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傾向と対策

  本格的に9月相場に突入しましたが、なかなか上にも下にもダイナミックな動きにはならないですね。今、問題になっているのは、民間の金融機関や事業会社がどうこうというものではなく、国家の信用だとか、金融システムといった根幹にかかわることなので、なかなか市場参加者のパフォーマンスだけでは、そう簡単には動きづらいでしょう。
  さすがに米国もやばいと思ったのでしょう。いまさらながらですが、何か対策を打ち出そうとしているフシはありますが、悪あがきでしょうね。5年前に対策を打っていればまだ何とかなっていたかもしれませんが、さんざん放蕩を尽くした後ですから、待っているのは破滅的な結末のみです。
  私は、一度、リセットしないと現在の世界経済の状況から抜け出せないと思うので、近い将来、大恐慌が起きると予測していますが、新聞や経済ニュースなんかに出てくる、エコノミストやアナリスト、ストラテジストの方たちは、そうは考えていないようですね。単なる「二番底」とか、せいぜい「リセッション」程度の認識でしょう。世界経済の構造的な問題について、細かく分析しているのは皆無です。
  まあ、「円高はいいことだ」と発言しただけで、お呼びがかからなくなるくらいですから、本当のことを言う人は出てこれないという面もあるでしょうから、危機感を持っている人はもっといるのだとは思いますが、こんな状況でもドルが買われる現状、株が下げ渋る状況を考えると、先行きについて、まだ楽観的に見ている人はかなり多いでしょう。というか今なお、主流でしょうね。
  心理学というのは、破綻してしまった学問なので、あまり「心理学」「心理」「マインド」という言葉を使いたくはないのですが、マーケットを覆っている「錯覚」について、表現しようとすると投資家心理と表現せざるをえないので、とりあえずは使うことにします。
  現在の投資家の心理としては、ドルにせよ株価にせよ、「割安感」があるととらえる人の方が多いんですよね。テレビ東京や日経CNBC、マーケットワイドなんかを見ていると、キャスターも解説者もこぞって、「売られ過ぎ」とか「反転の兆し」みたいな言葉を使う。もちろん、あまりネガティブなニュースばかり流すと見てもらえなくなるという事情もあるのでしょうけれど、金融機関から個人投資家なで、多くの人は「安い」と考えていると思います。
  数年前まで、1ドルは110~120円、日経平均は1万5000円前後で推移していたのですから、当然でしょう。まして、米国が借金を踏み倒して計画倒産するなんて、一般的にはそんなに認識は広がっていないですから、「安値を拾う」みたいな感覚が強いと思います。
  先週、9000円を超えた時に特に感じたのは、実需の買いが根強いということです。日本株の場合は、もともと内需が強く、東日本大震災からの復興需要期待も高まっているので、なおされですね。ちょっと戻せば「反転攻勢だ」みたいな心理も働くのでしょう。
  ドル・円にしてもそうですね。介入警戒、期待もあり、さすがに1ドル=70円台なんて、普通の人にとっては信じられない水準なので、そこそこドル買い意欲が旺盛です。
  だから、非常にショートをかけづらい。一昨年あたりから、ずっとそういう傾向が続いていますね。そして実際に下げたら、それなりに反発してきました。
  為替介入とか、追加緩和とか、政策介入についても考慮しなければならないので、ファンダメンタル的にそしてこれはテクニカル的にもそうですが、本来下げなければならない水準まで下げず、小戻しするというパターンも続いており、本来は安心して「ショート三昧」のはずなのですが、ショートでは気持ちよく稼がせてもらえない地合いです。
  反発、反転はしないまでも、大幅な値崩れを防ぐというのが政策介入の目的ですから、売りに対しての牽制にはなっており、まさに当局の思惑通りだともいえるでしょう。FXならスワップ金利を払う覚悟があれば持ちこたえられますが、先物の場合、SQがあるので、ショートをキープしづらいですね。
  ドルもユーロも、NYダウも、日経平均も値を維持できなくなったら、いずれ修正が入り、暴落することになるでしょうから(逆のケースもあるんでしょうけれど、状況からして確率はゼロに限りなく近い)、それにうまく乗れるかどうかでしょうけど、難しいと思います。
  安全に稼ぐなら、やはり、分からないところでは、無理に触らないのが無難です。一昔前のように、一日に何度もエントリーのチャンスがあり、それなりに値幅も稼げればいいですが、世知辛くなっています。こんな状況でも月に何回は非常にわかりやすい局面があります。
  あとこういう状況を逆手にとって、下げたところで買う戦略は有効でしょうね。当局も何とかソフトランディングにならないか模索しているような感じがありますから、極端な値動きにはなりにくいです。ドル・円だとここから先、75円とか、1ドル=360円の5分の1の72円とかが心理的な節目として意識されるでしょうから、これらをどうするか見極めながら、下げ止まったところで買うのは一つの手です。ただ、下げ止まる保証はないので、話半分に聴いてもらいたいのですが。
  先物だと、当面、8600円どころが、震災後の日経平均の安値なので、心理的節目です。これをどうするか。ここが破られると、8000円とか、7750円とか、7500円とか、オプションなんかをにらみながら、機械的な値付けになるでしょうね。
  やや具体的な予測になってしまいましたが、あくまでも私の妄想なので、テキトーに聞き流してください。損失が出ても責任は負いかねますので。こういう考え方をする人もいるということです。今の状況だと、いくら儲けただとか自慢するより、資金を守ることの方が大切ですからね。

9月5日のポイント

  米国市場は休場。とりあえず先週末の米雇用統計の後始末をどうつけるかです。このままじゃ済まないと思いますけどね。中途半端な底堅さは何なのでしょうか。
  ドル・円は、どこで見限るか? これまでおおむね2円ステップで為替介入が入っているので、次のポイントは75円台前半に注目。要は75円割れでいったんおちついて、78円くらいまで戻して、先の介入ポイントである77.10を維持できずにだらだらと下げるパターンを一つのシナリオとして考えたい。介入のアリジゴクですよね。1ドル=50円時代が目前であるという、腹をくくらないと。安住さん、野田さん。
  あとは、各国中銀の金融政策決定会合があるので、要注視。それと今月20、21日のFOMCの地ならし。資本主義のルールにのっとって米国と、破綻状態の米企業にはさっさと退場してもらった方がいいと思うんですけどね。

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9月2日のポイント

  ドル・円が動意づいているが、当然、1ドル=77.10がポイント。すんなり超えられるようなら、そもそも為替介入などする必要がなかったということ。
  明日の雇用統計は、ドル・円を見ながら考えたい。

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9月1日のポイント

  イベントがあり、いろいろな思惑が交錯するので、動きづらいですね。

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8月31のポイント

  ADP雇用報告と、ISM製造業指数という、ビッグ・イベントがありますね。もったいぶって上昇させないのでしょうか?
  比較的堅調ですが、ドル・円も、先物も崩れる仕掛けがあるので注意が必要です。上昇するとしたらやはりイベントにからめてか?

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