リビア空爆、オバマ大統領の「苦しいバランス」(ニュースを斬る)
3月19日、米国、英国、フランスなどの多国籍軍が、リビア反政府軍に空爆を加えているカダフィー政権軍の部隊と施設に、戦闘機と巡航ミサイルによる空爆を行った。カダフィー政権軍に対し、飛行禁止区域を設定することが目的である。
アフガニスタンでの難航する軍事作戦という重荷を背負いながら、オバマ政権がリビアへの軍事作戦に舵を切ったのはなぜなのか。米国人はどのように受け止めているのか。中東全体への影響はどうなるのか。このあたりを考えてみたい。
譲れないケースでは、自らが行動する
3月28日、オバマ大統領はリビアへの米国の立場について、全米に向けテレビ演説を行った。演説の中で、オバマ大統領は、「米国はこれまでの歴史の中で、世界の安全保障の最後の砦であり、人間の自由を守るユニークな役割を果たしてきた」として、米国が世界に自由と人権を守る理想主義的な姿勢を示した。