以前にも、たしか日経平均(先物)が75日線を上抜けようとしているか、上抜けたときだったと思いますが、移動平均線について整理しておきました。日経平均に加え、ドル・円が同時に200日線を超えるという何年に一度かの大きな出来事なので、再度、触れておきたいと思います。
テクニカルについて、一家言ある、通ぶった人たちは、移動平均線を頭から否定しますが、大口のマーケット参加者の間では、注目度が高いテクニカル・ツールです。たしかに日常、頻繁に役に立つというものではないですが、ある程度注目度が高ければ、意識され、暗黙のコンセンサスになるので、きちんと吟味しないまま、全否定しまう連中の方が馬鹿だと思った方がいいです。その辺は柔軟に考えたいところです。
ぶっちゃけると、リーマン・ショック前までは分足レベルで、移動平均線が意識されていたんですよね。1分足の75本線(5分足の15本線にほぼ等しい)とか、200本線は、デイトレードをする上で、知っていて当然のツールでした。1分75本線を抜けると半日くらい、堅調あるいは軟調が続くし、さらに200本線を抜けるときは、かなりのエネルギーが発生し、一気に相場が活気づきました。
今よりも相場参加者、流入資金が多く、相場全体に余裕があった時代の話です。時間稼ぎや値幅調整のために適当に相場が動く必要があり、その基準として分レベルの移動平均線が意識されていました。日中の値幅が100円以下のことが多い、現在は通用しません。
その当時、「移動平均を使っている奴はクソ」みたいなことをいう人がいましたが、「頭悪いなぁ」と思って見ていました。移動平均さえ使いこなせば、ラージ1枚で1日10万円くらいは余裕で稼げる時代があったのです。
私は現在は、ポジションをオーバーナイトしますが、かつては取引時間が午後3時10分、あるいは後にイブニング・セッションができて午後8時までと短く、しかもギャップや窓を開けて何百円も上下したので、危なっかしくて仕方なく、よほどの根拠がある時か、ポジションの手じまいを忘れた時以外は、デイトレードに徹していました。日中、安全に100円以上値幅を獲れたので、あえて、リスクを取ってまでスイングをする必要性が全く感じられませんでした。
前にも指摘したと思いますが、移動平均の使い方として適切なのは、上昇が続いている時や、下落が長期にわたるみたいな時に、逆張りの指標とするのがいいでしょうね。日柄計算の参考になります。
例えば、いったん75日線を抜けたら、平均して75日くらいは、離れていくのです。だから75日間上昇が続いたら、そろそろ下落モードに転じるかなぁという視点で、今度は75日線をどういう形で下抜けるかというシミュレーションをすればいいし、200日線についても同様。
ただし、75日とか200日というのは一つの目安であって、抜けてから75日過ぎたから、200日過ぎたからといって、必ずしも相場が反転するわけではなく、100日たってから75日線を抜けることもあれば、わずか3、4日で再び、元の線をまたいで元の位置に戻ってしまうといったこともあり得ます。
ほかのテクニカル指標と同様に確実に結果を保証するものではなく、あくまでも相場について考える根拠、材料の一つ程度の軽い気持ちで考えるといいでしょうね。ただ、繰り返しますが、75日線、200日線、あと5日線、25日線は、かなり注目度が高いので、毎日、毎日そればっかりあてにはできませんが、定期的にチェックしておきたい指標です。
今回、日経平均、ドル・円ともに久しぶりに明確に200日線を上抜けつつありますが、あらためて株価とドル・円はかなりの相関性があるのだなということを認識させられます。
ともに、一時的にピョコンと抜けたことはあっても、すぐに頭を押さえつけられ、本格的に200日線を抜けるのは数年ぶりのことなので、さすがに「そろそろ上昇相場」に転じてもいいだろうと、否応なく期待は高まります。それに、これも何度も指摘していますが、月足もいい形状になっています。
偉そうにテクニカルだなんだと言って、いろんなものを持ち出しても、チャートの形からイメージする部分も大きく、そこから考えても、ショートよりもロング目線で見たいものです。
いまだにショートで踏まれている人がいるみたいですが、この人たちは、研究が足りないとか、知識、経験が不足している云々ではなく、単にトレードのセンスが極端に欠如しているということです。人それぞれ才能、才覚、資質の有無があるでしょうから、トレードには向いていないと自覚し、違う道を模索するのも賢明な判断でしょう。
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電機ショック
日本のものづくりや先端産業の象徴だった、電機メーカーの2012年3月期の業績予想は、円高や韓国勢などとの競争激化などに伴う価格下落による市況悪化、さらには東日本大震災、タイ洪水の影響で、厳しい経営環境に見舞われ、軒並み大幅な下方修正を迫られました。
このブログでは折に触れて、電機業界について分析してきましたし、いまさら言うまでもないですが、世界的に供給過剰が著しいテレビ、半導体の採算悪化が目立ちますね。これはリーマン・ショック前からその兆候がありましたし、継続してウォッチしていれば、下方修正はむしろ当たり前であり、驚くには値しないと思うのですが、世間の人には衝撃を与えたようです。
日経平均先物ブログでも、電機業界について取り上げた記事が散見されましたが、どれも薄っぺらいですね。「テレビ事業の統合を進めよ」みたいなことを偉そうに書いているところもありましたが、どの社もリストラに次ぐリストラで乾いたぞうきん状態で、製造すれば製造するだけ赤字が出るのに、統合してどうしようというのか? マイナス1足すマイナス1はプラスになるのでしょうか? 勢いがある韓国メーカーだってテレビ、半導体事業はあまりもうからないんです。物を知らない、頭の悪い奴が分析しても、この程度だし、特段おもしろいことを書いているわけでもありません。
各社の決算短信を基にまとめてみると、2012年3月期の純損益予想は、以下の通りとなります。
日立製作所 +2000億円(-16.3%)
パナソニック -7800億円(前期+740億円)
ソニー -2200億円(前期-2595億円)
東芝 +650億円(-52.8%)
富士通 +350億円(-36.5%)
三菱電機 +1000億円(-19.7%)
NEC -1000億円(前期-125億円)
シャープ -2900億円(前期+194億円)
新聞各社、NHKなんかはトップ級で、電機業界の業績予想の悪化を取り上げていましたが、すべてをいっしょくたにするのもどうかと思いますけどね。
見出しとしては「日本の電機業界に試練」「韓国勢に抜かれる」みたいなことをバーンと持ってくれば、読者、視聴者の目を引くのでしょうけど、乱暴すぎですよね。やたらと放射能の危機をあおるのと同じパターンが透けて見えます。
テレビ、半導体、そしてスマートフォンなんかだけを見ると、確かにそうなのですが、前にも指摘したように、これらの分野はもはや「水商売」なんですよね。安定した収益源としては期待できません。生産効率化や価格下落でコモディティー化している上、中国メーカーなんかも実力を付けてきていて、こんな土俵で戦っても仕方がないんですよね。
発電所とか送電網、交通などインフラ部門を持つ、日立、東芝、三菱なんかは、むしろ善戦していると思います。コンシューマーだけでなく、企業向けのビジネスを展開する富士通なんかもそうですね。NECの駄目さ加減は独壇場ですが。
とにかく、電機メーカーというと、AVやパソコン(半導体)、白物家電といった身近な分野を思い浮かべますが、いろんな事業を抱えています。事業分野によって利幅や好調不調が違うので、一概に論じるのは難しいのです。
一般的にコンシューマーに近い部門は競争が激しく、テレビ事業にこだわりを持つパナソニック、ソニー、シャープがとりわけ業績が厳しいのは、こうした背景があります。パナソニックはプラズマ、液晶の二正面戦略が裏目に出た形で、これは完全に経営判断ミスですね。私はこの10年来あの会社をウォッチしていますが、現社長の頭の悪さは相当です。本来なら即座に引責辞任するべきですが、人材がいないのでしょうかね。
環境分野に活路を見いだすと、社長さんはおっしゃいますが、彼らの言う「環境」とは節電、省エネとか太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池とかそんな分野であり、国内外を問わずいろんな企業、業種から参入してくるので有望な分野とは思えませんがね。
ソニーはグローバルな販売網で、韓国サムスン電子にひけを取らないし、日本メーカーで韓国勢に対抗するならばやはりこの会社しかないのですが、分が悪いですね。テレビのパネルを自社生産していない分、パナソニックより赤字幅は小さいですが、それでも劣勢が続いています。ネットTVなど次世代型のテレビなんかではソフトを持つ強みがあり、ポテンシャルはあると思いますが、今後の奮起を期待したいです。
シャープはテレビもそうですが、太陽電池事業も苦しいですね。どちらも価格下落が激しい分野です。かつては他社に先駆けるアイデアで勝負するというイメージがありましたが、最近は冴えないですね。液晶テレビに次ぐ、世界をリードする商品が見当たりません。サプライズを期待したいですね。
日本の電機メーカーが抱えている問題は、日本の強みを打ち出せる商品やビジネスモデルを打ち出せず、韓国と同じ土俵で戦わざるを得ないことです。
昨年秋に、ロボット見本市だか展示会だかが開催されましたが、建設現場とか、介護現場とかで、肉体労働を軽減する、パワースーツが目を引きました。力仕事は3K(きつい、汚い、臭いあるいは給料安い)職場ともいわれ、それなりにニースはあっても、就業したいと思う人が少ない分野です。
パワースーツの導入で、かなり仕事の在り方が変わると思うのですがね。特に人手不足が厳しい、介護職場やなんかでは、肉体の負担が軽減され、介護に要する時間も短縮されるでしょうから、現場の人から感謝されると思います。
家事労働を軽減するロボットや電気機器なんかももっと出てきてもいいと思います。本気になって探せば、いろいろと宝の山は眠っているはずです。もっともっと従来の思考方法や、しがらみにとらわれず、頭を切り換えてビジネスマインドを発揮してほしいと期待しています。
このブログでは折に触れて、電機業界について分析してきましたし、いまさら言うまでもないですが、世界的に供給過剰が著しいテレビ、半導体の採算悪化が目立ちますね。これはリーマン・ショック前からその兆候がありましたし、継続してウォッチしていれば、下方修正はむしろ当たり前であり、驚くには値しないと思うのですが、世間の人には衝撃を与えたようです。
日経平均先物ブログでも、電機業界について取り上げた記事が散見されましたが、どれも薄っぺらいですね。「テレビ事業の統合を進めよ」みたいなことを偉そうに書いているところもありましたが、どの社もリストラに次ぐリストラで乾いたぞうきん状態で、製造すれば製造するだけ赤字が出るのに、統合してどうしようというのか? マイナス1足すマイナス1はプラスになるのでしょうか? 勢いがある韓国メーカーだってテレビ、半導体事業はあまりもうからないんです。物を知らない、頭の悪い奴が分析しても、この程度だし、特段おもしろいことを書いているわけでもありません。
各社の決算短信を基にまとめてみると、2012年3月期の純損益予想は、以下の通りとなります。
日立製作所 +2000億円(-16.3%)
パナソニック -7800億円(前期+740億円)
ソニー -2200億円(前期-2595億円)
東芝 +650億円(-52.8%)
富士通 +350億円(-36.5%)
三菱電機 +1000億円(-19.7%)
NEC -1000億円(前期-125億円)
シャープ -2900億円(前期+194億円)
新聞各社、NHKなんかはトップ級で、電機業界の業績予想の悪化を取り上げていましたが、すべてをいっしょくたにするのもどうかと思いますけどね。
見出しとしては「日本の電機業界に試練」「韓国勢に抜かれる」みたいなことをバーンと持ってくれば、読者、視聴者の目を引くのでしょうけど、乱暴すぎですよね。やたらと放射能の危機をあおるのと同じパターンが透けて見えます。
テレビ、半導体、そしてスマートフォンなんかだけを見ると、確かにそうなのですが、前にも指摘したように、これらの分野はもはや「水商売」なんですよね。安定した収益源としては期待できません。生産効率化や価格下落でコモディティー化している上、中国メーカーなんかも実力を付けてきていて、こんな土俵で戦っても仕方がないんですよね。
発電所とか送電網、交通などインフラ部門を持つ、日立、東芝、三菱なんかは、むしろ善戦していると思います。コンシューマーだけでなく、企業向けのビジネスを展開する富士通なんかもそうですね。NECの駄目さ加減は独壇場ですが。
とにかく、電機メーカーというと、AVやパソコン(半導体)、白物家電といった身近な分野を思い浮かべますが、いろんな事業を抱えています。事業分野によって利幅や好調不調が違うので、一概に論じるのは難しいのです。
一般的にコンシューマーに近い部門は競争が激しく、テレビ事業にこだわりを持つパナソニック、ソニー、シャープがとりわけ業績が厳しいのは、こうした背景があります。パナソニックはプラズマ、液晶の二正面戦略が裏目に出た形で、これは完全に経営判断ミスですね。私はこの10年来あの会社をウォッチしていますが、現社長の頭の悪さは相当です。本来なら即座に引責辞任するべきですが、人材がいないのでしょうかね。
環境分野に活路を見いだすと、社長さんはおっしゃいますが、彼らの言う「環境」とは節電、省エネとか太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池とかそんな分野であり、国内外を問わずいろんな企業、業種から参入してくるので有望な分野とは思えませんがね。
ソニーはグローバルな販売網で、韓国サムスン電子にひけを取らないし、日本メーカーで韓国勢に対抗するならばやはりこの会社しかないのですが、分が悪いですね。テレビのパネルを自社生産していない分、パナソニックより赤字幅は小さいですが、それでも劣勢が続いています。ネットTVなど次世代型のテレビなんかではソフトを持つ強みがあり、ポテンシャルはあると思いますが、今後の奮起を期待したいです。
シャープはテレビもそうですが、太陽電池事業も苦しいですね。どちらも価格下落が激しい分野です。かつては他社に先駆けるアイデアで勝負するというイメージがありましたが、最近は冴えないですね。液晶テレビに次ぐ、世界をリードする商品が見当たりません。サプライズを期待したいですね。
日本の電機メーカーが抱えている問題は、日本の強みを打ち出せる商品やビジネスモデルを打ち出せず、韓国と同じ土俵で戦わざるを得ないことです。
昨年秋に、ロボット見本市だか展示会だかが開催されましたが、建設現場とか、介護現場とかで、肉体労働を軽減する、パワースーツが目を引きました。力仕事は3K(きつい、汚い、臭いあるいは給料安い)職場ともいわれ、それなりにニースはあっても、就業したいと思う人が少ない分野です。
パワースーツの導入で、かなり仕事の在り方が変わると思うのですがね。特に人手不足が厳しい、介護職場やなんかでは、肉体の負担が軽減され、介護に要する時間も短縮されるでしょうから、現場の人から感謝されると思います。
家事労働を軽減するロボットや電気機器なんかももっと出てきてもいいと思います。本気になって探せば、いろいろと宝の山は眠っているはずです。もっともっと従来の思考方法や、しがらみにとらわれず、頭を切り換えてビジネスマインドを発揮してほしいと期待しています。
相場ある限り
金融市場が動き出したことで、少しは展望が開けてきた感がありますが、日中の動きをみると、米国頼み、為替頼みで自律的な動きに欠け、もどかしく感じます。いろいろと不満を上げればきりはないものの、素直に値動きするというのはトレーダにとっては、とても歓迎すべきことだし、相場がある限り、生きていくことができるんだなと、実感しました。
先物、ドル・円ともにこの数年来、200日移動平均線を抜けきることができませんでしたが、今回はそれなりに値幅、時間調整をした後なので、こうなったら、しばらくはしっかりした展開が続くことを期待したいですね。
私自身の年初の予想では、中国の春節が明けて一段落したら、欧州各国の国債の借り換え、新規資金調達が必要になってくるので首が回らなくなり、、金融恐慌に突入するとみていましたが、修正が必要です。とはいえ、それなりに相場の動きは読めているので、どちらかというとうれしい誤算、敗北ですね。ショートをかける楽しみも増えるというものです。
とはいえ、中長期的には欧州はさらに凋落し、米国は国家破綻に至るという見立ては変わっていません。この半年、1年間の様々な動きを見ていると、さすがに国家破綻だけは回避したいという思惑も見られますが、人類史上最悪の状況までに積み上がった債務の後始末をどうするのか? まともなやり方では処理は不可能だと思ってみています。いびつな日米関係を考えても、さっさと米国が国家破綻して、長年をしがらみを清算するのが日本にとっても、そして米国にとってもいいのではないかと考えています。私の希望通りに動くかどうかは分かりませんが。
今回の上昇相場は、日銀が金融緩和を表明したことがきっかけですが、一応、いったん陰の極に達して、自律的な景気回復に向かいつつあるという、ファンダメンタル的な要因があるでしょうし(もちろん目先、ドル安が行き過ぎという考え方もあります)、さすがにこれまで200日線に押さえつけられてきたので、適度な戻りが欲しかったというテクニカル的な要因もあるでしょう。
あとは、インチキとか、政治的な思惑もあるでしょうね。欧米としては破たんを回避するために、じゃぶじゃぶと市場にマネーを供給することで、株価を押し上げ、景気を下支えし、乗り切ろうと考えているフシがあります。今回の世界的な株高局面が「過剰流動性相場」と呼ばれるゆえんです。
日銀は欧米が金融緩和を始める以前から、2000年代に入ってすぐにデフレ脱却を目的に量的緩和を進めてきましたが、リーマン・ショック後、欧米の中央銀行が供給した流動性と比べると、抑制が効いていました。これが歴史的な円高が進んだ要因でした。
欧米に先駆けて金融緩和をしてきた日銀ですが、今回の緩和については欧米に追随する形で、「危険な一歩」を踏み出したと見ることもできます。要は金融緩和競争に乗り遅れるなということで、安易にのっかってしまったということです。もちろん目先の円高是正という事情もあるのですが。
景気は少しは良くなるのかもしれませんが、それと引き換えに、全体としては景気が大して盛り上がらない中で、インフレが起きるとどうなるか? 欧米に端を発する通貨不信認の流れが波及したらどうなるか? とんでもない副作用を引き起こす可能性がある“劇薬”であるということも肝に銘じておかなければなりません。
今回の日銀の金融緩和は「サプライズ」のように海外でも報じられていますが、緩和の10日ほど前にロイターが観測記事を流していましたよね。私は材料織り込み済みと思っていたのですが、追加緩和を決めた14日の日銀政策決定会合直後、マーケットは敏感に反応しました。
日経平均9000円付近での動き、1ドル=77円後半で小休止した時の動きは、非常に臭く、何かありそうだなという気はしましたが、相場を押し上げる材料よりは、むしろギリシャ情勢が日本で報じられる以上に緊迫していたのでダウンサイドリスクの方に目が行ってしまいました。マーケットを動かす人たちにとっては、まさにそれこそ思うつぼですね。私も目をくらまされました。
ただ、インチキ臭い兆候は、なんとなくあって、先物は、2月13日に8980円で何の脈絡もなく、突然、900枚買われる動きがあり、そのことを考えても、出来レース、まさにインチキ、イカサマで仕組まれたものでした。キッシンジャー博士の「円高はこれ以上進まない」との“予言”もありましたしね。
ちょっとしたバレンタインプレゼントになったわけですが、どう考えても、政治的な思惑がプンプンしますよね。要は日本も欧米と道連れにされつつあるということです。円は対欧米通貨に対しては強くても、いつかは中国やロシアなんかの通貨に比べ、非常に弱い通貨になってしまうでしょうね。
目先の金融恐慌を回避し、株価、景気を浮揚させるために、テクニカル的にも絶妙なタイミングで米国の命令で緩和させられたわけで、株価、ドルの上昇で、ちょっと浮き足立ってしまいますが、その事実は重く受け止めるべきでしょう。
さはさりながら、ボラティリティーが上昇し、トレードしやすくなったということは、非常に好都合で、このチャンスを逃すべきではないでしょうね。金融恐慌まで時間的、経済的にも余裕ができるでしょうから、金(金価格はやや高いですが)でも買い増して、しっかり守備固めをしましょう。
米国云々、歓迎できなかったり、すっきりしなかったりすることはたくさんありますが、とにかく相場がある限り、利益を得られるチャンスは無限にあるんだなということをしみじみ実感しました。乗れるものには何でも乗ってみましょう。
先物、ドル・円ともにこの数年来、200日移動平均線を抜けきることができませんでしたが、今回はそれなりに値幅、時間調整をした後なので、こうなったら、しばらくはしっかりした展開が続くことを期待したいですね。
私自身の年初の予想では、中国の春節が明けて一段落したら、欧州各国の国債の借り換え、新規資金調達が必要になってくるので首が回らなくなり、、金融恐慌に突入するとみていましたが、修正が必要です。とはいえ、それなりに相場の動きは読めているので、どちらかというとうれしい誤算、敗北ですね。ショートをかける楽しみも増えるというものです。
とはいえ、中長期的には欧州はさらに凋落し、米国は国家破綻に至るという見立ては変わっていません。この半年、1年間の様々な動きを見ていると、さすがに国家破綻だけは回避したいという思惑も見られますが、人類史上最悪の状況までに積み上がった債務の後始末をどうするのか? まともなやり方では処理は不可能だと思ってみています。いびつな日米関係を考えても、さっさと米国が国家破綻して、長年をしがらみを清算するのが日本にとっても、そして米国にとってもいいのではないかと考えています。私の希望通りに動くかどうかは分かりませんが。
今回の上昇相場は、日銀が金融緩和を表明したことがきっかけですが、一応、いったん陰の極に達して、自律的な景気回復に向かいつつあるという、ファンダメンタル的な要因があるでしょうし(もちろん目先、ドル安が行き過ぎという考え方もあります)、さすがにこれまで200日線に押さえつけられてきたので、適度な戻りが欲しかったというテクニカル的な要因もあるでしょう。
あとは、インチキとか、政治的な思惑もあるでしょうね。欧米としては破たんを回避するために、じゃぶじゃぶと市場にマネーを供給することで、株価を押し上げ、景気を下支えし、乗り切ろうと考えているフシがあります。今回の世界的な株高局面が「過剰流動性相場」と呼ばれるゆえんです。
日銀は欧米が金融緩和を始める以前から、2000年代に入ってすぐにデフレ脱却を目的に量的緩和を進めてきましたが、リーマン・ショック後、欧米の中央銀行が供給した流動性と比べると、抑制が効いていました。これが歴史的な円高が進んだ要因でした。
欧米に先駆けて金融緩和をしてきた日銀ですが、今回の緩和については欧米に追随する形で、「危険な一歩」を踏み出したと見ることもできます。要は金融緩和競争に乗り遅れるなということで、安易にのっかってしまったということです。もちろん目先の円高是正という事情もあるのですが。
景気は少しは良くなるのかもしれませんが、それと引き換えに、全体としては景気が大して盛り上がらない中で、インフレが起きるとどうなるか? 欧米に端を発する通貨不信認の流れが波及したらどうなるか? とんでもない副作用を引き起こす可能性がある“劇薬”であるということも肝に銘じておかなければなりません。
今回の日銀の金融緩和は「サプライズ」のように海外でも報じられていますが、緩和の10日ほど前にロイターが観測記事を流していましたよね。私は材料織り込み済みと思っていたのですが、追加緩和を決めた14日の日銀政策決定会合直後、マーケットは敏感に反応しました。
日経平均9000円付近での動き、1ドル=77円後半で小休止した時の動きは、非常に臭く、何かありそうだなという気はしましたが、相場を押し上げる材料よりは、むしろギリシャ情勢が日本で報じられる以上に緊迫していたのでダウンサイドリスクの方に目が行ってしまいました。マーケットを動かす人たちにとっては、まさにそれこそ思うつぼですね。私も目をくらまされました。
ただ、インチキ臭い兆候は、なんとなくあって、先物は、2月13日に8980円で何の脈絡もなく、突然、900枚買われる動きがあり、そのことを考えても、出来レース、まさにインチキ、イカサマで仕組まれたものでした。キッシンジャー博士の「円高はこれ以上進まない」との“予言”もありましたしね。
ちょっとしたバレンタインプレゼントになったわけですが、どう考えても、政治的な思惑がプンプンしますよね。要は日本も欧米と道連れにされつつあるということです。円は対欧米通貨に対しては強くても、いつかは中国やロシアなんかの通貨に比べ、非常に弱い通貨になってしまうでしょうね。
目先の金融恐慌を回避し、株価、景気を浮揚させるために、テクニカル的にも絶妙なタイミングで米国の命令で緩和させられたわけで、株価、ドルの上昇で、ちょっと浮き足立ってしまいますが、その事実は重く受け止めるべきでしょう。
さはさりながら、ボラティリティーが上昇し、トレードしやすくなったということは、非常に好都合で、このチャンスを逃すべきではないでしょうね。金融恐慌まで時間的、経済的にも余裕ができるでしょうから、金(金価格はやや高いですが)でも買い増して、しっかり守備固めをしましょう。
米国云々、歓迎できなかったり、すっきりしなかったりすることはたくさんありますが、とにかく相場がある限り、利益を得られるチャンスは無限にあるんだなということをしみじみ実感しました。乗れるものには何でも乗ってみましょう。
日9
TBSの日曜夜9時はこのところいいドラマをやりますね。1月から1972年の沖縄返還の際の日米両政府の密約を暴いたスクープが、その後スキャンダルに発展した西山事件がモチーフの「運命の人」が放映されています。
トレーダーなら、このドラマから、日米の力関係や、沖縄返還が東アジア地域における米中の関係にどう影響したか、それぞれの視点で読み解いてみてください。それぐらいのことをやる努力をしなければこれから先、生き残っていくのはおぼつかないと思います。
原作は山崎豊子さんの小説なので、ドラマを見るよりも、小説を読んだ方が情報量が多いし、取材を基にしているので、より事実に近い部分に触れられると思います。
沖縄密約をめぐっては、実際に密約があったのかどうかの情報公開訴訟や、岡田克也副総理が外務大臣だった当時に調査などが行われています。米国側の機密文書が解除され、事実上、「密約はあった」ということになっていますが、日本政府は明確な立場を明らかにしていません。事件の当事者、毎日新聞政治部の西山太吉氏の国家賠償請求訴訟なども起こされていますが、司法の場でこれを裁くのは、高度な政治判断が必要なのでふさわしいとは思えません。
この期に及んで密約があったか、なかったかやっているのは、はっきり言ってどうでもよいことなのですが、ここに官僚主導の弊害というか、大きな病巣があるのです。端的に言うと、米国が日本を支配していて、官僚がそのエージェント(代理人)として機能しているのですが、その事実が明らかになったら困るということです。
一応、建前としては、日米は対等な立場であり、沖縄が本土復帰することで、日本が主権を回復したことをアピールする必要があったわけです。ですが、そんなものはうわべだけの話で、米国としては形としては沖縄を日本に帰したとしても、実質的な主導権を握りたい。
ドラマの中で、西山記者は日米密約の問題をはっきりさせないまま、沖縄返還を行うことは、将来に禍根を残すとして、敢然と当時の佐藤栄作首相や政権中枢に敢然と立ち向かうわけですが、ドラマ(原作)では日本側の当時の対応の不自然さをことさらに強調するだけで、背後にある米国の世界戦略については、なおざりにしたままです。
当時の西山記者の直感は全く正しいですね。日米関係をはっきりさせなかったから、ずるずるとあれから40年たった今も、不自然な関係が続いているのです。米国の言いなりに唯々諾々と従う体制が出来上がり、それがどんどんエスカレートし、野田政権でほぼ完成の域に達したと言っていいでしょう。
ドラマや原作は物足りないというか、はっきり言って不備なのですが、本当はここが肝心なのですよね。米国の債務不履行や、普天間飛行場の移設問題も、このあたりに端を発しているのです。
日米密約があった時期は、ベトナム戦争が泥沼化し、米国が凋落していた時期でもあります。事実上の米国の(1回目の)国家破綻であるニクソンショック、大統領が失脚するウォーターゲート事件へと続きます。また、前後して米国が中国との国交回復を模索し、国交を樹立します。
沖縄返還を“勝ち取った”佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞するわけですが、受賞の理由は「非核三原則」を打ち出したこと。要は、日本返還後の沖縄には「核はありません」ということを明示した上で、米国が中国と国交を結ぶ道を切り開いたわけです。
もちろん、実際には沖縄には核が存在するのではないかと、かねて取りざたされ、おそらく配備しているだろうと推測されるわけですが、建前が必要だったわけです。
沖縄返還は、米国の世界戦略、アジア情勢を大きく動かすきっかけとなったことになったの間違いなく、日本人はなかなか理解しづらいし、まさに瓢箪から駒ではあるのですが、佐藤元首相のノーベル賞は、世界史的観点からは分からない話ではないのです。もちろん佐藤元首相は米国の圧力や振り付けをされて、動いたにすぎず、運動会の参加賞みたいなものですが。
西山事件、沖縄返還から見えてくるのは、日本のような弱小国家が米国という世界帝国と伍していくには、相当な覚悟が必要であるということです。日本は世界戦略のコマにすぎないという事実を粛々と受け止めた上で、どう立ち回るか、しっかり考えなければなりません。今後、中国に覇権が移ったとしても同様です。
日本政府はふがいないし、リーダーは後退するたびに、どんどん頼りなくなっていますが、批判するのは簡単ですが、帝国に逆らえず、思い切った政策を打ち出せないという事情もあることを、私たちは知っておく必要があるでしょう。
そうした中で、なぜ政治主導とか、地方への大幅な権限移譲が必要なのか、しっかり考えておく必要がありますね。
世の中、出回っている情報は本当にくだらないものばかり、というかくだらないものしかないのですが、そうした中にも、真実が眠っており、ちょっとしたヒントからいろんなことを読み解いていく努力をしなければなりません。漫然と日々過ごしているだけではいけないのです。
あと蛇足ですが、西山事件発覚のきっかけが、社会党のプリンスと言われた横路孝弘代議士(現・衆院議長)と楢崎弥之介代議士が衆院委員会での質問で、漏えいした機密文書のコピーを見せたことだったという事実は重いですね。
横路氏は自分のスタンドプレーで、情報源が特定され、刑事罰を受けるに至ったことをどのように受け止めているのでしょうか。そして、あの時点で沖縄返還をめぐる屈辱的な密約について追及しきれずに、結果として、米国追従を止められず、国益を損なったこと。
そんな人間がのうのうと衆院議長という名誉職に就いているわけです。旧社会党勢力はその後、民主党に合流し、2009年の総選挙で勝ち、晴れて官軍となったわけですが、こういう歴史的な局面で、大失態を犯したという事実は重いし、また、横路氏と緊密な関係にあるのが小沢一郎・民主党元代表であるということも、日本の政治がすっきりしない原因の一つだととらえるのは考えすぎでしょうか。
トレーダーなら、このドラマから、日米の力関係や、沖縄返還が東アジア地域における米中の関係にどう影響したか、それぞれの視点で読み解いてみてください。それぐらいのことをやる努力をしなければこれから先、生き残っていくのはおぼつかないと思います。
原作は山崎豊子さんの小説なので、ドラマを見るよりも、小説を読んだ方が情報量が多いし、取材を基にしているので、より事実に近い部分に触れられると思います。
沖縄密約をめぐっては、実際に密約があったのかどうかの情報公開訴訟や、岡田克也副総理が外務大臣だった当時に調査などが行われています。米国側の機密文書が解除され、事実上、「密約はあった」ということになっていますが、日本政府は明確な立場を明らかにしていません。事件の当事者、毎日新聞政治部の西山太吉氏の国家賠償請求訴訟なども起こされていますが、司法の場でこれを裁くのは、高度な政治判断が必要なのでふさわしいとは思えません。
この期に及んで密約があったか、なかったかやっているのは、はっきり言ってどうでもよいことなのですが、ここに官僚主導の弊害というか、大きな病巣があるのです。端的に言うと、米国が日本を支配していて、官僚がそのエージェント(代理人)として機能しているのですが、その事実が明らかになったら困るということです。
一応、建前としては、日米は対等な立場であり、沖縄が本土復帰することで、日本が主権を回復したことをアピールする必要があったわけです。ですが、そんなものはうわべだけの話で、米国としては形としては沖縄を日本に帰したとしても、実質的な主導権を握りたい。
ドラマの中で、西山記者は日米密約の問題をはっきりさせないまま、沖縄返還を行うことは、将来に禍根を残すとして、敢然と当時の佐藤栄作首相や政権中枢に敢然と立ち向かうわけですが、ドラマ(原作)では日本側の当時の対応の不自然さをことさらに強調するだけで、背後にある米国の世界戦略については、なおざりにしたままです。
当時の西山記者の直感は全く正しいですね。日米関係をはっきりさせなかったから、ずるずるとあれから40年たった今も、不自然な関係が続いているのです。米国の言いなりに唯々諾々と従う体制が出来上がり、それがどんどんエスカレートし、野田政権でほぼ完成の域に達したと言っていいでしょう。
ドラマや原作は物足りないというか、はっきり言って不備なのですが、本当はここが肝心なのですよね。米国の債務不履行や、普天間飛行場の移設問題も、このあたりに端を発しているのです。
日米密約があった時期は、ベトナム戦争が泥沼化し、米国が凋落していた時期でもあります。事実上の米国の(1回目の)国家破綻であるニクソンショック、大統領が失脚するウォーターゲート事件へと続きます。また、前後して米国が中国との国交回復を模索し、国交を樹立します。
沖縄返還を“勝ち取った”佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞するわけですが、受賞の理由は「非核三原則」を打ち出したこと。要は、日本返還後の沖縄には「核はありません」ということを明示した上で、米国が中国と国交を結ぶ道を切り開いたわけです。
もちろん、実際には沖縄には核が存在するのではないかと、かねて取りざたされ、おそらく配備しているだろうと推測されるわけですが、建前が必要だったわけです。
沖縄返還は、米国の世界戦略、アジア情勢を大きく動かすきっかけとなったことになったの間違いなく、日本人はなかなか理解しづらいし、まさに瓢箪から駒ではあるのですが、佐藤元首相のノーベル賞は、世界史的観点からは分からない話ではないのです。もちろん佐藤元首相は米国の圧力や振り付けをされて、動いたにすぎず、運動会の参加賞みたいなものですが。
西山事件、沖縄返還から見えてくるのは、日本のような弱小国家が米国という世界帝国と伍していくには、相当な覚悟が必要であるということです。日本は世界戦略のコマにすぎないという事実を粛々と受け止めた上で、どう立ち回るか、しっかり考えなければなりません。今後、中国に覇権が移ったとしても同様です。
日本政府はふがいないし、リーダーは後退するたびに、どんどん頼りなくなっていますが、批判するのは簡単ですが、帝国に逆らえず、思い切った政策を打ち出せないという事情もあることを、私たちは知っておく必要があるでしょう。
そうした中で、なぜ政治主導とか、地方への大幅な権限移譲が必要なのか、しっかり考えておく必要がありますね。
世の中、出回っている情報は本当にくだらないものばかり、というかくだらないものしかないのですが、そうした中にも、真実が眠っており、ちょっとしたヒントからいろんなことを読み解いていく努力をしなければなりません。漫然と日々過ごしているだけではいけないのです。
あと蛇足ですが、西山事件発覚のきっかけが、社会党のプリンスと言われた横路孝弘代議士(現・衆院議長)と楢崎弥之介代議士が衆院委員会での質問で、漏えいした機密文書のコピーを見せたことだったという事実は重いですね。
横路氏は自分のスタンドプレーで、情報源が特定され、刑事罰を受けるに至ったことをどのように受け止めているのでしょうか。そして、あの時点で沖縄返還をめぐる屈辱的な密約について追及しきれずに、結果として、米国追従を止められず、国益を損なったこと。
そんな人間がのうのうと衆院議長という名誉職に就いているわけです。旧社会党勢力はその後、民主党に合流し、2009年の総選挙で勝ち、晴れて官軍となったわけですが、こういう歴史的な局面で、大失態を犯したという事実は重いし、また、横路氏と緊密な関係にあるのが小沢一郎・民主党元代表であるということも、日本の政治がすっきりしない原因の一つだととらえるのは考えすぎでしょうか。
テクニカルは生きているか?
先週木曜日に、ギリシャをめぐる動きで、ちょっと明るい兆しが出ていて、日経平均が9000円を抜けきるかという局面がありました。私はその時のコメントで、「落ちるなら、8880近辺まで」と指摘しましたが、週末、2月11日の未明に8890まで下げました。ほぼ目標達成です。その次の目標である8400までは距離があるし、基本的にはまだマーケットは全体的に上目線なので、いつそこまで落ちるかどうかは分かりません。
相場の雰囲気に漫然と浸っていたら、木曜日深夜の時点では、反落するなんて思いつかないですよね。おそらく。為替もNYダウもイケイケでしたし。
ただ、その兆候は、数日前から見られ、もしこれが読めないならば、トレーダーをやる資格はありません。ドル・円が上値に未練がある形だったので、私はショートは仕込んでいませんが(ちなみにこのところ一貫して売り目線です)、反落の兆候を把握していれば、少なくともロングを引っ張るという選択肢は排除できました。ここが個人投資家でも単なる素人と、熟練者の違いです。
テクニカルを知っているからと言って偉そうに講釈を垂れる連中は、うざいほど大勢いますが、相場反転の兆候を読んだり、下値めどを予想するのは、別の視点が必要なのです。もちろんファンダメンタルやテクニカルに基づいて、堂々と値幅を獲るのが王道であることは認めますが、相場自体が、テクニカルで動けるような余裕のある状態にはなく、一部の人たちの思惑でしか動いていないので、弱い立場にある個人投資家が、生き残っていくには、せこいテクニックを駆使する以外にはないのです。
先物にせよ、ドル・円にせよ、言うまでもないですが、ここからの動きが重要です。先物は9000~9100が強い抵抗帯になっていて、先週も9000を超えようとすると狂ったように売ってきました。その先があるとしても、9100~9300も、一筋縄にはいかないでしょう。
ドル・円も一見、日経平均とは独立して動いているように見えますが、1ドル=77.75~78.25を超えるのはかなりの力が必要でしょうね。
以前にちらりと日経先物の長期のテクニカルについて(一つの)分析をお示ししたことがありますが、月足的には、18310から調整波(N字)を入れて、その後、エリオット波動的に下落していて、その視点に立てば、現在は最終の第5波の途上にあり、これが正しければ7000割れがあるということです。
だから、現在の日経平均の8300台からの反転上昇過程は“偽り”であり、“時間稼ぎ”とも考えられ、上昇してもいずれは簡単に崩されるという見方ができます。チャート的には目先9300くらいまでの戻しはありだし、ここまで上げたのなら、それなりに達成感のある水準まで上げてほしいですが、理論上11500までは上昇しても、エリオット波動の根拠は崩れません。
でも、その一方でエリオットではないとの想定もしておかなければなりません。世界的な金融緩和で、金融機関に株を買わせて、見せかけだけの景気底打ちを演出している可能性があります。
また、さすがに短期的にはこれだけの円高が続くのは異常とみられているし(実情は下げたりないくらいですが)、世界的に過剰生産や価格下落の流れは変わっていないものの、製造業は総じて好調で、目先ちょっとだけ景気も底を打ってもいいかなという局面ではあります。
そうなると、それなりの上昇相場になる可能性は否定できず、11500を抜けきってしまうと、完全にエリオット波動の前提は崩壊します。そうなると新たなテクニカル的な根拠を探さないといけませんし、政策介入によるインチキ相場なので、そもそもテクニカル自体が成り立っていない可能性もあります。
テクニカル論者はいろいろとフィボナッチだのなんだの持ち出して正当化するかも知れませんが、私は9020まで上昇したのだって、単に一部の人たちの都合でしかなく、かなりいかがわしい上昇だと思っています。この時点でも7:3くらいでエリオットが成立していると、希望も込めて、思っていますしね。
日経平均は月足レベルの動きなので、テクニカル的な動きは読みづらいのですが、ドル・円は昨年9月の第1弾の為替介入直後まではテクニカルが機能していました。
皆さんはどう見ているか分かりませんが、ドル・円はつい最近まで驚くほど規則正しい動きをしていたので、この期に及んでも私は注目しています。ユーロなどと比べて値幅が格段に小さくとも主戦場です。ドル・円の動きは金融市場全体の健全性を測るバロメーターだと思っています。
基本的にはドル・円相場は、テクニカルを逸脱して、壊れていると考えています。もし、円高が行き過ぎだとして、自律反発的な動きをするならば、何らかのテクニカル的なサインが必要だと考えていますが、現時点ではその兆候は皆無です。
現時点だと、市場全体にドルの対円での割安感があり、日柄的にもちょっと上昇してもいいかなという感じなので、なんとなく堅調ですが、所詮は、気まぐれのレベルです。円安に振れたと言っても、77円台ですからね。最高値から2円程度戻したにすぎません。
来週以降、ユーロ圏の国債償還や、日本の年度末にかけて、重要な局面になります。このまま粉飾を続け、上昇基調を続けるのか? それとも、化けの皮がはがれるのか、まったく見当が付きませんが、テクニカル的にはっきりとした動きになるのかどうか、注目したいと思います。
相場の雰囲気に漫然と浸っていたら、木曜日深夜の時点では、反落するなんて思いつかないですよね。おそらく。為替もNYダウもイケイケでしたし。
ただ、その兆候は、数日前から見られ、もしこれが読めないならば、トレーダーをやる資格はありません。ドル・円が上値に未練がある形だったので、私はショートは仕込んでいませんが(ちなみにこのところ一貫して売り目線です)、反落の兆候を把握していれば、少なくともロングを引っ張るという選択肢は排除できました。ここが個人投資家でも単なる素人と、熟練者の違いです。
テクニカルを知っているからと言って偉そうに講釈を垂れる連中は、うざいほど大勢いますが、相場反転の兆候を読んだり、下値めどを予想するのは、別の視点が必要なのです。もちろんファンダメンタルやテクニカルに基づいて、堂々と値幅を獲るのが王道であることは認めますが、相場自体が、テクニカルで動けるような余裕のある状態にはなく、一部の人たちの思惑でしか動いていないので、弱い立場にある個人投資家が、生き残っていくには、せこいテクニックを駆使する以外にはないのです。
先物にせよ、ドル・円にせよ、言うまでもないですが、ここからの動きが重要です。先物は9000~9100が強い抵抗帯になっていて、先週も9000を超えようとすると狂ったように売ってきました。その先があるとしても、9100~9300も、一筋縄にはいかないでしょう。
ドル・円も一見、日経平均とは独立して動いているように見えますが、1ドル=77.75~78.25を超えるのはかなりの力が必要でしょうね。
以前にちらりと日経先物の長期のテクニカルについて(一つの)分析をお示ししたことがありますが、月足的には、18310から調整波(N字)を入れて、その後、エリオット波動的に下落していて、その視点に立てば、現在は最終の第5波の途上にあり、これが正しければ7000割れがあるということです。
だから、現在の日経平均の8300台からの反転上昇過程は“偽り”であり、“時間稼ぎ”とも考えられ、上昇してもいずれは簡単に崩されるという見方ができます。チャート的には目先9300くらいまでの戻しはありだし、ここまで上げたのなら、それなりに達成感のある水準まで上げてほしいですが、理論上11500までは上昇しても、エリオット波動の根拠は崩れません。
でも、その一方でエリオットではないとの想定もしておかなければなりません。世界的な金融緩和で、金融機関に株を買わせて、見せかけだけの景気底打ちを演出している可能性があります。
また、さすがに短期的にはこれだけの円高が続くのは異常とみられているし(実情は下げたりないくらいですが)、世界的に過剰生産や価格下落の流れは変わっていないものの、製造業は総じて好調で、目先ちょっとだけ景気も底を打ってもいいかなという局面ではあります。
そうなると、それなりの上昇相場になる可能性は否定できず、11500を抜けきってしまうと、完全にエリオット波動の前提は崩壊します。そうなると新たなテクニカル的な根拠を探さないといけませんし、政策介入によるインチキ相場なので、そもそもテクニカル自体が成り立っていない可能性もあります。
テクニカル論者はいろいろとフィボナッチだのなんだの持ち出して正当化するかも知れませんが、私は9020まで上昇したのだって、単に一部の人たちの都合でしかなく、かなりいかがわしい上昇だと思っています。この時点でも7:3くらいでエリオットが成立していると、希望も込めて、思っていますしね。
日経平均は月足レベルの動きなので、テクニカル的な動きは読みづらいのですが、ドル・円は昨年9月の第1弾の為替介入直後まではテクニカルが機能していました。
皆さんはどう見ているか分かりませんが、ドル・円はつい最近まで驚くほど規則正しい動きをしていたので、この期に及んでも私は注目しています。ユーロなどと比べて値幅が格段に小さくとも主戦場です。ドル・円の動きは金融市場全体の健全性を測るバロメーターだと思っています。
基本的にはドル・円相場は、テクニカルを逸脱して、壊れていると考えています。もし、円高が行き過ぎだとして、自律反発的な動きをするならば、何らかのテクニカル的なサインが必要だと考えていますが、現時点ではその兆候は皆無です。
現時点だと、市場全体にドルの対円での割安感があり、日柄的にもちょっと上昇してもいいかなという感じなので、なんとなく堅調ですが、所詮は、気まぐれのレベルです。円安に振れたと言っても、77円台ですからね。最高値から2円程度戻したにすぎません。
来週以降、ユーロ圏の国債償還や、日本の年度末にかけて、重要な局面になります。このまま粉飾を続け、上昇基調を続けるのか? それとも、化けの皮がはがれるのか、まったく見当が付きませんが、テクニカル的にはっきりとした動きになるのかどうか、注目したいと思います。