2012年5月11日のマーケット予想

株:NYダウ反発
10日の米株式市場は、週間新規失業保険申請件数が36.7万件と前週から予想外に減少し、米景気の減速懸念が後退したことや、最近の下落を受けた安値拾いの買いが入り、NYダウは一時前日比約100ドル高まで上昇した。ただ、その後は、IT大手シスコシステムズ今期の業績予想について慎重な見方を示したことなどが嫌気され、値を削る展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比19.98ドル高の12,855.04ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が反発しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,060円となっており、株式市場の予想レンジとしては8,950円−9,100円となっている。
 
為替:ユーロが上昇
10日の外国為替市場では、欧州金融安定化基金がギリシャへの第2次融資の一部を実行したことや、スペインの国債利回りが低下したことなどを背景にユーロが買い戻される展開となった。NY終値ベースで、ドル円は79円台後半、ユーロドルは1.29ドル台前半となっている。
本日は、英4月生産者物価指数(予想:前月比+0.4%)、5月ミシガン大消費者信頼感指数(予想:76.4)などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.50−80.20円となっている。

商品:NY原油反発
10日のNY原油先物取引は、米経済指標が市場予想を上回ったことや、為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことなどを好感し、上昇して始まった。ただ、OPECが加盟国による石油供給が世界市場の需要を上回る水準にあると報告したことや、中国の4月原油輸入が前月比5.5%減少したことなどが嫌気され、上値は限定的となった。中心限月の6月限の終値は、前営業日比0.27ドル高の1バレル97.08ドルで引けた。
NY金先物取引でも、為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことや、前日までの下落を受けた安値拾いの買いが入った。ただ、金現物の消費国であるインドや中国での需要が鈍っていることが相場の圧迫材料となり、上値は限定的となった。中心限月の6月限の終値は、前営業日比1.30ドル高の1オンス1,595.50ドルで引けた。