先日のつし馬に続く、浅草ラーメン編第2弾。日曜日に以前から気になっていたラーメン店「馬賊」に行ってきました。お目当ては坦々麺です。
坦々麺は中国・四川の代表的な庶民の味で、本場では汁がないのが一般的のようですが、私は日本風にアレンジしたゴマだれたっぷりの坦々麺が好きです。陳建一シェフの赤坂・四川飯店の坦々麺が最もベーシックで、何度食べても飽きない味だと思います。
四川の味を研究し、素材も厳選して、さらに日本風坦々麺を洗練したのは、名古屋の「ダンダン亭」で、ここの味が私は日本一おいしいと思っています。
ダンダン亭、四川飯店に並ぶ、お気に入りの店を求め、期待を胸に浅草を再訪しました。
この日もまたまた、大江戸線蔵前から現地入り。暑いのでなるべく歩きたくないのですが、馬賊は雷門の南側、田原町寄りにあるので、蔵前で地下鉄を降りるのがベストなのです。
蔵前から歩いて6~7分。右手に駒形橋を望む、江戸通りと浅草通りの交差点から一本西寄りの通りを北(雷門方向)に入ると、馬賊がありました。
店は通りに面して、厨房が見えるショーウインドーのようになっており、店のご主人が麺をこねている最中でした。店に足を踏み入れると、パン、パンという麺を打ちつける音が響き、テンションが上がります。店内はどこにでもある、ちょっとひなびた中華料理店という感じですが、日曜日ということもあって家族連れでにぎわっていました。早速、坦々麺(800円)を注文しました。
混んでいたので、待たされるかと思いましたが、それほどでもなく、10分もかからないで、坦々麺が出てきました。麺はやはり目の前で手打ちしているだけあって、見るからに弾力とコシがある感じ。
まずはスープをすすってみると、四川飯店とは違い、透明感があり、さっぱりした感じでした。おそらく、ラーメンのスープをベースにしているのでしょう。ダシがしっかり効いており、厚みがある上に、香ばしいゴマの風味が広がり、坦々麺らしいピリ辛も感じられました。そして麺。これは見た目通りの食感で安心できる味で、スープとの相性もばっちりでした。
坦々麺が全国に広がってもう5、6年くらいたっているでしょうか。普通のラーメンにひき肉をのせ、赤唐辛子で辛くするという安易なつくりの坦々麺が多く、馬賊の坦々麺も見た目はそのような感じがしたのですが、実際に食べてみると、非常にレベルの高いものでした。
とにかく打ちたての麺がおいしく、スープとの相性もいいので、するすると食べられ、1週間に1回ぐらい食べてもいいような、気軽に楽しめる味でした。辛いものがちょっと苦手という方や、坦々麺を食べたことがない初心者向けとしてもいいかなと思いました。
通にはやや物足りない感じがあるかもしれませんが、さっぱりとしていて私にとっては満足できる一品だったと思います。
近くには玩具メーカーのバンダイの本社があり、ビルの前にはまめっちやアンパンマン、ドラえもんのオブジェが置かれ、子供たちがお父さんに写真を撮ってもらっていました。
それと私にとってうれしいことに、周辺をあるいていると、8年ほど前、友人と訪れた鉄板焼き店で、米沢牛のステーキがとてもおいしかったのですが、店がどこにあったか忘れてしまい、それっきりになっていた店を再発見してしまいました。是非、そのうち行きたいと思っています。
おそらく馬賊は坦々麺だけでなく、普通のラーメンもそこそこおいしいと思います。浅草が麺どころだということを教えてくれました。
東京には、馬賊を始め、無数の中華料理店があります。最近では関西から餃子の王将が進出し、東京をはじめ首都圏で広がりつつあり、店の前に行列ができる光景も見られますが、さまざまな個性を持った、個人商店のパワーも負けていません。これからもたくさんのお店に出合いたいと思います。