オバマ政権の量的緩和政策は経済的効果があったのか?(宿輪先生の通貨のすべて)
米国の量的緩和第2弾(QE2)がまもなく終わろうとしている。QE2は、米国経済にどのような効果をもたらしのだろうか。
筆者は、少なくとも米国経済の回復に、大きく貢献したと考えている。量的緩和(通貨量の増大)は、まずドル安と金利の低下を導いた。その後若干のタイムラグの後、デフレ回避、株価反転上昇、景気回復が実現している。以下、それぞれをデータによって確認する。
量的緩和がドル安と金利低下を導いた
まず通貨量の増大と為替レートの低下(ドル安)との関係を見る。為替レートに影響を与える要因は多数ある。「通貨量」は重要なものの一つである。需要と供給の基本的な関係として“量”が増加すれば“価格”は低下する。