株:NYダウ反落
11日の米株式市場は、本日引け後から本格化する米企業決算が堅調となるのではないかとの期待感などから、買いが入る場面がある一方、スロバキア議会によるEFSF拡充案の採決が遅れ、否決されるのではないかとの観測が浮上したことや、複数の格付け会社がスペインの主要銀行の格付けを引き下げたことなどが悪材料となるなど、強弱材料が交錯する中で、前日終値近辺で揉み合う展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比16.88ドル安の11,416.30ドルで引けた。
本日の東京市場では、スロバキアでEFSF拡充案をめぐる採決が否決されたことや、タイの豪雨による洪水で主要メーカーの工場が操業停止となっていることなどが悪材料視されており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,745円となっており、市場の予想レンジとしては8,600円−8,800円となっている。
為替:スロバキア議会によるEFSF拡充案の否決
11日の外国為替市場では、スロバキア議会によるEFSF拡充案が否決されるのではないかとの観測が広がり、ユーロが下落し、ユーロドルは一時1.36ドル台を割り込んだ。その後の投票で、EFSF拡充案は観測通り否決されたものの、首相が野党に対して協力を要請する意向を示し、再度行われる採決で可決される見通しが広がったことから、安心感が広がり、ユーロが買い戻される展開となった。NY終値ベースで、ドル円は76円台半ば、ユーロドルは1.36ドル台半ばとなっている。
本日は、英9月失業率(予想:5.0%)、ユーロ圏8月鉱工業生産(予想:前月比-0.7%)などの経済指標の発表や、米FOMC議事録(9月20,21日分)の公表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.30−77.00円となっている。
商品:NY原油続伸
11日のNY原油先物取引は、欧州債務危機をめぐる不透明感などが嫌気され、下落して始まったものの、午後に入り、フィラデルフィアの製油所が一時稼動を停止したとの報道や、イラン人らが駐米サウジアラビア大使の暗殺計画を企てていたことが明らかになり、中東の地政学的リスクが強まるとの思惑から、買い戻しが入り、中心限月の11月限の終値は、前営業日比0.40ドル高の1バレル85.81ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、前日相場が急騰した反動で、利食い売りが優勢となり、反落して引けた。中心限月の12月限の終値は、前営業日比9.80ドル安の1オンス1,661.00ドルで引けた。