「ユーロ高」と「欧州統合」が進む(宿輪先生の通貨のすべて)
ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)は4月7日、中央銀行が民間銀行へ貸し出しする際に使用する政策金利を過去最低の1.0%から0.25%引き上げて1.25%にすることを決定した。2008年の金融危機の後、日米欧の先進国では初の利上げである。物価の上昇を防ぐ狙いである。以前、解説した通り、ECBは特に「物価の安定」を使命としている。
金利上昇に伴い、ユーロ高が続く傾向
この金利の引き上げは、前回解説したように、為替相場に影響を与える。今年に入ってからのユーロの上昇は著しい。円高局面を迎えていた日本円に対しても上昇した。
ECBのトリシェ総裁は、記者会見において「追加利上げの可能性に含みをもたせた」とされている。