経先物なんかをウォッチしていると、あまり実感が湧かないかもしれないし、特にこの1年間は迷走する時間帯が長く、当てはまらないかもしれませんが、昨年の東日本大震災直後のパニック的な暴落や、為替介入前後の動きを考えても、下げたのは一瞬で、むしろその後反転、上昇した時間の方が圧倒的に長く、ショートよりもロングで狙った方が安全に稼げたという思い出があります。
買って(ロングで)儲けるというのは、ごく単純で何となく人間の本能的に受け入れやすいものがあると思いますし、以前にも若干触れましたが、大手金融機関やファンドには空売り規制がかかっているので、ショートよりもロングで稼がなければならないという事情があり、それでさっと下げて、上昇させた方が得策という思惑も働くでしょう。
これはテクニカルがどうのこうのというよりは、相場の持つ根源的な性質ですね。ある意味、こうした性質をうまく利用すれば、システムトレードというのも理にかなっているのですが、往々にして、相場の動きをとらえきれません。システムつぶしみたいな動きが必ず出てきますし、先物はほぼ24時間取引になっているので、何を基準に取引すればいいのか分かりづらい部分もありますからね。
こうしたことを踏まえれば、ショートというのがいかに危険な取引か、ギャンブルに近いか理解できるでしょう。2006年から2007年ごろの、日経平均が16000~18000といった高値圏にあった頃は、さすがにいつバブルがはじけるかという時期だったので、ショートの方が稼ぎやすく、私の周囲でも「ショートでしか稼いだことがない」「ロングが怖い」という声をよく聞きました。
リーマン・ショックを挟んで、7000割れまで下げたわけですから、1万円超の下げ幅です。さすがにこういう局面では、思い切ってショートを振っていった方がいいでしょう。ただ、まさにリーマン・ショック真っただ中の11500から7000割れにかけては、1日の下げ幅が1000円超とか、その一方で上げ幅も1000円超を記録するという、パニック状態だったので、うまくショートを仕込んだとしても、安閑としていられなかったでしょう。下値めどもわかりにくかったのではないかと思います。
また、株も為替もそうですが、あまりにも下げすぎたら、必ず政策介入が入ります。本当に実効性があるかどうかは別にして、介入が入ったら、売りに対する牽制になるので、そこからさらに売り進もうとする動きは歯止めがかかり、そこが目先の底になります。一方、上昇しすぎた場合は、大したアクションはありません。せいぜい政策金利が引き上げられるくらいでしょうかね。それに不思議とドル高は牽制されませんし。
しかも、下げる場合は、短期間にそれなりの値幅を伴うのに大して、上昇局面では時間をかけてだらだらと上げます。だから、一回、踏み上げでつかまると、なかなか逃れられず、しかもロスカットのタイミングを逸してしまうことも多いのです。
だから、ショートというのは基本的にやりづらく、よほどうまくやらないと、失敗すれば命取りになりかねません。もちろんロングで失敗するケースもありますが、下げるときは勢いよく下げるケースが多いので、軌道修正がやりやすいですし、ショートに反転すれば挽回できるケースも少なくないです。
ちなみに、昨年の東日本大震災直後に福島原発事故をネタにしたパニック売り(仕掛けたのはおそらく米国勢でしょう)があり、一気に7800まで下げたときは、オプションを仕込んだ人たち(震災前までは11000をトライするかどうかが焦点でイケイケでした)が多額の借金を抱えて撤退し、口座開設先のネット証券会社から、証拠金を吹き飛ばし、さらに損失までこうむったトレーダーが、かなり強引に取り立てを受け、社会問題化しました。
このショックで、先物・オプションから撤退する証券会社も出て、ひまわり証券は、先物・オプションだけでなく、証券部門からも撤退し、FX会社になってしまいました。
東日本大震災の場合は、直後に逃げ場がありましたが、ロングでもショートでも心して臨まないと危ないということです。とはいえ、私が今まで見てきた中では、ロングで失敗するよりは、ショートで踏み上げられて、資金を失っ撤退というケースが極めて多いです。
ショートはリスクがあるということを踏まえつつ、当面(今後1~3年)の大目標は、欧州が連鎖して国家経営に行き詰まり、最終的に米国が国家破綻というところにあります。だから、それをうまく利用してショートでボロ儲けすることを照準としなければなりません。そこへ至る道は曲折、多難が予想されますが、総合力を結集して、臨まなければなりません。
時間感覚
日本では何かをやろうとしたり、変えようとしたりするとものすごく時間がかかります。新しい事を始めたのはいいですが、勇み足で飛びついてしまい、失敗してしまったというのは、ままあることで、慎重に事を運ぶという意味では、それでもいいのかもしれません。
ただ、世界的には、情報通信技術の発展や、交通網の充実で、どんどん時代の流れというのは速くなっており、スピード感が重要となる分野が増えています。時代から取り残されると、将来に禍根となり、命取りにもなりかねないのです。
このブログでは毎度、言及していますが、日本の電機メーカーは、まだ10年ほど前は、世界のトップを走っていたのですが、いまや韓国、台湾メーカーの後塵を拝し、背中が見えなくなりつつあります。さらには、中国に抜きされるのも時間の問題でしょう。
「円高」を言い訳にしますが、それが理由の一つであることは認めますが、グローバル展開の遅さがこうした事態を招いたことは否めません。日本メーカーが国内市場で不毛な争いをしている間に韓国のサムスン電子は、世界の隅々にまで製品を供給する販売網を築き上げたのです。世界のどんな小さな村でもサムスン製品を見かけることができるといっても過言ではなくなりました。
台湾メーカーは私たちには姿が見えにくいですが、中国メーカーと共同で、世界最大の市場にがっちりと食い込み、さらには余勢を駆って韓国に続いて世界をうかがいます。
世界の人々の所得が向上し、どんどん豊かになっていくという、大きな流れを見極めることができず、しかもタイムリーな経営判断ができなかったことが、日本メーカーの最大の敗因でしょう。多くの製品は20年前くらいからすでに、海外生産していたわけで、円高などはっきりいって言いわけにはなりません。中国に工場を建てればいいのです。中国でうまくいかないならベトナムやその他有望な投資先があるわけです。円高を言い訳にするのはボンクラ経営者です。
大小多くのメーカーが乱立する、電機の分野はとりわけ競争が激しく、風景が一変してしまいましたが、いずれ日本が今のところまだ優位に立つ自動車も後に続くでしょうね。すでにその兆候はあって、トヨタ自動車は利幅の大きい車が売れていた欧米に深入りするあまり、新興国の開拓は後手に回り、独フォルクス・ワーゲンや、韓国・現代自動車に後れを取りつつあります。それどころか米ゼネラル・モーターズも先行しています。
ここへきて感情的なものもあって、「中国経済に陰り」みたいなことをやたらとメディアが言い立てますが、バカ言っちゃぁいけません。中国はたしかに成長の勢いは徐々に鈍化していくでしょうが、それでも8%成長ですよ。成長どころか後退しつつある欧米や日本とは違うのです。1%でも利息がつけば御の字のこの時代に、8%も成長するんですよ。
中国の沿岸部は勢いは衰えつつありますが、内陸部にはまだまだ豊かさを求めて貪欲に働きまわる人々がいるのです。また、中国の中間層、富裕層はどんどん消費が成熟しつつあり、そうなると日本企業には商機が大いにありますし、何より日本は節約とかエコとか、しみったれていますが、派手に金を使う性向があります。それは中国経済の底堅さを演出するでしょう。
日本には地理的な近さもあるし、文化的に欧米より中国に近く、ニーズをつかみやすいなど、多くのアドバンテージがあると思いますが、うかうかしていると、かっさらわれてしまいます。日本企業を研究して、自分のものにしようとする中国人留学生やビジネスマンはうようよいます。多少は向う傷を負っても、一気呵成に攻めてしまわないと、せっかくのアドバンテージも宝の持ち腐れになってしまいます。
長らく恵まれた立場にあると、感覚がマヒして貪欲さが失われてしまうのでしょうね。日本は時代の流れがまだ遅かった時代に、経済大国となり、ブラウン管テレビやVTR、ラジカセ、ウォークマンなんかを何十年もつくって、利益を上げてきました。
今では商品サイクル、栄枯盛衰が激しく、一つの商品で3年も儲けられればいい方ではないでしょうか。あのサムスンやLG電子でさえ、テレビ関連の投資は重荷になりつつあります。だから、儲かる商品、世界が求める商品、役に立つ商品の開発をもっともっとスピード感を持って進めないといけないし、臨機応変にビジネスモデルを構築する必要があります。
韓国や台湾なんて日本より遅れてスタートし、不利な立場だったので、逆に鍛えられてたくましくなりました。韓国、台湾よりもさらに厳しい環境におかれる中国はさらに強い体質になるでしょう。こうした相手と戦うには、もっともっとスピードを上げていかなければなりません。殿様商売では振り向いてもらえないし、いいものがあっても、マネされて埋没してしまうでしょう。
リニア新幹線の整備計画なんて、半世紀ぐらい前からあったんですよ。それが完成するのが2020年代なんて、「今まで何やってたの?」っていう感じです。それに2020年代といわず、やろうと思えば、2010年代に東京-大阪間でフル開業できるはずです。
リニア新幹線の完成を早めることで、どれだけ経済効果があることか。逆に計画が遅れたことで、かなりの損失を被っているということにもなるのです。このあたり、時代を見極めることのできる人材をもっともっと養成しないといけないし、私たち個人個人も感覚を研ぎ澄ませる必要があります。
ただ、世界的には、情報通信技術の発展や、交通網の充実で、どんどん時代の流れというのは速くなっており、スピード感が重要となる分野が増えています。時代から取り残されると、将来に禍根となり、命取りにもなりかねないのです。
このブログでは毎度、言及していますが、日本の電機メーカーは、まだ10年ほど前は、世界のトップを走っていたのですが、いまや韓国、台湾メーカーの後塵を拝し、背中が見えなくなりつつあります。さらには、中国に抜きされるのも時間の問題でしょう。
「円高」を言い訳にしますが、それが理由の一つであることは認めますが、グローバル展開の遅さがこうした事態を招いたことは否めません。日本メーカーが国内市場で不毛な争いをしている間に韓国のサムスン電子は、世界の隅々にまで製品を供給する販売網を築き上げたのです。世界のどんな小さな村でもサムスン製品を見かけることができるといっても過言ではなくなりました。
台湾メーカーは私たちには姿が見えにくいですが、中国メーカーと共同で、世界最大の市場にがっちりと食い込み、さらには余勢を駆って韓国に続いて世界をうかがいます。
世界の人々の所得が向上し、どんどん豊かになっていくという、大きな流れを見極めることができず、しかもタイムリーな経営判断ができなかったことが、日本メーカーの最大の敗因でしょう。多くの製品は20年前くらいからすでに、海外生産していたわけで、円高などはっきりいって言いわけにはなりません。中国に工場を建てればいいのです。中国でうまくいかないならベトナムやその他有望な投資先があるわけです。円高を言い訳にするのはボンクラ経営者です。
大小多くのメーカーが乱立する、電機の分野はとりわけ競争が激しく、風景が一変してしまいましたが、いずれ日本が今のところまだ優位に立つ自動車も後に続くでしょうね。すでにその兆候はあって、トヨタ自動車は利幅の大きい車が売れていた欧米に深入りするあまり、新興国の開拓は後手に回り、独フォルクス・ワーゲンや、韓国・現代自動車に後れを取りつつあります。それどころか米ゼネラル・モーターズも先行しています。
ここへきて感情的なものもあって、「中国経済に陰り」みたいなことをやたらとメディアが言い立てますが、バカ言っちゃぁいけません。中国はたしかに成長の勢いは徐々に鈍化していくでしょうが、それでも8%成長ですよ。成長どころか後退しつつある欧米や日本とは違うのです。1%でも利息がつけば御の字のこの時代に、8%も成長するんですよ。
中国の沿岸部は勢いは衰えつつありますが、内陸部にはまだまだ豊かさを求めて貪欲に働きまわる人々がいるのです。また、中国の中間層、富裕層はどんどん消費が成熟しつつあり、そうなると日本企業には商機が大いにありますし、何より日本は節約とかエコとか、しみったれていますが、派手に金を使う性向があります。それは中国経済の底堅さを演出するでしょう。
日本には地理的な近さもあるし、文化的に欧米より中国に近く、ニーズをつかみやすいなど、多くのアドバンテージがあると思いますが、うかうかしていると、かっさらわれてしまいます。日本企業を研究して、自分のものにしようとする中国人留学生やビジネスマンはうようよいます。多少は向う傷を負っても、一気呵成に攻めてしまわないと、せっかくのアドバンテージも宝の持ち腐れになってしまいます。
長らく恵まれた立場にあると、感覚がマヒして貪欲さが失われてしまうのでしょうね。日本は時代の流れがまだ遅かった時代に、経済大国となり、ブラウン管テレビやVTR、ラジカセ、ウォークマンなんかを何十年もつくって、利益を上げてきました。
今では商品サイクル、栄枯盛衰が激しく、一つの商品で3年も儲けられればいい方ではないでしょうか。あのサムスンやLG電子でさえ、テレビ関連の投資は重荷になりつつあります。だから、儲かる商品、世界が求める商品、役に立つ商品の開発をもっともっとスピード感を持って進めないといけないし、臨機応変にビジネスモデルを構築する必要があります。
韓国や台湾なんて日本より遅れてスタートし、不利な立場だったので、逆に鍛えられてたくましくなりました。韓国、台湾よりもさらに厳しい環境におかれる中国はさらに強い体質になるでしょう。こうした相手と戦うには、もっともっとスピードを上げていかなければなりません。殿様商売では振り向いてもらえないし、いいものがあっても、マネされて埋没してしまうでしょう。
リニア新幹線の整備計画なんて、半世紀ぐらい前からあったんですよ。それが完成するのが2020年代なんて、「今まで何やってたの?」っていう感じです。それに2020年代といわず、やろうと思えば、2010年代に東京-大阪間でフル開業できるはずです。
リニア新幹線の完成を早めることで、どれだけ経済効果があることか。逆に計画が遅れたことで、かなりの損失を被っているということにもなるのです。このあたり、時代を見極めることのできる人材をもっともっと養成しないといけないし、私たち個人個人も感覚を研ぎ澄ませる必要があります。