エースがしっかり相手打線を封じ込めて、
4番がしっかりとなすべき仕事をこなす。
これこそが理想の試合展開ですが、なかなか、お目にかかれません。今宵は最高の一夜でした。QVCマリンフィールドで行われた千葉ロッテ・マリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの一戦は、エース・田中将大が要所を締め、打線が4番・山崎武司を中心に奮起し、10-1で快勝しました。
はたから見ると、一方的な展開でつまらないと思われるかもしれませんが、一勝の重みを知る野球ファンにとっては、これほどうれしい試合はありません。
投打が完璧にかみ合う試合なんて、1年にそう何度もあるものではないですからね。しかも、いつも勝ち負け紙一重のかつかつの勝負を見せられている楽天ファンからすると、痛快です。
相手は、何といっても、昨年、下克上で頂点に立った、日本チャンピオン・チームです。スタメンを見ると、どちらが格上か一目瞭然ですね。
西岡剛がメジャーに行き、穴ができたとはいえ、足を使える選手と、パワー・ヒッターのバランスが絶妙で、ツボにはまるととてつもない力を発揮する打線です。荻野がけがが多いのが残念ですね。清田もスタメンで出てほしい選手です。
それに比べると、楽天は、年寄りと小兵を寄せ集めた、貧弱な打線ですね。せめて鉄平と草野は安定して出てほしい。何年か前に万年Bクラスの広島東洋カープの試合を見た時、「小粒だなぁ」と思いましたが、それでも栗原とか嶋とか主軸がしっかりしており、かつては金本や新井貴、シーツが所属していたチームでもあり、そう考えても、楽天の層の薄さは12球団屈指です。でもそのチームが今、勢いがあるのですから、勝負事というのは分からないものです。
ただ、バッテリーを比較すると田中-嶋は、十分通用しますね。今の野球界では一流に“超”をつけてもいいと思います。ロッテは里崎が登録抹消で、ピッチャーもマーフィーはちょっと物足りないですね。成瀬や唐川が出てくれば面白かったのですが、ローテーションの関係もあるので、仕方ないでしょう。
今日は台風の影響で、時折、にわか雨があり、一回裏には15分ほど試合が中断するアクシデントもありましたが、大事には至らず、五回裏には名物、花火の打ち上げもあり、週末で、楽しい雰囲気でした。マリンフィールドは海からの風が潮の香りを運んできて、とてもさわやかで、好きな球場です。
ロッテファンは、12球団屈指の暑い応援で知られます。点を取って勢いに乗られるとやっかいですが、ランナーを得点圏に背負っても、マー君が三振を奪取して、要所を締め、強力な応援団を沈黙させたのもなかなか、見られない光景でした。
数では完全に劣勢な楽天ファンでしたが、しり上がりに勢いが増し、本拠地で応援しているような感覚になりました。これも野球の醍醐味ですね。
逆にロッテは、週末で子どもたちも多く観戦に来ていたのに、ちょっとふがいないですね。ロッテファンには気の毒な展開でした。
もっと接戦になるかと思い、楽天に“気”を送ろうと、身構えていたのですが、とても楽な展開で、逆にこちらの方がいい気をもらってしまいました。やはり勝ちゲームはいいですね。精神的に非常にいい効果が出ます。運気もアップすると信じています。
実は、神宮に東京ヤクルト対巨人を見に行くか悩みました。あちらも今、重要な局面ですからね。ロッテ-楽天戦のチケットを予約した後も、後ろ髪をひかれる思いだったのですが、すっきりしました。ヤクルトもようやくアク抜けしつつありますね。巨人に2連勝です。
最高の夜でした。
ところでQVCマリーンフィールドというと、東日本大震災では液状化で、周辺の地盤がゆるみ、かなり大きな被害が出たことで知られます。
球場正面入り口付近の一角はいまだに立ち入り禁止になっており、震災の被害を生々しく思い起こさせます。
一時は、野球なんかできるのかと心配しましたが、何とか、日常を取り戻せましたね。平和に野球を観戦できることを心から感謝します。そして、被災地が一日も早く復興しますように。願いを込めて。