カテゴリー別アーカイブ: 日経225ニュース

日経225先物に特化したニュース・情報です。

自動車の未来~東京モーターショー2011⑦終 総括

  東京モーターショー2011の期間中の入場者数は約84万人。主催者側の目標が80万人とのことなので、東京で開催した効果もあるのでしょうが、まずまずの客の入りだったのではないでしょうか。
  私が訪れた12月6日は入場者数が6万5千人と、期間中の1日当たり入場者数が最も少ない日でしたが、それでも人気の展示には、二重三重の人だかりができ、写真を撮るための場所取りもままならないほどで、人気のあるイベントであることを実感させられました。


  ただ、高度成長期やバブル期との勢いの違いは比べるべくもないし、まだ未来に対して単純に希望が持てていたリーマン・ショック前と比べても、一般の人々の自動車にかける思いというのは冷めており、自動車メーカーにとって厳しい時代であることに変わりありません。


  全体的に見て欧州メーカーの環境対応車など、ところどころで「おもしろいな」と思ったものはありましたし、どの展示もそれなりに興味深かったのですが、正直、心躍るようなものはありませんでした。
  技術やアイデア、商品自体がすでに発表済みのものがほとんどで、未来に向けて我々が想像もしていなかったような提案は何一つありませんでした。


  実現できなくてもいいから突拍子もないアイデアの提案があってもいいのではないでしょうか? 2、3年後には実用化されるであろうコンセプトカーや、既に発売済みの車の展示だけだったら、東京ドームでも借り切って「見本市」として開催すればいいだけのことです。
  たとえば、ジェット噴射あるいはリニアモーター方式で浮き上がって推進する車輪がない浮上式の車とか、安全にこだわるというのなら、完全無人走行の車とか、セグウェイのような形の都市型交通システムとか、もっともっと夢のある展示があっていい。
  それぐらい野心的な目標がないと、自動車ってどんどんつまらない方向に行ってしまいますよね。遊園地のゴーカートに毛が生えたような電気自動車あたりで進化は止まってしまうのでしょうか。
  世界経済の閉塞感が強まっているのも、そのあたりが原因ですよね。住宅も自家用車も家電製品も行き着くところまで行き着いてしまい、物質面だけでなくソフトも、どうやら人間の考えることには限界があるのではないかと、みんなうすうす気付き出しました。
  だからこそ、限界を突破する努力が必要だし、何かやれば何か変わる部分もあるんだろうと思います。自動車メーカーは紙の目先のお金に対しては、最近は恐ろしいほど貪欲に執着しますが、奇想天外な商品で世間をあっと驚かせようということには消極的のようです。企業家精神までゆがんでしまいましたね。






  今回のモーターショーで忘れてはならない存在が、部品メーカー群です。自動車メーカーの展示スペースと比べると、人の集まりは、それほど多くはありませんが、各企業が自慢の技術を競って持ち寄り、非常にためになる展示が多かったと思います。
  自動車って実は自動車メーカーが造っているわけじゃないんですよね。2万点に上るといわれる、自動車部品のほとんどは、何次にもわたる下請け業者がつくっています。それをメーカーが集めて完成車に仕上げるわけです。
  自動車の性能はこうした下請け業者の技術と、品質管理によるところが大きいのです。こうした質の高いもの同士を組み合わせて、全体の整合性を取って、高い能力を発揮する製品を造り出す「擦り合わせ」というのは日本人の得意とする分野です。
  細かいところまで妥協を許さない職人気質と、使う側のことを思いやる繊細な心遣いがそれを支えてきました。残念ながら欧米人には太刀打ちできず、製造業から駆逐されたために金融ばくちと不動産ころがしぐらいしかできなくなってしまったのです。












  そして、自動車産業が今も日本の屋台骨であるのは、鉄鋼、金属、ガラス、ゴム、電子部品をはじめ、幅広い業種の企業を巻き込む裾野の広い産業であるからで、しかも日本には各分野で精鋭企業がそろっています。
  東日本大震災やタイの洪水では、部品の供給網が寸断され、数ヶ月もの間、完成車の生産計画の下方修正を迫られるなど大きな影響がでるとともに、日本の自動車産業の層の厚さと、技術力があらためて見直されました。
  ただ、電気自動車について触れた回で述べた通り、完全にモーターとバッテリーだけになる状況まではいかないまでも、低燃費、省資源、生産効率化の観点からも自動車の構造そのものは簡素化される方向にあり、家電業界同様、多くのメーカー、部品メーカーが共存共栄するモデルは成り立たなくなりつつあります。
  また、今朝の一部報道では、トヨタ自動車が韓国・現代自動車グループから部品の調達を検討しているとのこと。リーマン・ショック以降、トヨタに国内産業を守る気概がないということがどんどん明確になってきますね。がっかりさせられます。










  経済全体に占めるものづくりの割合はどんどん低下していて、世界的な生産の効率化と、過剰生産の動きも激しく、自動車をはじめメーカーの置かれている立場は非常に厳しいものがあります。
  でも、これまでの日本の製造業の進んできた道を考えると、日本人にはものをつくる才能に非常に恵まれているとしか思えません。愚直にものづくりをして、多くの人に喜んでもらえる製品を生み出す。これによろこびを感じされる国民はあまりいないでしょう。
  だから、ものづくりを捨てることは“死”を意味するに等しく、死守しなければなりません。  








  そのためには、世界を驚かせるようなものを次から次へと繰り出していく必要があります。欧米人でも考え付くような電気自動車の域でとどまっていてはいけないのです。
  日本人の英知を結集すれば、もっともっと新しいもの、高度で複雑な技術の組み合わせで、他の追随を許さないものを生み出せると思います。
  ポテンシャルを眠らせておくのは惜しすぎます。「これはすごい」「日本人にしかつくれない」ものを生み出せるのに、それをしないのは、日本にとっても世界にとっても不幸です。






  来年になれば、金融恐慌が本格化し、世界を取り巻く情勢は一変していることでしょう。だから自動車に対する考え方も大きく変わるはずです。
  自動車メーカー各社も未曾有の苦境に陥ることが必至ですが、そこから這い上がることができるか? そして苦しみもがき続ける中でで何が生み出されるのか?
  2年後にまたモーターショーが開かれるのか、それすら分かりませんが、新しい境地が切り開かれていることに期待したいと思います。
  

12月15日のポイント

  クリスマスラリーの夢、暗転。というか、過大な期待を抱きすぎていたかも。少なくとも上に行くのがかなり厳しいことが分かりました。しつこく買っている人たちがいますが、勝算はあるのか? むしろ、吹くなら売りで待ちたい。
  ダウが異常な高値を維持する中、追加金融緩和などあり得ないでしょう。イベントはほぼ出尽くしたとみますが、残ったのは、欧州格下げでしょうかね。
  この状況がいつまで続くか分かりませんが、上に行き場がなく、レンジで推移した後、大暴落した、リーマン・ショック前の状況と酷似してきたことを付記しておきます。
  

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値

自動車の未来~東京モーターショー2011 軽自動車・大型車





  最近、軽乗用車の燃費競争が激しくなっています。代表格はダイハツの「ミラ イース」とスズキの「アルト エコ」。どちらもリッター30キロクラスの低燃費車です。




  でも、軽乗用車って、エンジンスペースなどに制約があるので、意外と燃費を食うんですよね。走行の仕方やモードにもよるので、一概に比較できるのかどうかは分かりませんが、トヨタ自動車の最新鋭のハイブリッド型コンパクトカー「アクア」なんかはリッター35キロで、プリウスも最新モデルは余裕で30キロを超えてきます。
  自動車工業会なんかは、普通乗用車の方が燃費がいいのに、軽自動車より割高な税負担を強いられているなんて主張して、是正を求めていますよね。
  普通乗用車の税負担が軽減されれば、車両本体価格は安くても、トータルでは普通乗用車を購入した方が、お得なんてことになるかもしれませんね。
  軽は軽で小回りが利き、運転しやすいし、駐車スペースが小さくてもすむので、特有のメリットもあるのですが。


  スズキは資本・業務提携をめぐって、独フォルクス・ワーゲンと泥沼のバトルを繰り広げていますが、魅力的なのはインドでの圧倒的なシェアですよね。
  トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどが総じて、欧米で販売が強く、新興国で出遅れていて、VW、韓国・現代自動車、米ゼネラル・モーターズなんかの後塵を拝していたりするのですが、その点で、スズキは非常にユニークですね。


  インドでは、大衆車として比較的コンパクトな乗用車が好まれ、売れ筋となる傾向にあり、スズキが最も得意とする分野であるのが大きいですね。
  トヨタ、日産、ホンダだけが自動車メーカーではない。多様性を維持してきた日本だからこそ、こうした面白い現象がみられるんだと思います。
  いつどこで何がブレイクするか分かりません。韓国のように1990年代の金融危機で、国際通貨基金(IMF)に徹底的に経済を改造され、1業種1社にされてしまった国と、多様なメーカーが共存する日本。
  どちらがいいとは断言はできませんが、日本人のマインドとしては、選択肢はたくさんあった方がいいですよね。




  日本の乗用車メーカーは本当に多様ですが、トラックも負けていません。時間がなくて、駆け足で見て回るような状況でしたけど、トラック・バスの展示スペースもそれなりの規模でした。




  トラックもやはり、低燃費のアピールが中心でしたね。日野自動車はトヨタグループらしく、ハイブリッドタイプのバス、トラックを提案していました。
  大型車に関しては、正直、あまり明るくないのですが、走行距離がハンパではないし、当然、使う燃料の量も膨大になるでしょう。乗用車よりもむしろ、大型車の方が日本の強みが発揮できるのではないかと思いますね。
  軽油なんてもともと割安ですけど、それでも、低燃費技術で、1割でも、1.5割でも燃費を向上できれば、運輸事業者にとってはかなりの経費節減につながるのではないでしょうか。




  日本の大型車メーカーの弱みはやはり、海外での販売網の弱さでしょうかね。海外旅行に行くと、どの地域に行っても、燃費が悪く、頭も悪そうな某欧州メーカー製のトラック、バスが幅を利かせています。
  それに比べると、日本の大型車は何とスマートに見えることか。




  バスなんかもよくよく観察すると面白いんでしょうね。日本のバス会社は結構、早いサイクルで新型車を投入しています。
  今は、かなり大型車も業界再編されてしまいましたが、国内市場がそこそこ大きいので、乗用車同様、多くのメーカーが共存してきました。




  大型車の展示スペースを回ってみて、日本は本当に自動車大国なんだなと、あらためて感じさせられました。

8540L→8500 -40 ×5 -200

  出先なので、取り急ぎご報告。昨日日中ロングしてキープしましたが、8490~8500のサポートあっさり破られました。朝イチで損切り。なぜかしつこく買われますが、下落スイッチが入った可能性もあるので注意。
  一方で、クリスマスラリーという事情もあります。難しい。昨晩さっさと利食えばよかったですが、チャレンジのつもりだったので悔いなし。でもくやしいな。

12月14日のポイント

  クリスマス・ラリーをやるつもりなんでしょうかね。8660-8770-8880のラインに無理やり回帰させるのかどうか。
  FOMCを抜ければ重しがとれるのでしょうか。ちょっと面白そうですが。

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値