金融帝国の中枢、米ニューヨークのウォール街でのデモは、遅きに失した感はありますが、一般の米国人がまともな感覚を完全には失ってはいないということでしょう。参加者はどういう背景で、何を考えてこのデモに参加しているのかは、分かっていませんが、米国の身勝手な金融資本主義が世界に破滅的な影響をもたらしたことを考えると、評価すべき部分は大きいと思います。
私たちが考えなければならないのは、果たして米国人と今後、付き合っていけるのかどうかですね。金融危機に陥った原因は、金融ばくちに興じた寄生虫どもや、戦争屋の果たした役割が非常に大きいですが、一般の米国人の罪も大きい。
ほとんどの米国人は景気のいい時は、イケイケ、ドンドンで、くだらない連中と一緒になって金融ばくちや戦争に、むしろ積極的に加担してきたわけです。しかも、住宅バブルの恩恵を受けたり、好景気で向う見ずな消費を続けてきたりしたきたのです。そうした行動を省みずに、ウォール街だけを責めるのは、あまりにも虫が良すぎます。
テロとの戦いのためにブッシュ大統領を支持したわけだし、永遠の好景気が続くと信じて、FRBやグリーンスパンに、白地手形をゆだねてきたのです。基本的には、米国人は連帯責任で地獄に落ちてもらうべきでしょう。そうしないと、あの国は変われません。まあ、地獄に堕ちたが最後、二度と這い上がれないという話もありますが・・・。
そもそもあの国には健全な民主主義などなかったわけで、自由、自由と言いながら、強制収容所のような中で国民は生活し、当の本人たちは「アメリカンドリーム」とか「ナンバーワン」だと信じて疑っていなかったので世話はありません。
一部の支配者層が働きもせずに分不相応な収入を得て、贅を尽くした生活を享受する一方で、一般人の多くは脂肪や毒物の塊のような食物を与えられ、借金の鎖でつながれ、偏った教育や情報で洗脳され、シティ・バンクや、ボーイング、ロッキード、マイクロ・ソフト、マクドナルド、コカ・コーラ、ウォルマート、アマゾンに飼いならされて、「生かさず殺さず」の劣悪な条件で暮らしてきたわけです。
それと比べると、欧州にせよ、日本にせよ、はるかにましなライフスタイルを確立しているわけですが、米国人は、自分たち以外の価値観を認めようとしないので、やっかいです。今なお「世界一」だと信じ込んでいるわけですからね。
もちろん、アフガニスタン、イラクでの大義のない侵略戦争に反対し、金融資本の在り方に疑問を呈し、戦っている立派な米国人だって少なからずいます。最近は変な人も入って変質していますが、昨年の中間選挙で一躍注目を集めた草の根保守の「ティーパーティー」なんかがそうですね。
ティーパーティー運動を支える、良識ある米国人にとって、まさに“希望の星”であるロン・ポールの言論を見ると、非常にまっとうで、共感できる部分は多い。
日本人は、寄生虫にさらに取り付いている、人間のクズのような米国人(例えばアーミテージとか、マイケル・グリーンとか、最近ではケビン・メアなんかもその類い)と訣別し、常識的な感覚を持った米国人と交流し、ゆがんだ世界観を改める必要があります。
ただ、こうした立派な人たちがいる一方で、どうしようもな輩も多く、当たり前のことを当たり前にすることが妨害されてきました。だからそういう意味で米国人を信用しきれるかというと、やはり距離を置いて、冷ややかに見ざるを得ない面もあります。
現在行われている抗議行動はいつまで続いて、どういう展開、結末になるのか分かりません。もしかすると、ロシアのシンクタンクなどが予想するようにこのまま騒乱、内戦に発展するかもしれませんし、州兵なんかが出動し力であっけなく制圧されてしまうのかもしれません。
なるようになるしかないわけですが、これがきっかけで米国が崩壊するなど、思わぬ方向に動くかもしれず、市場のかく乱要因にもなる可能性があるので、注意深く見守る必要があります。
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ストイック
米大リーグ、シアトルマリナーズのイチロー選手の年間200安打記録が10年連続で途切れました。日本では大きくニュースで取り上げられましたが、米国ではあまり注目されないというか、地元シアトル以外では、ほぼ黙殺されたような状態のようです。
2004年に米大リーグ記録を84年ぶりに塗り替える262安打をマークした時も、日本では連日ニュースでカウント・ダウンが行われ、お祭り騒ぎでしたが、伝説的な記録を打ち立てたにもかかわらず、米国内では、それなりに大きなニュースにはなったものの、冷淡な反応でした。
大リーグは力自慢のバッター、剛腕のピッチャーが集まり、今でもあこがれの的だし、レベルも高く、実力社会なのですが、外国人選手の活躍をあまり喜びませんよね。特に記録を更新されることについてはアレルギーがあるようです。まあ、日本でも王貞治氏の国内年間本塁打記録の55本を上回ろうとすると、足を引っ張ろうとする動きがあるので、こうした傾向を非難することはできませんが。
でも、野球のワールド・カップではっきりしたことですが、米国自体はそれほど野球のレベルが高いというわけではない。英国のウィンブルドン大会同様、大リーグでも活躍するのは、米国人ではなく、ガイジンなんですよね。ハングリー精神を持った、ベネズエラやドミニカ、キューバといった中米からきた選手がかなり幅を利かせているし、最近はやはり繊細なコントロールを武器に投手を中心に日本、韓国、台湾人選手の活躍も目覚ましいです。
イチロー選手に関しては、国籍、人種的に嫌悪感を持たれている部分以外に、ストイック過ぎて、優等生的な部分が、親しまれないということもあるでしょう。米国人の好感度も、松井秀喜選手の方がイチロー選手よりも高い。選手としての成績や存在感は圧倒的にイチロー選手の方が勝っているにもかかわらずです。
私自身は、イチロー選手のひたむきな姿勢を全面的に支持しますね。身体能力や動体視力が飛び抜けていて、努力しなくてもある程度の成績は残せるはずなのに、現状に満足せず、常に己の技を磨き続ける、あり方はとてもまねできないし、尊敬の念をを通り越しますね。(中日の落合博満監督はイチロー選手よりもむしろ広島の前田智徳選手を“天才”だと評価していますが・・・)
プロとして、野球に生きている以上、徹底的に技を極めるのが、あるべき基本姿勢だと思います。でも、それができている選手は日本だけでなく、世界を見回してもそれほどいませんね。東北楽天イーグルスの野村克也名誉監督が「本当に野球が好きな選手はおらんな・・・」とぼやくのもよくわかります。
弱者がどうすれば強者を倒せるか、必死になって追求し続け、日本にデータ重視の野球を定着させた野村監督ならではの言葉でしょう。プロ選手も人間だし、(巨人や大リーグでプレーしたいという)名誉や金に目がくらむのも分かりますが、「何のために野球をしているのか」「自分は何になりたいのか」という、もっとしっかりした目的意識を持ってプレーしてほしいな、という気持ちはファンとしてあります。単に野球がうまいだけではプロにはなれないと思うし、野球が好きだという思いがあるからこそ続けてこられたのだと思うからです。
何か一つ、これだけは極めたいというものを持ちたいですね。私の場合は、一応、兼業ではありますが、それはトレードだし、経済分析です。今では人生の一部になってしまっています。だから相場というものが存在する限り、どうやって勝ち残っていくかを、ストイックに追求したい。
先日、仕事上でお世話になっている人から飲みに誘われたのですが、FOMCの直前で、マーケットから目が離せないし、ここで飲んでしまうと、この半年積み重ねてきたダイエットの努力も、つまずいてしまうので、泣く泣くことわってしまいました。他人には大したことではないと思われても、自分にとっては瀬戸際の選択で、それに報いるためにも、結果を出して応えと思うし、逆にそれがいいプレッシャーにもなります。ストイックに道を極めるというのは、こういうことでもあるのだなぁと、妙に納得してしまいました。
来季、イチロー選手には、私たちをせひあっと言わせるような活躍を見せてほしいし、それを刺激にトレードの技術を高めることができればと思います。
あっ! ちなみに、阪神タイガーズの川藤幸三さんはプロ通算18年で211安打。イチロー選手の一年分です。こういう生き方もあるんですね(笑)。
2004年に米大リーグ記録を84年ぶりに塗り替える262安打をマークした時も、日本では連日ニュースでカウント・ダウンが行われ、お祭り騒ぎでしたが、伝説的な記録を打ち立てたにもかかわらず、米国内では、それなりに大きなニュースにはなったものの、冷淡な反応でした。
大リーグは力自慢のバッター、剛腕のピッチャーが集まり、今でもあこがれの的だし、レベルも高く、実力社会なのですが、外国人選手の活躍をあまり喜びませんよね。特に記録を更新されることについてはアレルギーがあるようです。まあ、日本でも王貞治氏の国内年間本塁打記録の55本を上回ろうとすると、足を引っ張ろうとする動きがあるので、こうした傾向を非難することはできませんが。
でも、野球のワールド・カップではっきりしたことですが、米国自体はそれほど野球のレベルが高いというわけではない。英国のウィンブルドン大会同様、大リーグでも活躍するのは、米国人ではなく、ガイジンなんですよね。ハングリー精神を持った、ベネズエラやドミニカ、キューバといった中米からきた選手がかなり幅を利かせているし、最近はやはり繊細なコントロールを武器に投手を中心に日本、韓国、台湾人選手の活躍も目覚ましいです。
イチロー選手に関しては、国籍、人種的に嫌悪感を持たれている部分以外に、ストイック過ぎて、優等生的な部分が、親しまれないということもあるでしょう。米国人の好感度も、松井秀喜選手の方がイチロー選手よりも高い。選手としての成績や存在感は圧倒的にイチロー選手の方が勝っているにもかかわらずです。
私自身は、イチロー選手のひたむきな姿勢を全面的に支持しますね。身体能力や動体視力が飛び抜けていて、努力しなくてもある程度の成績は残せるはずなのに、現状に満足せず、常に己の技を磨き続ける、あり方はとてもまねできないし、尊敬の念をを通り越しますね。(中日の落合博満監督はイチロー選手よりもむしろ広島の前田智徳選手を“天才”だと評価していますが・・・)
プロとして、野球に生きている以上、徹底的に技を極めるのが、あるべき基本姿勢だと思います。でも、それができている選手は日本だけでなく、世界を見回してもそれほどいませんね。東北楽天イーグルスの野村克也名誉監督が「本当に野球が好きな選手はおらんな・・・」とぼやくのもよくわかります。
弱者がどうすれば強者を倒せるか、必死になって追求し続け、日本にデータ重視の野球を定着させた野村監督ならではの言葉でしょう。プロ選手も人間だし、(巨人や大リーグでプレーしたいという)名誉や金に目がくらむのも分かりますが、「何のために野球をしているのか」「自分は何になりたいのか」という、もっとしっかりした目的意識を持ってプレーしてほしいな、という気持ちはファンとしてあります。単に野球がうまいだけではプロにはなれないと思うし、野球が好きだという思いがあるからこそ続けてこられたのだと思うからです。
何か一つ、これだけは極めたいというものを持ちたいですね。私の場合は、一応、兼業ではありますが、それはトレードだし、経済分析です。今では人生の一部になってしまっています。だから相場というものが存在する限り、どうやって勝ち残っていくかを、ストイックに追求したい。
先日、仕事上でお世話になっている人から飲みに誘われたのですが、FOMCの直前で、マーケットから目が離せないし、ここで飲んでしまうと、この半年積み重ねてきたダイエットの努力も、つまずいてしまうので、泣く泣くことわってしまいました。他人には大したことではないと思われても、自分にとっては瀬戸際の選択で、それに報いるためにも、結果を出して応えと思うし、逆にそれがいいプレッシャーにもなります。ストイックに道を極めるというのは、こういうことでもあるのだなぁと、妙に納得してしまいました。
来季、イチロー選手には、私たちをせひあっと言わせるような活躍を見せてほしいし、それを刺激にトレードの技術を高めることができればと思います。
あっ! ちなみに、阪神タイガーズの川藤幸三さんはプロ通算18年で211安打。イチロー選手の一年分です。こういう生き方もあるんですね(笑)。
円高は悪か?
今朝の経済ニュースで目を引いたのは、8月の全国消費者物価指数は前年同月比0.2%上昇で、2か月連続で上昇とのこと。その一方で、韓国の期待インフレ率が4.8%と報じていました。
世界的に物価は上昇傾向で、大きな要因はガソリンなどエネルギー価格が高めに推移していることと、やはり食料価格でしょうね。どこの国も景気に減速感が出ている中、物価が上がるという、スタグフレーションの様相ですが、日本の場合は、諸外国と比べ、物価の安定ぶりが突出していて、いろいろと不平、不満を挙げればきりがないですが、実は経済運営は非常にうまくいっているということです。それが長期にわたる円高にも反映されています。
韓国なんて、サムスン電子や現代自動車は絶好調ですが、国内の賃金が上がらないので、インフレを考慮すると年5%の割合で生活が苦しくなるという、困った状況です。ウォン安の流れも止まらず、ここへ来て90年代後半のアジア通貨危機の時のような経済パニックの再来が懸念されています。国際金融市場からは何かあれば“やばい”国であるとみられているわけです。
こうなると通貨安も考えものですね。というか、国家は基本的には自国通貨の安定に努めるのが本来あるべき姿でしょう。稼いだ外貨を輸出のための資源購入に振り向けなければならず、国民生活はその分、ウォン安で高い資源、食料を購入させられて、割を食うわけです。韓国の外貨不足は恒常的だし、深刻な問題ですね。
日本の場合は、円が大人気で、ドルではなく円で決済してほしいという国も少なくないので、その辺はあまり心配ないですね。
最近の韓流ブームも、この辺の経済事情を反映しているんですよね。どんどんシュリンクする韓国市場ではとても食っていけないし、大して儲からないので、魅力的な市場である日本に出稼ぎにくるのです。要するに“旅芸人”なわけです。
フィリピンやタイなど東南アジアや、ペルー、ブラジルの貧しい農村から、やってくる水商売の女性たちとか、工場労働者なんかと大体同じ構図ですね。ソ連崩壊後はロシア女性をよく夜の街で見かけました。小学生くらいの女の子がショーパブでマジックをしてチップをもらっているのを見たこともあります。
出稼ぎに行くのは、大体、貧しい国の人たちです。だから逆に、日本人がソウルや北京、上海、シンガポールなんかへ水商売とか、単純労働のために働きにいくようになったら、その時は日本がついに落ちぶれたかということになるでしょう。
だから、レディ・ガガが用もなく、頻繁に“親日派”のふりをして、日本にやってきたり、ツアー中で来日直後にシンディ・ローパーが東日本大震災に遭い、福島原発が起きて逃げようとするスタッフを引き留め、コンサートを開いたのも、まったく合理的な行動ですよね。
こうした事情を考えると、“文化大国”だと称して、いろいろ、“ショー・ガール”を日本に寄越してくれる、韓国というのは、いかに香ばしい国かということがわかります。リスペクトというよりは同情の部分の方が大きいですからね。特に30代後半以上の世代は。
よく、若者が内向きとか、引きこもるといわれますが、世界で最も魅力的な通貨である円が流通する国を捨てて、ドルやユーロを稼ぎにいく必要はあるのか? 持っているだけで目減りする韓国ウォンを集めて何になるのか? 若い人の方が経済感覚は鋭いということになります。
ただ、世の中の動きが早くなっているので、将来にわたって、優位な立場を維持するために、円高のアドバンテージを最大限に活用する努力は求められます。軸足は日本に置いておいていいと思いますが、海外の情報収集や人脈形成は怠りなくやっておくこと。これは日本人が苦手な分野なので、意欲ある若い世代を育てる必要がありますね。これに関しては、内向きであってはいけない。
それと、資源や食料など権益をがっちり固めることです。そうすることで、セーフティーネットになるし、資源調達から韓国、台湾勢を締め出すことで、日本のメーカーにとってメリットになります。通貨が安定しているというのは、韓国、台湾にはない日本の最大のアドバンテージなわけです。
あとは、欧米の金目のものは徹底的に買い漁ることですね。今こそチャンスじゃないですか。マイクロソフトやアップル、インテル、ボーイングの株を買い占めればいい。スズキがフォルクスワーゲンを呑み込めばいいじゃないですか。大都市や観光地の有名ホテルなんかも買収しておくのも手ですよね。何だかんだいって不動産は強力な財産です
「円高怖い、怖い病」で、言われるままに為替介入して、米国に貢ぐより、もっともっと円高を進めて、経済的に世界経済に影響力を誇示しやすくした方が日本にとってはるかに利益になるはずです。徹底的に搾取してやればいいのです。
世界的に物価は上昇傾向で、大きな要因はガソリンなどエネルギー価格が高めに推移していることと、やはり食料価格でしょうね。どこの国も景気に減速感が出ている中、物価が上がるという、スタグフレーションの様相ですが、日本の場合は、諸外国と比べ、物価の安定ぶりが突出していて、いろいろと不平、不満を挙げればきりがないですが、実は経済運営は非常にうまくいっているということです。それが長期にわたる円高にも反映されています。
韓国なんて、サムスン電子や現代自動車は絶好調ですが、国内の賃金が上がらないので、インフレを考慮すると年5%の割合で生活が苦しくなるという、困った状況です。ウォン安の流れも止まらず、ここへ来て90年代後半のアジア通貨危機の時のような経済パニックの再来が懸念されています。国際金融市場からは何かあれば“やばい”国であるとみられているわけです。
こうなると通貨安も考えものですね。というか、国家は基本的には自国通貨の安定に努めるのが本来あるべき姿でしょう。稼いだ外貨を輸出のための資源購入に振り向けなければならず、国民生活はその分、ウォン安で高い資源、食料を購入させられて、割を食うわけです。韓国の外貨不足は恒常的だし、深刻な問題ですね。
日本の場合は、円が大人気で、ドルではなく円で決済してほしいという国も少なくないので、その辺はあまり心配ないですね。
最近の韓流ブームも、この辺の経済事情を反映しているんですよね。どんどんシュリンクする韓国市場ではとても食っていけないし、大して儲からないので、魅力的な市場である日本に出稼ぎにくるのです。要するに“旅芸人”なわけです。
フィリピンやタイなど東南アジアや、ペルー、ブラジルの貧しい農村から、やってくる水商売の女性たちとか、工場労働者なんかと大体同じ構図ですね。ソ連崩壊後はロシア女性をよく夜の街で見かけました。小学生くらいの女の子がショーパブでマジックをしてチップをもらっているのを見たこともあります。
出稼ぎに行くのは、大体、貧しい国の人たちです。だから逆に、日本人がソウルや北京、上海、シンガポールなんかへ水商売とか、単純労働のために働きにいくようになったら、その時は日本がついに落ちぶれたかということになるでしょう。
だから、レディ・ガガが用もなく、頻繁に“親日派”のふりをして、日本にやってきたり、ツアー中で来日直後にシンディ・ローパーが東日本大震災に遭い、福島原発が起きて逃げようとするスタッフを引き留め、コンサートを開いたのも、まったく合理的な行動ですよね。
こうした事情を考えると、“文化大国”だと称して、いろいろ、“ショー・ガール”を日本に寄越してくれる、韓国というのは、いかに香ばしい国かということがわかります。リスペクトというよりは同情の部分の方が大きいですからね。特に30代後半以上の世代は。
よく、若者が内向きとか、引きこもるといわれますが、世界で最も魅力的な通貨である円が流通する国を捨てて、ドルやユーロを稼ぎにいく必要はあるのか? 持っているだけで目減りする韓国ウォンを集めて何になるのか? 若い人の方が経済感覚は鋭いということになります。
ただ、世の中の動きが早くなっているので、将来にわたって、優位な立場を維持するために、円高のアドバンテージを最大限に活用する努力は求められます。軸足は日本に置いておいていいと思いますが、海外の情報収集や人脈形成は怠りなくやっておくこと。これは日本人が苦手な分野なので、意欲ある若い世代を育てる必要がありますね。これに関しては、内向きであってはいけない。
それと、資源や食料など権益をがっちり固めることです。そうすることで、セーフティーネットになるし、資源調達から韓国、台湾勢を締め出すことで、日本のメーカーにとってメリットになります。通貨が安定しているというのは、韓国、台湾にはない日本の最大のアドバンテージなわけです。
あとは、欧米の金目のものは徹底的に買い漁ることですね。今こそチャンスじゃないですか。マイクロソフトやアップル、インテル、ボーイングの株を買い占めればいい。スズキがフォルクスワーゲンを呑み込めばいいじゃないですか。大都市や観光地の有名ホテルなんかも買収しておくのも手ですよね。何だかんだいって不動産は強力な財産です
「円高怖い、怖い病」で、言われるままに為替介入して、米国に貢ぐより、もっともっと円高を進めて、経済的に世界経済に影響力を誇示しやすくした方が日本にとってはるかに利益になるはずです。徹底的に搾取してやればいいのです。
統治能力
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で露呈したのは、今の日本は統治能力を完全に失ってしまっているということです。当時の菅直人首相や、民主党政権だから云々ということで批判が集中し、結局、首相交代ということになったわけですが、自民党が政権に就いていたら、うまく巨大災害をうまく乗り切れたかというと疑問ですね。官僚との連携がスムースな分、まだましだったかなとは思いますが、政治家の能力が全体的に低下しているのと、官僚自身が「想定外」にからっきし弱いので、情報を的確に分析し、速やかに適切な対処ができたとは思えません。
ごく当たり前のことができないんですよね。もちろん未曽有規模の災害だったので、そこは考慮する必要があったのですが、ちょっと想像を働かたり、声に耳を傾ければ、「被災地の人たちがこういうことで困っている」とか「次は何が必要だ」みたいなことは分かるはずで、できることから手を打っていけば、事態は少しでも早く好転していたはずです。
米国なんかは、原発事故直後にさっさと軍隊や大使館員を避難させ、無人偵察機を飛ばして被害状況を確認した上で、「(首都圏が放射能汚染で居住不可能になるという)最悪の事態は免れた」とわかると、相次いでいろんな手を打ってくるわけです。
気持ち悪い「トモダチ作戦」なんかもそうだし、金融市場に対する攻撃もそうでした。日経平均先物は一時、7800まで突き落とされ、ドルもあっさりと史上最安値に下落し、底値で買いあさった上で、2、3日もすると何事もなかったように戻したわけです(ドルに関しては介入で戻したのだが・・・)。トロい日本の機関投資家や個人、さらには欧州の投資家はまんまと米国の金融詐欺にまたしてもやられてしまったわけです。
日本の統治能力のなさはもちろん日本人自らの問題であるわけですが、実質的に日本を支配している米国によるところも大きい。特にバブル崩壊以降、その傾向が顕著です。
それというのも、米国が東西冷戦後、“同盟国(保護国)”であった日本をはっきりと敵と認識し、日本を完全にコントロールしようと画策してきたからです。金融面でそれが顕著ですね。日本の大手銀行を身勝手なルールに従わせて弱体化させ、米国債を買わせたうえでドルの価値を下落させ貿易黒字を搾取し、さらには郵政民営化で郵便貯金をむしり取り、完全に丸腰にされてしまった。
さらには、日本の製造業が強いとみると、わけのわからない特許訴訟を起こしたり、ハイテク技術だった液晶や半導体などを韓国、台湾に強制的に技術移転するように仕向ける。米国製のボロ車なら問題にしないような欠陥をあげつらってトヨタを攻撃するなどなど、やりたい放題でした。
軍事的、経済的に米国に依存せざるを得ないので、米国の要求に唯々諾々と従っていたら、気づいてみたら、何をするにも米国の許可がないとできないようになっていた。今では、日本を財布程度にしか思ってないので、増税をさせるのも、為替介入をさせるのも米国の思うがまま。役人が鉛筆1本買うのも米国の許可が必要なのではないでしょうかね。冗談抜きで。
日本人が統治能力を取り戻すには、国民に選ばれた政治家がリーダーシップをとる「政治主導」が不可欠なのですが、日本が主体的に何かしようとすると、嫌がらせをするんですよね。
私は個人的には好きにはなれませんが、小沢一郎・民主党元代表に対する攻撃は常軌を逸しています。一昨日の秘書3人に対する政治資金規正法違反での有罪判決は、検察側が証拠を提出しなかったことまで、“事実”として認定してしまい、官僚(検察)はおろか、裁判所まで米国の支配下にあることをあらためて見せつけました。
これはロッキード事件でもわかっていたことですが、「あいつを有罪にする」と方針を決めてしまえば、証拠などどうでもいいのです。証拠なしで有罪にできるということは、私たちトレーダーだって、たとえば風説の流布とか、「あいつはカネに興味があるから」といって身近な窃盗事件で逮捕されてしまうことだってあり得るわけで、どれだけ恐ろしいことか。
日本の自立を主張する政治家は目障りなわけで、簡単に言えばつぶしてしまえということですね。米国債の購入を断って、政治的に抹殺された故・中川昭一元経済財務相、北方領土返還交渉で派手に動き回った鈴木宗男元衆院議員なども同じ構図。日本が米国抜きで東アジアや東南アジア諸国と連携しようとする構想はことごとくつぶされてきました。
何かしようとすると米国に頭を押さえつけられるので、国益のために国民のために何かをしようとする気持ちは起こらなくなりますよね。加えて中途半端なエリート意識や、プライドがあるので、ややこしい状況になります。
米国による支配を抜け出し、日本人の手で統治能力を取り戻そうとするならば、政治主導がだめならば、地方分権しかないし、これからの時代、一極支配より、地域に権限を移譲したほうがより実情に根差した行政ができると思いますが、前途多難ですね。大阪府の橋下徹知事なんか、真っ当なことを言っているように見えますが、本当に望ましい形で地方自治が実現できるのか? まだこの人物の評価は定まりません。
確かに日本は統治能力を失っていますが、欧州危機なんかを見る限り、どこも似たようなものですよね。日本よりは米国の圧力が緩いので、自分たち自身で何かできる裁量の余地は大きいと思いますが、結局、自らを律することができず、自滅しようとしています。
諸悪の根源である米国にしても、軍事力と金融を背景に他人に干渉することには長けていますが、自分自身で何かをつくり出すという能力がかなり落ちているので、経済破たん状態で、自分自身が身動きできなくなってしまっています。
地道な国づくりを怠ってきたので、国家破綻という事態に陥れば、国民の怒りが爆発、暴走し、統治できなくなる状態になるでしょうね。米国で内乱(civil war)が起きる可能性はかねて各方面から指摘されています。
大きな政府が広い国土と大勢の国民を統治するという時代が終焉しつつするということも認識しておかなければなりません。大きな力がすべてを支配するというのはもはや限界に近づいており、これからは小さくて、多様な組織が重要な役割を担うというのが新しい、あるべき姿ではないでしょうか。
ごく当たり前のことができないんですよね。もちろん未曽有規模の災害だったので、そこは考慮する必要があったのですが、ちょっと想像を働かたり、声に耳を傾ければ、「被災地の人たちがこういうことで困っている」とか「次は何が必要だ」みたいなことは分かるはずで、できることから手を打っていけば、事態は少しでも早く好転していたはずです。
米国なんかは、原発事故直後にさっさと軍隊や大使館員を避難させ、無人偵察機を飛ばして被害状況を確認した上で、「(首都圏が放射能汚染で居住不可能になるという)最悪の事態は免れた」とわかると、相次いでいろんな手を打ってくるわけです。
気持ち悪い「トモダチ作戦」なんかもそうだし、金融市場に対する攻撃もそうでした。日経平均先物は一時、7800まで突き落とされ、ドルもあっさりと史上最安値に下落し、底値で買いあさった上で、2、3日もすると何事もなかったように戻したわけです(ドルに関しては介入で戻したのだが・・・)。トロい日本の機関投資家や個人、さらには欧州の投資家はまんまと米国の金融詐欺にまたしてもやられてしまったわけです。
日本の統治能力のなさはもちろん日本人自らの問題であるわけですが、実質的に日本を支配している米国によるところも大きい。特にバブル崩壊以降、その傾向が顕著です。
それというのも、米国が東西冷戦後、“同盟国(保護国)”であった日本をはっきりと敵と認識し、日本を完全にコントロールしようと画策してきたからです。金融面でそれが顕著ですね。日本の大手銀行を身勝手なルールに従わせて弱体化させ、米国債を買わせたうえでドルの価値を下落させ貿易黒字を搾取し、さらには郵政民営化で郵便貯金をむしり取り、完全に丸腰にされてしまった。
さらには、日本の製造業が強いとみると、わけのわからない特許訴訟を起こしたり、ハイテク技術だった液晶や半導体などを韓国、台湾に強制的に技術移転するように仕向ける。米国製のボロ車なら問題にしないような欠陥をあげつらってトヨタを攻撃するなどなど、やりたい放題でした。
軍事的、経済的に米国に依存せざるを得ないので、米国の要求に唯々諾々と従っていたら、気づいてみたら、何をするにも米国の許可がないとできないようになっていた。今では、日本を財布程度にしか思ってないので、増税をさせるのも、為替介入をさせるのも米国の思うがまま。役人が鉛筆1本買うのも米国の許可が必要なのではないでしょうかね。冗談抜きで。
日本人が統治能力を取り戻すには、国民に選ばれた政治家がリーダーシップをとる「政治主導」が不可欠なのですが、日本が主体的に何かしようとすると、嫌がらせをするんですよね。
私は個人的には好きにはなれませんが、小沢一郎・民主党元代表に対する攻撃は常軌を逸しています。一昨日の秘書3人に対する政治資金規正法違反での有罪判決は、検察側が証拠を提出しなかったことまで、“事実”として認定してしまい、官僚(検察)はおろか、裁判所まで米国の支配下にあることをあらためて見せつけました。
これはロッキード事件でもわかっていたことですが、「あいつを有罪にする」と方針を決めてしまえば、証拠などどうでもいいのです。証拠なしで有罪にできるということは、私たちトレーダーだって、たとえば風説の流布とか、「あいつはカネに興味があるから」といって身近な窃盗事件で逮捕されてしまうことだってあり得るわけで、どれだけ恐ろしいことか。
日本の自立を主張する政治家は目障りなわけで、簡単に言えばつぶしてしまえということですね。米国債の購入を断って、政治的に抹殺された故・中川昭一元経済財務相、北方領土返還交渉で派手に動き回った鈴木宗男元衆院議員なども同じ構図。日本が米国抜きで東アジアや東南アジア諸国と連携しようとする構想はことごとくつぶされてきました。
何かしようとすると米国に頭を押さえつけられるので、国益のために国民のために何かをしようとする気持ちは起こらなくなりますよね。加えて中途半端なエリート意識や、プライドがあるので、ややこしい状況になります。
米国による支配を抜け出し、日本人の手で統治能力を取り戻そうとするならば、政治主導がだめならば、地方分権しかないし、これからの時代、一極支配より、地域に権限を移譲したほうがより実情に根差した行政ができると思いますが、前途多難ですね。大阪府の橋下徹知事なんか、真っ当なことを言っているように見えますが、本当に望ましい形で地方自治が実現できるのか? まだこの人物の評価は定まりません。
確かに日本は統治能力を失っていますが、欧州危機なんかを見る限り、どこも似たようなものですよね。日本よりは米国の圧力が緩いので、自分たち自身で何かできる裁量の余地は大きいと思いますが、結局、自らを律することができず、自滅しようとしています。
諸悪の根源である米国にしても、軍事力と金融を背景に他人に干渉することには長けていますが、自分自身で何かをつくり出すという能力がかなり落ちているので、経済破たん状態で、自分自身が身動きできなくなってしまっています。
地道な国づくりを怠ってきたので、国家破綻という事態に陥れば、国民の怒りが爆発、暴走し、統治できなくなる状態になるでしょうね。米国で内乱(civil war)が起きる可能性はかねて各方面から指摘されています。
大きな政府が広い国土と大勢の国民を統治するという時代が終焉しつつするということも認識しておかなければなりません。大きな力がすべてを支配するというのはもはや限界に近づいており、これからは小さくて、多様な組織が重要な役割を担うというのが新しい、あるべき姿ではないでしょうか。
防災
ニューヨーク金先物相場は、9月6日の最高値(1923.7ドル)から反落して、取引時間中に一時、1500ドル台前半をつけました。この3週間で2割下落した計算になります。
金価格が上昇するということは、中央銀行が発行するお金の価値が下がることを意味しますから、恐ろしい勢いで暴落していた通貨の価値が反転したことになります。それでも、つい最近まで1000ドル突破するかどうかというところだったので、現時点で、まだまだ金価格の水準は高止まりしていると言えるでしょう。
この1、2週間の金融市場の動きを見ていると、以前とは趣が変わっていますよね。リーマン・ショック以来、ほぼ一貫して米国経済やドルに対する信認がテーマになっていたのですが、最近はユーロ不安一色です。金価格の下落と軌を一にするようにユーロが対円で一時101円台をつけるなど軟調になっています。
世界を混乱に陥れているのは、間違いなく米国です。欧州もそれに負けず劣らず、バブルに踊り、乱脈の限りを尽くしてきたわけですが、欧州が結束すればまだ、何とかなるレベルではあります。ただ、そのためにはかなりの代償を支払う必要があります。
ただそれも、各国の国民の世論が現時点では恐慌であるということもあって、なかなか踏ん切りがつかないだけの話で、せっぱつまった状況に追い詰められれば、ドイツやフランスはギリシャやスペイン、イタリアの救済に動かざるを得ないでしょう。ユーロ導入で南欧諸国は簡単に借金ができるようになり現在の状況に至ったわですが、それらの国々に安易に金を貸し付け、輸出を増やした点では、マッチポンプであり、同じ穴のむじなです。
世界中の関心がユーロに向く中、自らの立場をわきまえず、いけしゃあしゃあと、他人の問題に首を突っ込み、混乱を拡大させているのが米国です。人類史上最悪の水準までに積みあがった債務をどうするかという、自らの問題には何も手を付けようとせず、ユーロ圏財務相会談などにずかずかと乗り込んでいくわけです。
さらにユーロを暴落させ、金市場に攻撃を仕掛けることで、ドルの価格を維持し、自らの延命を図るという、非常にわかりやすい構図ですね。
ただ、そんな姑息な工作をしても、1ドル=76円台からなかなか脱出できませんね。ドル・円の日足チャートなど醜くてとても見られたものではありません。チャート・スクールの先生はどう解説するのでしょうか? 「ソーサー・ボトム」を形成しているとかいうのですかね。後講釈で。
以前にも金投資の可能性について考えてみましたが、ポートフォリオの一部として、金を買うのは悪いことではないと思います。現在が買い場かどうかというのは、金融市場の状況や、先述の通り、米国がユーロや金にちょっかいをかけるので、判断が難しいと思いますが、ナンピン、ナンピン、ナンピン・・・の覚悟があれば、分の悪いことではないのではないでしょうか。
東京にいずれ直下型の大地震が来るのではないかというのは、3・11以前より指摘されていましたが、それに備えて懐中電灯や食料、水をしっかり備蓄していた人はどれだけいるでしょうか。私も米やペットボトルの水はそれなりに持っていましたが、スーパーの棚から食料が一時、消えた時は、心もとない状況でした。
欧州各国の財政破綻、そして米国の国家破産は、いずれ確実に訪れるのです。「防災グッズ」として、金を買うという考え方もあるのではないでしょうか。