「切り花型」技術革新には限界がある(「頭脳大国」中国の真実)

 浜松ホトニクスは光技術分野で世界をリードする日本屈指のイノベーション企業である。特に有名なのは東京大学名誉教授である小柴昌俊博士によるノーベル物理学賞を陰で支えたことだ。素粒子「ニュートリノ」の観測において、浜松ホトニクスが開発した大口径の「光電子倍増管」が大きく貢献した。  同社も2008年秋のリーマンショックにより一時的に業績が減益基調になったが、早くも医療分野や通信分野などで光レーザー半導体などの需要が回復し、今年度も20%程度の売上高営業利益率を見込む。この会社を第2次世界大戦後の創業以来、リードしてきたのが創業者の1人である晝馬輝夫会長だ(現在は病気療養中)。  晝馬会長は長く、中国での光産業の育成も支援してきた。